高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【施設一体型小中一貫校】立ち止まっても「重点取り組み」と断言。保護者とのオープンな議論・公正なアンケート調査を

はまだ剛史 twitter 何事もオープンにオープンに行きたい。コソコソと事を進めるのはもう時代遅れです。市民がどう思っているのか,これが大事。

今日は9月議会の最終日。私も一般質問で3項目について質問しました。

一昨日の本会議では、濱田市長から、第四中学校区の施設一体型小中一貫校構想について、「『富田地区まちづくり基本構想』から切り離した上で、今一度立ち止まって、慎重に検討」を行うとの報告がされました。

■第四中学校区施設一体型小中一貫校構想について
(略)
本市では、子どもたちにこれからの社会を生き抜く力をつけることを目的に、平成28年度より全中学校区において、連携型小中一貫教育を実施してきました。これにより、小・中学校の教職員間の連携が深まり、教育活動の質が高まった結果、児童生徒の学力の向上や生徒指導上の課題が減少するといった成果が見られました。

これまでの成果を踏まえ、令和2年度からは『富田地区まちづくり基本構想』の策定に着手し、施設一体型小中一貫校の設置に向けて、検討を進めてまいりました。

この間、『小中一貫校だより』の発刊や説明会の実施など様々な形で、基本構想の検討状況をお伝えしてまいりました。その中で、皆様からはご期待の声をいただく一方、通学路における安全確保など様々なご意見やご要望を頂戴したところです。

こうしたお声を受け、第四中学校区における施設一体型小中一貫校の設置については、『富田地区まちづくり基本構想』から切り離した上で、今一度立ち止まって、慎重に検討を行ってまいることといたしました。

これまで、基本構想をより良いものとするため、貴重なご意見を頂いてまいりましたことに深く感謝申し上げます。

なお、施設一体型小中一貫校の設置は、教育の質を更に高めるため、『第2期高槻市教育振興基本計画』における重点取組の一つとして位置付けています。今後も子どもたちの学力向上、地域参画力の育成を第一に考え、小中一貫教育を始め、様々な教育施策を推進してまいりますので、引き続き、本市教育へのご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和3年9月24日

高槻市教育委員会 教育長 樽井 弘三



※HPでは教育長名義となっていますが、本会議では市長が同様の趣旨の発言をしました。

「今一度立ち止まって、慎重に検討」ということは、事実上の断念かと思ったのですが、今日の私の質問に対しては、施設一体型小中一貫校の設置は、第2期高槻市教育振興基本計画でも重点取り組みの一つとされているとして、今後も進めていくというようなニュアンスの答弁がされました。立ち止まるというのは、単なるポーズなのでしょうか?

上の画像は濱田市長のツイッターですが、これをふと思い出し、最後に以下の意見を述べました。

・・・今後は、せっかく立ち止まったわけですから、単に行政の内部で検討するのではなくて、しっかりと、住民の皆さんの意見を聞いて、学校をどうしていくべきなのか、住民の皆さんと向き合って、議論を行ってください。
 その議論の中で、これまでの小中連携の取り組みで、どれだけ学力向上等の成果があったのかとか、施設一体型のメリット・デメリットとか、市の財政や少子化の状況とか、真摯に、客観的なデータを示して、語り合うべきです。
 そして、一貫校の形をどうするのか、あるいは、これまでどおり、赤大路小学校、富田小学校、第四中学校を、それぞれ現地に置くのか、皆さんが納得できる、まともな選択肢を示して、全保護者に対して、アンケート調査を行ってください。もちろん、ジャイアン・アンケートは、なしでお願いします。そうやって、市民の皆さんに対して、オープンに、オープンに、検討を進めてください。提案と要望をしておきます。



以下は今日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■一般質問

1.施設一体型小中一貫校等について

<1回目>

(1)9月13日の総務消防委員会協議会で、第四中学校の校区の住民の皆さんが要望している説明会の開催についておききしたところ、地域コミュニティ等への説明会を予定しているということでした。具体的には、いつ、どの団体に対して行うのでしょうか?お答えください。
 また、住民の方々は、希望する全地域住民が参加できる説明会・意見交換会を開催するよう要望されていますが、そうした説明会・意見交換会は、別途開催されるのでしょうか?されるのであれば、いつ行うのかお答えください。
(2)施設一体型小中一貫校が富田小学校地に設置された場合、何人の児童が、踏切またはJRのガード下を通って通学することになるのでしょうか?人数をお答えください。
(3)児童をスクールバスで通わせればいいという意見もあったと聞きました。スクールバスの場合、JRのガード下を通ることになりますが、その先には、度々渋滞が発生している、阪急の富田西踏切があります。富田西踏切は、国の基準では「自動車のボトルネック踏切」であると、市の資料に書かれていました。スクールバスで、児童をピストン輸送する場合には、かなりの時間がかかると考えられますが、そうしたことを考慮すると、仮に300人の児童を30分以内に運ぶ場合、何台のバスが必要になるのでしょうか?お答えください。
 また、バスは、どこに停車することになるのでしょうか?どういったルートになるのでしょうか?どこでUターンができるのでしょうか?お答えください。
(5)保護者説明会で、市は、踏切の安全対策をおいおい考えると述べたそうですが、安全対策も検討せずに、立地の選定をするなんてありえないと思います。安全対策については、本当は、具体的にどういった検討をしているのでしょうか?お答えください。

①②③⑤⇒ 第四中学校区における施設一体型小中一貫校の設置につきましては、検討を進める中で、市民の皆様から一貫校設置についての期待の声もいただきながら、一方で、通学路を始めとする様々な課題についてのご意見を頂戴したところです。また、議員の皆様から、多くのご意見やご要望をいただいたことから、今一度立ち止まって、慎重に検討を行っていくことといたしました。

(4)赤大路小学校の校区安全マップには、赤大路踏切の記載がないのですが、何故なのでしょうか?お答えください。
 また、現在、踏切や、場合によってはガード下を通って学校に通っている児童もいるということですが、どういった安全対策がとられているのでしょうか?具体的にお答えください。

④⇒ 校区安全マップにつきましては、児童自ら通学経路等を書き込む教材として作成しているものでございます。なお、府道のガード下については幹線通学路ではなく、学校からは通学の際に利用しないように指導しています。

<2回目>

(1)あらためておききしますが、住民の方が要望している説明会等については、必ず行うということでよろしいでしょうか?お答えください。
(2)今一度立ち止まって、慎重に検討を行っていくことにしたということですが、ということは、通学路の安全対策については、何も結論を出していないのに、施設一体型小中一貫校の候補地を、富田小学校地に選定したということで、よろしいでしょうか?お答えください。
(3)校地の選定に関しては、「地域資源の活用」「新たな公共施設との連携」といった観点もあったということですが、仮に、一貫校が富田小学校地に設置された場合、どういった地域資源の活用や、公共施設との連携がされるのでしょうか?具体的にお答えください。
(4)通学路の安全対策について、課題があるにもかかわらず、一貫校の候補地を、富田小学校地に選定したのは、何故なのでしょうか?理由をお答えください。
(5)スクールバスについては何も具体的なお答えがありませんでしたが、スクールバスは実現可能なのでしょうか?可能なのであれば、どれだけの費用がかかるのでしょうか?お答えください。

①~⑤⇒ 1問目でもご答弁しましたが、第四中学校区における施設一体型小中一貫校の設置については、今一度立ち止まって、慎重に課題の検討を行っていくこととしたものですので、よろしくお願いします。

(6)校区安全マップには、富田村踏切については、「登校時、踏切の開閉時間が短い時がある。」と書かれています。しかし、先ほど申し上げたとおり、赤大路踏切については何も書かれていません。赤大路踏切も、富田村踏切と同様に、国の基準で「開かずの踏切」とされているのに、幹線通学路となっています。にもかかわらず、赤大路踏切のほうは、校区安全マップに書かれていないとなれば、富田村踏切よりも安全だと勘違いするケースもあるのではないでしょうか?赤大路踏切についても、富田村踏切と同様の注意書きを記載すべきだと思いますが、教育委員会の見解をお聞かせください。
(7)私が今年の7月に通学の様子を見た時には、国道の横断歩道には、セーフティボランティアの方がおられたのですが、赤大路踏切にはおられませんでした。現在、児童が通学で踏切を通る際には、どういった安全対策をしているのでしょうか?お答えください。
(8)府道のガード下については、幹線通学路ではなく、学校からは通学の際に利用しないように指導しているとのことです。しかし、校区安全マップには、「踏切が開かないときの迂回路として使う。歩ける場所がとてもせまい。」「車の交通量が多い。見えにくいところがある。」と記載されています。このガード下は、踏切が事故等で開かない場合には、迂回路として使うのではないのでしょうか?お答えください。
 また、ガード下を通学で使う場合には、どういった安全対策をしているのでしょうか?お答えください。
(9)校区安全マップの修正や、踏切・ガード下等の安全対策をしていただける場合、令和何年度までに、やっていただけるのでしょうか?お答えください。

⑥~⑨⇒ 校区安全マップ等についてですが、校区安全マップは通学経路等を児童自身が書き込み、児童の安全意識の向上や危険予測・回避能力の育成につなげるための教材として、毎年作成しているものです。登下校時の安全対策につきましては、児童への安全教育やセーフティボランティアによる見守り活動等を通じて、安全確保に努めております。また、踏切が事故等により開かないとの情報があれば、府道のガード下を通行する児童の付き添いなどを教職員が行っております。

<3回目>

 第四中学校区における施設一体型小中一貫校の設置については、今一度立ち止まって、慎重に課題の検討を行っていくということですが、それは具体的には、どういうことなんでしょうか?校地の選定からやり直すということなんでしょうか?施設一体型小中一貫校の設置自体を取りやめることも検討されるのでしょうか?何を課題と考えているのか、何を検討するのか、具体的にお答えください。
 また、スケジュールはどうされるのでしょうか?どのような手順で検討されるのでしょうか?いつまでに結論を出すのでしょうか?具体的にお答えください。

 あとは意見です。
 先日の総務消防委員会の協議会で指摘しましたが、高槻市は、今年7月に行った、富田地区まちづくり基本構想についてのパネル展示・オープンハウスで、来場者に対して、滅茶苦茶なアンケート調査を行っていました。
 施設一体型小中一貫校等の学校づくりの基本方針について、どう思うのか、3択で答える形式のものがあったんですが、その3択の選択肢は、「良い」「概ね良い」「他の視点も入れてほしい」の3つでした。「良い」という選択肢があるなら、「悪い」という選択肢も設けるのが普通です。「『悪い』とは、絶対に言わせないぞ」という「ドラえもん」の「ジャイアンリサイタル」も真っ青な、強制的な選択肢で、住民の意向を捻じ曲げて、自分達にとって都合のよい調査結果を、デッチ上げてしまおうという魂胆だったんでしょうけれども、行政として恥ずかしくないのかなと思います。
 この3択が象徴しているように、高槻市は、強引に、第四中学校区の施設一体型小中一貫校を、富田小学校地に設置しようとしていたわけです。
 けれども、そうすると、踏切や、JRの狭いガード下を、たくさんの児童が通学することになります。それは、どう考えても危険です。私も、議員インターン生の大学生達と、実際に歩いて、その動画をユーチューブにもアップしましたが、大学生達も、小学生が通学するのは大変だと思うと感想を述べていました。皆さんも実際に歩いてみれば、危険性が分かるはずです。
 スクールバスも、富田西踏切を国が「自動車のボトルネック踏切」であるとしているとおり、慢性的に渋滞が発生していることなどからすれば、現実的ではありません。
 児童の通学を、ますます危険な状態にしてしまうのに、強引に、一貫校を設置しようなんてのは、言語道断です。
 保護者・住民の皆さんが、懸命に運動をされるのも当然です。そういった保護者・住民の皆さんや、我々議員の意見を受けて、一昨日の濱田市長の報告では、施設一体型小中一貫校の設置については、今一度立ち止まって、慎重に課題の検討を行うことにしたということですが、ただ、今後は、せっかく立ち止まったわけですから、単に行政の内部で検討するのではなくて、しっかりと、住民の皆さんの意見を聞いて、学校をどうしていくべきなのか、住民の皆さんと向き合って、議論を行ってください。
 その議論の中で、これまでの小中連携の取り組みで、どれだけ学力向上等の成果があったのかとか、施設一体型のメリット・デメリットとか、市の財政や少子化の状況とか、真摯に、客観的なデータを示して、語り合うべきです。
 そして、一貫校の形をどうするのか、あるいは、これまでどおり、赤大路小学校、富田小学校、第四中学校を、それぞれ現地に置くのか、皆さんが納得できる、まともな選択肢を示して、全保護者に対して、アンケート調査を行ってください。もちろん、ジャイアン・アンケートは、なしでお願いします。そうやって、市民の皆さんに対して、オープンに、オープンに、検討を進めてください。提案と要望をしておきます。
 それから、今も、踏切やガード下を通って通学している子ども達がいます。校区安全マップは、通学経路等を児童自身が書き込むものだということですが、だとしても、極めて危険な箇所については、あらかじめ記載しておくべきです。直ちに改善するよう強く要望します。

【答弁要旨】
 第四中学校区における施設一体型小中一貫校の検討にあたっては、コミュニティやPTAをはじめとする地域住民の皆様や、議員の皆様から、多くのご意見やご要望をいただきました。そうしたお声を受け、諸課題に対応するために、富田地区まちづくり基本構想から外すこととしたものであり、慎重に課題の検討を丁寧に進めてまいりたいと考えております。
 答弁は以上だが、教育の質をさらに高めるため、第2期高槻市教育振興基本計画でも、施設一体型小中一貫校の設置を、重点取り組みの一つとしている。今後も、子ども達の学力向上、地域参画力の育成を第一に取り組んでいきたい。





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