一昨日の一般質問では学校での配布物についても質問。
小学校で担任から児童に対して、子ども向けのお金のことを学べる無料のイベントのチラシが配布されたのですが、チラシに記載された団体のHPを見ると、実際の狙いは保護者で、保護者を集客し、顧客として獲得するために、子ども向けの無料のイベントを開いているようでした。もちろん、違法なものではないので、大いに宣伝し集客してもらえばいいのですが、営利目的のものを、学校で子どもに配布するのは、教育の場に相応しいとは思えません。
また、同じように、教員の求人のチラシも、児童に配布されていたそうです。いくら教員不足とはいえ、児童を利用するのは、いかがなものでしょうか?ある教員は、藁にもすがる気持ちは分かるが、禁断の手法だと言っていました。
私は最後に以下の意見を述べました。
子どもらは、あくまでも、学校に教育を受けに来ているわけです。子どもに教育をする目的以外に、子どもを利用するようなマネは、教育の場に相応しいとは思えません。営利目的の集客イベントや求人のチラシを配らせるなんて、街かどでティッシュ配りをさせるのと、同じような扱いではないでしょうか。しかも無償でさせているわけですから、搾取以外の何物でもありません。
今後はこうしたことがないようにしてください。強く要望しておきます。
以下は一昨日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
★一般質問
■2.学校での配布物等について
<1回目>
(1)小学校で、とあるお金のイベントに関するチラシが、担任から児童へ配布されたと聞きました。学校が、これを配布した目的は何なのでしょうか?お答えください。
また、このチラシは、どこからの依頼で配布することになったのでしょうか?主催団体や、その目的は、どういったものなのでしょうか?参加特典である、プロのFPによる無料の個別相談は、何のために行われるのでしょうか?お答えください。
(2)教育委員会や学校では、このチラシの配布について、どういった検討を行ったのでしょうか?主催団体や目的について調査はしたのでしょうか?お答えください。
また、チラシには、「〝ママと〟子どもの子育て・・・」と、母親に限定する表現がされていますが、これについては問題だと考えなかったのでしょうか。お答えください。
⇒1点目及び2点目について、本チラシに掲載されたイベントにつきましては、子どもたちへの金銭教育を通じて、親子ともに未来を生き抜く力の育成に貢献することを目的に実施されることから、要綱に基づき、後援名義の使用許可を行ったものです。
チラシの配付については、主催団体からの依頼に基づき行ったものですが、最終的には、各学校にて配付の判断をしております。
また、チラシに記載された表現については、主催団体の名称であり、イベントの対象については「保護者」と明記があり、母親に限定したものでないと認識しております。
(3)同じく、小学校で、担任から児童へ、「高槻市教育委員会からのお知らせ」として「小・中学校の先生募集中」、「高槻市教育委員会では、高槻市内の市立小・中学校で先生として勤務していただける方を募集しています!」等と記載されたチラシが配布されたということです。
このチラシを児童へ配布した目的は何なのでしょうか?お答えください。
また、このチラシを見て、応募をしてきた方は、何人おられたのでしょうか?お答えください。
⇒チラシを配布した目的ですが、近年の教員不足を受け、高槻市においても年度途中の産休や育休、病気休暇等の代替講師が見つかりにくい状況となっており、一人でも多く講師を確保するためのものです。
また、チラシを見て応募をした方は3名です。
(4)高槻市立の小中学校での教員不足については、どういった状況なのでしょうか?過去5年間の状況を具体的にお答えください。
また、教員不足の原因は何なのでしょうか?高槻市は他市に比べて辞職する教員が多いのでしょうか?見解をお聞かせください。
⇒教員不足の状況ですが、令和2年3月での欠員状況は小学校で12人、中学校で6人、令和3年3月では小学校で6人、中学校で4人、令和4年3月では小学校7人、中学校で4人、令和5年3月では小学校で10人、中学校で3人、令和6年3月では小学校で8人、中学校で7人となっています。
教員不足の原因としては、近年においては産育休を取得する教員の数が多く、必要となる講師の数が増加していることが主な原因であると考えています。
(5)小中学校や幼稚園、保育施設で配布するチラシについては、誰が、どのように審査し、配布を決定しているのでしょうか?お答えください。
⇒小学校及び中学校におけるチラシの配付については、各学校にて判断しております。
公立の幼稚園・保育所・認定こども園で配付するチラシについてですが、内規に基づいて運用しております。
<2回目>
(1)このお金のイベントのスクールの講師を認定している団体の名称も、チラシには記載されているのですが、この団体のサイトの「講師になりたい方」のページの金融業界や住宅業界、企業の方向けのバナーをクリックすると、「圧倒的な集客力」、「競合他社との差別化」、「(イベント)を開催することで、子育て世代の潜在顧客の獲得」等を行うことができますとか、講師の体験談として「(イベント)を開催することで、新規マーケット・新規顧客の獲得につながりました!」といったことが書かれたページが出てきます。
つまり、子ども向けのお金のイベントをすることで、保護者を集客して、プロのFPによる無料の個別相談等から、顧客を獲得すること、すなわち、営利も、主催者の目的ではないのでしょうか?見解をお聞かせください。
(2)高槻市と高槻市教育委員会が、このお金のイベントを、後援していますが、こういった営利も目的だと考えられるイベントを、後援してもいいのでしょうか?市や教育委員会の後援の名義の使用に関する要綱では、営利を目的とする場合は、後援名義の使用を承認することができない旨の定めがありますが、これに抵触しないのでしょうか?見解をお聞かせください。
また、そうしたイベントのチラシを、学校で児童に配布しても良いのでしょうか?児童から保護者へ渡させてもいいのでしょうか?学校では、どういった検討や判断をしたのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒1点目及び2点目について、繰り返しになりますが、本チラシに掲載されたイベントにつきましては、要綱に基づき、後援名義の使用許可を行ったものです。
チラシの配付については、各学校において適切に判断をしております。
(3)教員不足だから、学校で児童へ求人のチラシを配布したということです。応募は3名もあったということです。
市バスの運転士も不足していますが、運転士募集のチラシを、学校で児童に配布できるのでしょうか?お答えください。
(4)教員の求人だけ、税金でチラシを作成・配布できるのはズルいと、民間企業の方々が、求人のチラシを学校で児童生徒に配布してほしいと要求してきた場合は、どう対応されるのでしょうか?そういったチラシも配布していただけるのでしょうか?お答えください。
⇒3点目及び4点目について、本教員募集チラシについては、教育活動に直接影響を及ぼす「教員不足」を解消するため、教育委員会事務局から各学校に対し、配付の依頼を行ったものです。
(5)教員の不足は、他市でも同じような状況なのでしょうか?それとも、高槻市は他市よりも率が高いのでしょうか?高いのであれば、どれだけ高いのでしょうか?その原因は何なのでしょうか?具体的にお答えください。
また、年度途中の産休や育休、病気休暇等は、事前にある程度、予測していなかったのでしょうか?お答えください。
⇒他市の状況は把握しておりません。
また、育児休業については、産前・産後休暇に引き続く場合が多いため予測できますが、産前・産後休暇や病気休暇の予測は困難です。
<3回目>
あとは意見を述べます。
誤解の無いように申し上げますが、私は、この子ども向けのお金のイベントが悪いと言っているわけではありません。むしろ、集客や顧客の獲得のために、とてもよく考えられた、ステルスプロモーションとでもいうべき、優れた手法だと思います。
けれども、イベント自体は無料でも、先ほど申し上げたとおり、営利を目的としているわけですから、市や教育委員会は後援してはならなかったし、学校は、児童に対して、そのチラシを配布してはならなかったと思います。特に、年端もいかぬ児童に対して、そういった営利目的のイベントを、保護者へ宣伝させるために、学校でチラシを配るのは、不適切なはずです。
教員の求人のチラシも同様で、いくら教員不足とはいえ、児童を利用するのは、いかがなものでしょうか?ある教員は、藁にもすがる気持ちは分かるが、禁断の手法だと言っていました。
子どもらは、あくまでも、学校に教育を受けに来ているわけです。子どもに教育をする目的以外に、子どもを利用するようなマネは、教育の場に相応しいとは思えません。営利目的の集客イベントや求人のチラシを配らせるなんて、街かどでティッシュ配りをさせるのと、同じような扱いではないでしょうか。しかも無償でさせているわけですから、搾取以外の何物でもありません。
今後はこうしたことがないようにしてください。強く要望しておきます。