高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【債権放棄】不法占拠の債権放棄が年々増加。もう一度、里道・水路の状況を調査しろ

裁判に提出された法定外公共物譲与申請業務計画

今日は9月議会の本会議3日目。採決や一般質問等が行われました。

私は「債権放棄に係る報告」について質問。昨年も質問しましたが、市有地である里道・水路を不法占拠してきた方々に請求すべき「占用料相当額」の債権の放棄が、昨年度の7件155万4434円から、9件623万6764円に増加。もともと里道・水路は国有地だったのですが、平成17年に高槻市へ一括譲与され、以来、市有地に。それから15年以上経っているのに、なぜ不法占拠にちゃんとした対処をしてこなかったのか。怠慢というより、わざと見逃してきたのではないかと、私には思えます。

以下は今日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■債権放棄に係る報告について

<1回目>

(1)今回の債権放棄には、不法占拠に係る占用料相当額収入についてのものが9件(計623万6764円)含まれています。これらはいずれも平成17年からのものとなっていますが、不法占拠は、それぞれ、いつからされていたのでしょうか?お答えください。
 また、これらの不法占拠については、平成14年度から平成15年度にかけての里道・水路の全箇所現況調査の際に、把握できていなかったのでしょうか?お答えください。

⇒平成17年に市へ一括譲与される以前から20年以上継続して占有されていたものです。また、当時の調査は、公図で示されているおおよその場所に里道水路が存在するか否かについて調査したもので、不法占有の有無は調査しておりません。

(2)昨年の9月議会でおききした時には、不法占有と認識しているものは3件で、占用料相当額を請求しているものは1件だということでした。それらのうち、今回の債権放棄に含まれているのは何件あるのでしょうか?含まれているのであれば、なぜ、債権放棄を行ったのでしょうか?理由も併せて、お答えください。

⇒今回の債権放棄を行った中には含まれておりません。

<2回目>

(1)今回の9件のものについては、いつ、どういった経緯で、不法占拠されていたことが分かったのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒払い下げの相談および土地の境界確定等に伴い認識したものでございます。

(2)今回の9件は、いずれも、時効の20年が過ぎているということですが、不法占拠していた方々は、なぜ、時効取得をされなかったのでしょうか?お答えください。

⇒相手方の意思によるものであります。

<3回目>

 最後は意見だけ述べます。
 この件については、昨年度も質問しましたので、くどくど言いませんが、平成14年度から平成15年度にかけての里道・水路の全箇所現況調査では、山の奥の奥まで歩いて調べたということですし、裁判では、実際に山奥で撮影したという写真も提出して、当時、不明・不法占拠箇所の精密調査も行ったという証拠も、高槻市がお出しになられました。ですので、先ほどの、把握していなかったとか、相談等で認識したといった答弁は、嘘だと、私は思っています。
 実際には、高槻市は、平成17年度までに、里道・水路の不法占拠の状況について、把握していたはずです。
 現在でも、不法占拠は続いているわけですが、以前確認したとおり、その調査資料は既に廃棄したということです。滅茶苦茶です。
 不法占拠されていた市有地の占用料相当額は、時効の20年の期間が過ぎたから、条例に基づいて、債権放棄しましたと、議会で報告されているわけですが、でも、その放棄した債権は、本来は、市の収入となっているべきものですよね。放棄したということは、それだけ、市が損をしたということですよね。
 それが、大した金額でなければいいんですが、今回の9件の占用料相当額の総額は、623万6764円です。前年度は7件で、計155万4434円、さらにその前の年度は4件45万3230円で、年々増加しているような状況です。けっして少ない額ではありません。今後も同じように債権放棄ということになるんでしょうか?
 今回の9件については、払い下げの相談等で気付いて、債権放棄したということですが、そもそもは、不法占拠箇所を調査した当時に、あるいは、市に里道・水路が譲与された当時に、不法占拠者に、占用料相当額や地代相当額を請求したり、明渡しを求めたりといった対処をしないといけなかったはずです。
 里道と水路は、平成17年の一括譲与から、市の所有地となっているのに、未だに、それ以前からの不法占拠に対して、市のほうから何もしていないとか、調査資料を捨てましたなんて、そんな不可解なことはありません。
 もし本当に調査資料が残っていないのであれば、もし本当に電子データとしても残っていないのであれば、市街地だけでも、もう一度、里道・水路の不法占拠の状況を調査すべきです。そして、市が、積極的に、不法占拠の解消や、占用料相当額等の請求をすべきです。
 指摘と提案と要望をしておきます。以上です。

【答弁要旨】
 議員から聞き捨てならない発言があった。いろいろとおっしゃられたが、高槻市債権管理審議会にも諮って適切に債権放棄を行った。