高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【学校開放事業】禁止としている営利活動の基準は明確にすべき

gakkoukaihou.jpg

これも先日の本会議で。

少し前、私ではない別の市民の方が、「学校開放事業」について住民監査請求をされていました。結果は却下、つまり、監査もされず、門前払いでしたが、それは単に、請求すべき損害に関する主張がまずかっただけで、違法性・不当性については一理あると私は思いました。

学校開放事業とは、「地域住民のスポーツ振興を図るため、学校教育に支障のない範囲で行う学校体育施設」の開放であり、高槻市役所は、その管理運営を、各学校の「学校開放運営委員会」に委託しています。この「学校開放運営委員会」に使用が承認されれば、無償で体育館や運動場を使用することができます。

ただし、上の画像のとおり、営利を目的とする活動等は認められません。

住民監査請求がされたケースは、子どもを対象とした教室・スクールの類のもので、入会金4000円、年会費5000円、月会費が5000円前後となっていました。高槻市は週1回程度ですが、他の市も合せると週6日されているようなので、営利事業該当すると思うのですが、議会で質問すると、高槻市役所は、そうではないと答弁。

営利活動の基準について、事前に担当課へヒアリングもしたのですが、基準はないという答えでした。

教室を運営して、収益があれば、当然、営利事業に当たるでしょうし、そうなると、課税対象にもなるはず。黒字赤字を問わず、課税対象になりうるものなのかどうかを基準にすればよいと思うのですが。基準を定めないと、「学校開放運営委員会」の判断にもバラツキが出るはずです。

以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■認定第1号 令和2年度高槻市一般会計歳入歳出決算認定について(歳出)

▲4.学校開放事業

<1回目>

主要事務執行報告書256ページには、学校開放事業の推進として、学校開放運営委員会に委託した等と2行だけ記載されていますが、これについて、まず7点伺います。

(1)学校開放運営委員会は、どこにどれだけあるのでしょうか?お答えください。
(2)学校開放事業は、どこで、どれだけ行われたのでしょうか?お答えください。

⇒1点目、2点目につきましては、学校開放運営委員会は市内の小中学校58校にあり、令和2年度は、全体で延べ約42万3千人が利用しました。

(3)参加した団体・個人は、どれだけだったのでしょうか?お答えください。
(4)サークル活動に類する活動を行っている団体はどれだけあるのでしょうか?スクールや教室の類を行っている個人・団体はどれだけあるのでしょうか?それぞれお答えください。
(5)スクールや教室では、会費等の金額は、平均でどれだけなのでしょうか?お答えください。

⇒3点目から5点目についてですが、登録団体は約500団体で、種々の活動を行っておられますが、活動形態ごとの数及び会費等の平均額については把握しておりません。

(6)営利事業は禁止されていますが、その基準はどのようになっているのでしょうか?具体的にお答えください。
(7)住民監査請求がされたものがありましたが、そのケースは、営利事業には該当しないのでしょうか?お答えください。

⇒6点目、7点目の営利目的にあたるかの判断については、収支決算等で確認を行っており、本事業において営利を目的とした活動はなかったと認識しております。


<2回目>

(1)令和2年度は、延べ約42万3千人が利用したということです。しかし、活動形態ごとの数等は把握していないということでした。延べ人数を把握する際に、活動形態ごとの数等も把握できないのでしょうか?お答えください。

⇒活動形態ごとの数は把握しておりません。

(2)あらためておききしますが、営利事業に該当するか否かの基準は、どういったものなのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒収支決算等の内容を精査するとともに、必要に応じて直接聞き取りを行ったうえで、総合的に判断しております。

(3)住民監査請求がされた、スクール・教室の類のものは、月4回、各クラス60分から80分開催されるということなんですが、入会金が4000円、年会費が5000円、月会費が4000~6000円、ということです。これが、無償で使用できる学校施設で行われて、道具類にもさほど費用がかからないと思われるので、営利事業に該当するのではないかと思うのですが、どういった理由で、営利を目的とした活動はなかったと認識したのでしょうか?お答えください。
(4)一般的なサークル活動であれば、お金が必要だとしても、実費の負担くらいだと思いますが、先ほどのスクールの、入会金4000円、年会費5000円等は、具体的に、何の費用に充てられるのでしょうか?お答えください。
 また、講師の報酬はどれだけなのでしょうか?最低賃金を上回る額なのでしょうか?お答えください。

⇒3点目、4点目については、この調査により営利を目的とした活動はなかったと確認しておりますが、個別の案件についての詳細の答弁は差し控えさせていただきます。


<3回目>

(1)住民監査請求がされたスクールについてネットで調べてみると、高槻市以外でも、同様のことを行っていて、土曜日以外の曜日は、すべて、どこかでスクールを開いているようです。
 週6で行っているということは、生業としてされている、つまり営利事業としてされているということではないのでしょうか?お答えください。
(3)このスクールが営利事業に当たるかどうかについては、収支決算等の内容を精査する等して、総合的に判断したということですが、明確な基準はないということなのでしょうか?お答えください。

⇒1点目3点目については、繰り返しとなりますが、収支決算等の内容を精査するとともに、必要に応じて直接聞き取りを行ったうえで総合的に判断しております。

(2)このスクールの事業については、利益があれば、課税対象となるものなのでしょうか?お答えください。

⇒個別の団体の税法上の取り扱いについてはお答えする立場にございません。

(4)学校開放事業において、実際には、営利事業がされているということが判明した場合、その事業者に対しては、誰が、どのような措置を行うのでしょうか?行政財産使用料相当額や、料金相当額などを請求することになるのでしょうか?具体的にお答えください。
(5)学校開放事業は、学校開放運営委員会に委託してされているということです。営利事業がされているにもかかわらず、これを放置していた場合は、学校開放運営委員会の責任になるのでしょうか?お答えください。
また、住民監査請求がされたケースのように、街にぎわい部が確認をした場合には、市の責任になるのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒4点目5点目についてですが、本事業において営利活動が認められる場合は、市と運営委員会が適切に指導し、是正してまいります。

 あとは意見を述べます。
 学校開放事業は、あくまでも、地域住民のスポーツの振興という公益の目的のためのものであって、だからこそ、無償で学校施設を使用することが認められているわけです。これを、営利を目的として使用することは許されないということですよね。
 高槻市としては、利用者の延べ人数は把握しているものの、利用活動の形態ごとの数は把握していないということですが、どういうことに利用されているのか、会費がどれだけなのか、市として把握しておくべきではないのでしょうか? 把握していないというのは、無責任ではないかと思います。
 住民監査請求がされたケースは、実費を超えると考えられる、相当な金額を会費として徴収して、しかも週6でスクールをされているわけですから、外形だけを見ても、営利事業・収益事業に当たると、私は思います。
 公益的な法人が、公益事業として行っているなら別ですが、民間の個人や法人が、こうした形で事業をしている場合には、収益があれば、課税対象にもなると思います。
 課税対象となりうるような事業を行っている場合には、たとえ赤字であっても、営利事業と見做して、使用を認めない、あるいは認めている場合には、使用承認・使用許可を取消して、行政財産使用料相当額等を請求すべきです。
 営利事業かどうかを判断する基準を、高槻市では持ち合わせていないようですが、学校開放運営委員会に申請があった段階で、すぐに判断できるように、明確な基準を設けておくべきです。課税対象になりうるものなのかどうかを基準の一つとすべきではないでしょうか?提案と要望をしておきます。