高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【監査委員】議選監査委員の数を2人から1人にするのではなく、直ちに廃止を。

今日は12月議会の本会議3日目。採決や一般質問等がされました。

私は、議選監査委員の数を2人から1人に減らす条例改正案について質問しました。

監査委員は、市長の指揮監督を受けない独立した第三者機関とされています。住民訴訟の前の手続きの住民監査請求も監査委員が監査しますので、イメージ的には、市役所の中での、立法・行政・司法の三権分立のうちの「司法」の位置付けの方々だと考えていただければ、そんなに外れてはいないと思います。

その「司法」の監査委員が、高槻市の場合は4人いるのですが、1人(代表監査委員)は高槻市職員OB、2人は議員です。この議員の監査委員が「議選監査委員」と呼ばれています。

議選監査委員は、議会の中では、議長、副議長と共に「議会三役」とされています。高槻市の場合は与党会派の中から選ばれるので、無所属の私がなることは永久にないでしょう。

代表監査委員は、前の方も元総務部長でしたので、高槻市職員OBの出世ルートの1つとなっていると考えられます。代表監査委員は、常勤の監査委員の場合、その給与月額は条例で583,000円と定められています。

4人のうち、1人が行政、2人が議員・・・5年前の12月議会2年前の12月議会でも様々な指摘をしましたが、こういう状態で公平・中立な監査ができるでしょうか?

高槻市の場合、議選監査委員の数を減らすのではなく、廃止すべきです。

以下は今日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをご了承ください。

■議員提出議案第7号 高槻市監査委員条例中一部改正について

<1回目>
 議員のうちから選任される監査委員、いわゆる議選監査委員の数を、2人から1人にしたいということです。4点伺います。

(1)高槻市における議選監査委員のメリットやデメリットについては、どのようにお考えなのでしょうか?お答えください。
(4)2年前の12月議会で申し上げたとおり、議選監査委員は廃止すべきだと私は考えますが、議選監査委員の数を2人から1人にする理由は何なのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒1点目及び4点目につきましてお答えします。
 昨今の監査状況は、正確な財政状況等はもとより法制実務などの専門的な見識が求められるなど多様化し高度化する傾向にあります。
 そのような中、議会選出の監査委員について、会派代表者会議や議会運営委員会で協議を行い、縷々ご意見を賜りましたが、会議の総意といたしまして、議選監査委員の議会内外での議員活動を通じた知見や見識等を生かしながら実効性ある監査を行う役割を継続する中で、監査の専門性と実効性を一層高め、もって監査制度の充実強化を図る観点から、議選監査委員を2人から1人に減員するに至ったものです。

(2)今回、議選監査委員の数を減らしたいということですが、議選監査委員数の増減については、他の自治体ではどういった状況なのでしょうか?お答えください。
(3)地方自治法が改正されて、平成30年4月1日から、「条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。」ようになっています。議選監査委員を廃止する自治体も出てきていますが、他の自治体の状況はどういったものなのでしょうか?お答えください。

⇒2点目及び3点目の「市議会議員の内から選任される監査委員の減員状況」ですが、中核市では、盛岡市秋田市、西宮市、那覇市の4市が、2名から1名に減員され、大津市のみが議選監査委員を廃止されている状況です。
なお、大阪府下では、岸和田市豊能町が、議選監査委員を廃止されています。


<2回目>

 他の自治体の現状もお調べいただいてありがとうございます。議選監査委員の数を減らしたり、廃止したりしている自治体が、徐々に増えてきているといった状況だと思います。
 先ほど、最初に、議選監査委員のメリットとデメリットについて、おききしました。
 メリットについては、議会内外での議員活動を通じた知見や見識等があるといったご答弁だったかと思います。
 一方で、デメリットについてです。ご答弁にはありませんでしたが、大阪府でも議選監査委員を廃止していまして、その理由を、「監査の独立性を担保するためには、できる限り外部の人材を登用すべきとの観点から、このたびの法改正を機に、議員のうちから監査委員を選任しないこととする」などとされていました。つまり、議選監査委員のデメリットは、議会の議員が監査委員になると、監査の独立性が担保されないということです。
 監査の独立性ということを考えると、監査委員は、議会や行政とは切り離すべきです。
 議選監査委員には、議員活動を通じて得た知見や見識等があるのかもしれませんが、だとすると、別の自治体の議員、例えば、隣の市の議会の議員が監査委員になってもいいわけです。そのほうが、客観的な視点で監査がされて、良いかもしれません。
 2年前の12月議会でも申し上げましたが、高槻市では、住民監査請求の監査結果が、住民訴訟では覆されるような、そういった裁判所の判断が度々示されたことがありました。違法なものだけではなく、不当なものについても勧告ができる住民監査請求で、そんなことが起きるのは、制度の趣旨からしておかしいわけですが、つまり、公正な監査がされてきたとは言い難い状況であるわけです。そういうことからすると、高槻市の監査委員こそ、より公平・中立な監査がされるように、独立性を高めるべきです。
 そのためには、やはり、議選監査委員は廃止しなければなりません。ですので、議選監査委員を1名残すことになるこの議案には、私は賛成できません。
 また、総務省からは、当該地方公共団体の常勤の職員であった者は、特に必要がある場合以外は、監査委員にしないようにと指導がされているにもかかわらず、高槻市では、監査委員の一人を、高槻市職員のOBの方が務められています。このような人選も、監査委員の独立性を阻害する可能性があると考えられますので、今後は、議会として、こうした選任に同意しないように、要望いたします。
 それから、以前は、住民監査請求の関係職員事情聴取記録に、どの監査委員が、どういった発言をしたのかが書かれていたのですが、いつの間にか、誰の発言なのかが分からなくされています。これでは、せっかくの監査委員個々の知見や見識などを、うかがい知ることができません。それぞれの監査委員が、どういった質問をしたのか、どういった意見を述べたのか、監査においてどういったことをされたのかが、分かるように、記録や議事録などを作成してください。併せて要望しておきます。