高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【施設一体型小中一貫校】オープンハウスのアンケート調査で高槻市役所が滅茶苦茶な3択。恥ずかしくないのか?

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今日は高槻市議会・総務消防委員会が。私も何点か質問しました。

委員会後の協議会では、四中校区の施設一体型小中一貫校の基本方針を含む「富田まちづくり基本構想(富田地区公共施設再構築)」について、7月にオープンハウスを開催し、そこでアンケート調査を行ったということで、その調査結果の報告がされました。

その資料を見ると、上の画像のとおり、施設一体型小中一貫校等については、選択肢を「良い」「概ね良い」「他の視点も入れてほしい」の3つとする択一式の回答を来場者にさせたと。こんな3択を見るのは、生まれて初めてかもしれません。

「良い」という選択肢があるのに、「悪い」という選択肢を設けないのは、「悪い」と考えた市民の意見を、意図的に、封殺しているということにほかなりません。真っ当な調査とは到底いえないはずです。

「『悪い』とは、絶対に言わせない」というジャイアンリサイタル真っ青な強制的選択を高槻市役所は来場者に迫ったわけですが、今日の説明では、このアンケート調査の結果を市のホームページに載せ、公開するということでした。行政として恥ずかしくないのでしょうか。

1か月ほど前に、議員インターンの大学生らと、四中校区の北のほうから富田小学校まで歩いてみたのですが、やはり踏切やガード下は小学生が通学するには危険だと感じました。アンケートの自由記載にも、「踏切を2本越えねばならず危険、通学路の安全対策をしっかりしてほしい」といった意見があったそうです。もし「悪い」という選択肢を設けていれば、こうした意向が反映されて、アンケートの結果も変わったのではないでしょうか。



以下は今日の委員会協議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■案件1 富田まちづくり基本構想(富田地区公共施設再構築)について

<1回目>4点

(1)添付されている参考資料には、「オープンハウスアンケート調査結果について」ということで、富田地区まちづくり基本構想についてのパネル展示で、来場者に対して行ったアンケートの集計結果などが掲載されていまして、最後の4ページ目には、主な意見の抜粋が載せられています。
 パブリックコメントであれば、すべての意見が掲載されるので、このオープンハウスにおける調査についても、すべての意見を見せてほしいとお願いしたんですが、情報公開請求をしてくださいと言われました。なぜ、すべての意見を載せなかったのでしょうか?お答えください。

⇒オープンハウスアンケート調査結果に関するご質問ですが、自由記載欄には、多岐に渡り多数のご意見が記載されていることから、事務局において類型ごとに整理し、主なご意見を抜粋したものでございます。
 なお、パブリックコメントにおける取り扱いについては、パブリックコメント手続に関する指針に基づき、対応するものです。

(2)調査結果の4項め、5項め、7項めの3項目では、「良い」「概ね良い」「他の視点も入れてほしい」の3つの選択肢のパーセンテージが載っているんですが、「良い」という選択肢があるなら、「悪い」という選択肢も設けるのが普通ではないでしょうか。アンケートに答えた人の中には「悪い」という選択肢がないし、他の視点も思い浮かばないので、「悪い」の代わりに「概ね良い」を選んだというケースもあるのではないでしょうか。
 また、「良い」と思っても、さらに良くするために「他の視点も入れるべき」と考えた人もいるかもしれません。どう考えても、選択肢の設定自体がおかしいのではないかと思いますが、見解をおきかせください。

⇒アンケートの選択肢に関するご質問ですが、公共施設再構築に向けた考え方や施設一体型小中一貫校の学校づくりの基本方針など、まちづくりに必要と考えている項目に関する質問であり、構想をより良いものにするため設定したものです。

(3)先日、地元の保護者の方が、訪ねてこられて、保護者・住民の会がアンケートをしたところ、97%の住民が、市は説明から逃げていると考えているという結果になったということです。保護者・住民の会から、希望する全地域住民が参加できる説明会・意見交換会を開催するよう要望も出ているということです。
 まだまだ市の説明が不足しているのではないのでしょうか?今後、住民向けの説明会をする予定はないのでしょうか?お答えください。

⇒地域コミュニティ等への説明会の開催を予定しています。

(4)先日、議員インターンシップで来ている大学生らと、四中校区の北西の端のほうから、富田小学校まで歩いてみたんですが、踏切の間隔は短いし、JRのガード下は狭いし、距離は遠いし、暑いし、大変でした。大学生に感想を聞くと、小学生が通学するには危険だと思うということでした。
 市街地整備促進特別委員会に高槻市が提出した資料にも、踏切は開かずの踏切だし、ガード下は狭隘で危険だとされています。
 職員の皆さんは、こうした踏切やガード下を歩いたことはあるのでしょうか?危険だとは思わなかったでしょうか?ここを通学する児童の安全をどのように確保する計画なのでしょうか?お答えください。

⇒富田奈佐原線の早期着手や連続立体交差事業の整備促進を、大阪府へ要望しているところです。通学路については、教育委員会の所管となることから、答弁は差し控えます。


<2回目>

(1)立体交差を要望しているということですが、鉄道の高架化はいつ実現できるのでしょうか?お答えください。

⇒繰り返しになりますが、1問目で答弁しました通り、連続立体交差事業の早期実現に向けて大阪府に要望しているところです。


<3回目>

先ほど申し上げたとおり、アンケートの選択肢が、「良い」「概ね良い」「他の視点も入れてほしい」の3つしかないものが、3項目あったようなんですが、こんな3択を見るのは、生まれて初めてではないかなと、思いました。

高槻市役所が行うアンケート調査では、この3択が、スタンダードなんでしょうか?

「良い」「概ね良い」があれば、普通は、「どちらでもない」「概ね悪い」「悪い」という5段階の選択肢になるはずです。「他の視点も入れてほしい」という選択肢がありますが、だったら、その5段階評価の選択肢とは別に、意見や要望などを自由に書き込める欄を用意するのが、一般的ではないでしょうか?こんな3択では、先ほど申し上げたとおり「悪い」という選択もできませんし、「良い」とか「概ね良い」と評価していても、さらに「他の視点も入れてほしい」と考えている人は、どういたらいいんでしょうか?選択肢の設定が滅茶苦茶です。

この3択を見ると、「『悪い』とは、絶対に言わせない」というドラえもんジャイアンリサイタル的な圧力を感じますよね。

「良い」という選択肢があるのに、「悪い」という選択肢を設けないというのは、「悪い」と考えた、市民の意見を、意図的に封殺しているということですよね。

こんなので、市民の皆さんの意向を調査してきました、なんてことは、到底いえるはずがありません。こんな変な3択のアンケートを、まっとうな調査だとは、認めるわけにはいきません。

この3択は、誰が決裁したんでしょうか?これを、高槻市役所が行ったアンケート調査だと、HPに掲載して、インターネットでも公開するということでしたが、行政として、恥ずかしくないのかなと思いますね。議員にこういうものを見せて報告するというのは、賛成の方向に誘導するためなんでしょうか。とんでもないことだと思います。

1回目の質問で申し上げたとおり、アンケートで回答されたすべての意見を見せてほしいとお願いしたら、市の担当者から、情報公開請求してくださいと言われましたけれども、こんな3択では市民の皆さんの意向が全然わかりませんし、今後は、アンケートをとった会場ごとの生の意見を、そのまま列挙して報告してください。強く要望しておきます。

アンケート結果の4ページ目には、主な意見の抜粋が、文字数の関係上、一部改変しましたということで、掲載されていますが、これを見ると、
(3)の「小中一貫校」の項目では、①を除いて、②踏切を2本越えねばならず危険、通学路の安全対策をしっかりしてほしい、③校地選定の視点に通学路の項目がない、④なぜ児童数の少ない富田小学校に統合するのか、⑤学校教育において、経営効率など考えるべきではない、ということで、反対の意見が圧倒的ですし、
(4)の「進め方」も、①市民の意見を聞く場と市からの説明を、早めにしてほしい、②今後の計画の日程を明確に示してほしい、③再構築ありきで、住民の声を吸い上げられていない、④地域住民としての参加感も高まるように進めてほしい、と不満の声だらけです。
(6)の「安全・安心」も、①避難所についてどのように考えているのか、②公共施設の複合化は施設数の減少を意味し、防災的観点では後退となるのではないか、と防災面での不安を複数の方が訴えておられるようです。
もし「悪い」という選択肢を設けていれば、こうした意見が反映されて、アンケートの結果も、変わったんじゃないでしょうか。

実際に、四中校区の北西の端から、富田小学校まで歩いてみたら分かることですけど、やっぱり踏切もガード下も、小学生が通学するには危険ですよ。それは、高槻市役所の職員の皆さん自身が、市街地整備促進特別委員会の資料に書いていることだし、職員の皆さんもよく分かっていると思います。

鉄道の高架化や立体交差をずっと要望しているけれども、その実現がいつになるかも分からないわけです。その実現の見込みがついているなら、別ですが、こんな状態では、千葉県の八街市であったような、通学中の児童の死亡事故が起きかねないと、私は危惧しています。

そんな事故が起きたら、もう、この地区で子育てをしたいという人は、いなくなってしまんじゃないでしょうか?防災の面でも不安だし、住みたい街とか、住みやすさナンバー1なんて、言えなくなるはずです。もしかすると、大人の事情があるのかもしれませんが、そんな表立って説明できないことを理由に、子ども達を危険にさらして良いはずがありません。

通学路の危険性が明らかだし、他にも懸念材料があるから、地元の住民の皆さんも、いろいろと運動を始められたわけです。

先日、住民の方が、各会派を回られて陳情されたんですが、いただいた資料やお話によると、保護者・住民の会が独自に行ったアンケートでは、97%の住民が、高槻市は説明から逃げていると考えているという結果になったそうです。

保護者・住民の会からは、希望するすべての地域住民が参加できる説明会・意見交換会を開催するよう要望が出ているにも関わらず、市は「全員を対象にする説明会は物理的に不可能」だと拒否したということです。希望者だけなら、住民全員が参加するわけでもないですし、もし、参加希望者が多ければ、いつも、住民説明会でされているように、何回かに分けて開催すればいいだけです。市の回答は滅茶苦茶だなと思います。

学校の保護者限定で開かれている「説明会」では「富田小学校地に立地させたい」という市側の構想を主張するのみで、通学路の安全、跡地利用計画、避難所機能の防災上の懸念点等について保護者の質問に一切答えず「これから検討する」という答えを繰り返しただけで、全く説明責任を果たそうとしなかったということです。

明らかに、子ども達が危険になるのに、そのことに対してさえまともに答えないのなら、住民の皆さんからの信用なんて到底、得られるはずもありません。しっかりと、住民の皆さんが懸念される問題点について、解決案を提示したうえで、あらためて、説明会を開いて、住民の皆さんと意見交換をするべきです。強く要望しておきます。



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