高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市ホテル誘致条例】新築・増築だけではなく「コンバージョン」にも奨励金を


3月議会には「高槻市ホテル及び旅館の誘致等に関する条例制定について」という議案も上程されています。この条例案は、高槻市内にホテルや旅館を新築・増築する事業者に奨励金を交付しようというもの。市の資料によると・・・

 市民及び本市を訪れる者のホテル及び旅館並びに会議施設等を確保し、まちのにぎわいの創出及び都市機能の充実を図り、もって本市の経済の活性化及び市民福祉の向上に資することを目的として、次のとおり高槻市ホテル及び旅館の誘致等に関する条例を制定する。
1 定義(第2条関係)
 (1) 新設 新たに客室の数が50室以上のホテル又は20室以上の旅館を設置することをいう。
 (2) 増設 既存のホテル等(ホテル又は旅館)の敷地及び当該敷地と一体的な利用ができる敷地にある建築物において、新たに客室をホテルにあっては25室以上、旅館にあっては10室以上設置すること(当該既存のホテル等の客室及び当該新たに設置する客室の合計数が、ホテルにあっては50室以上、旅館にあっては20室以上となる場合に限る。)をいう。
 (3) 会議施設等 会議、宴会、催物等に使用することのできる会議室、宴会場、催場等であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
  ア 床面積が300平方メートル以上であること。
  イ ホテル等内の調理室、配膳室等から飲食物を提供することができること。
(中略)
指定事業者の責務(第4条関係)
 指定事業者は、市内に住所を有する者を雇用するよう努めなければならないこととするなど、指定事業者の責務を定める。
4 奨励金の交付(第5条及び別表関係)
 市長は、指定事業者に対し、予算の範囲内で次の奨励金を交付するものとする。
 (1) ホテル誘致等奨励金 営業開始後5年度間について、新設等のために使用した土地並びに新たに取得した家屋及び償却資産に係る固定資産税及び都市計画税の額に相当する額(各年度1億円を限度とする。)
 (2) 会議施設等設置奨励金 会議施設等を含む対象ホテル等の新設等をした場合について、当該新設等に要した建築に係る費用の100分の10に相当する額(1億円を限度とし、過去10年間に当該奨励金の交付を受けた場合を除く。)



高槻市内からホテルが少なくなったということが主な事情で、議案レクの際には、最近のインバウンドとか訪日外国人の増加とか、そんなことは職員の念頭にはなかったようです。

この条例案の趣旨には賛成なんですが、新築と増築しか奨励金の対象としないことについては反対をしました。というのも、最近「コンバージョン」という手法が広がっているからです。

2016/03/01 放送 ホテル不足とオフィスの空室問題を一挙に解決するコンバージョンとは

 東京でも大阪でも、ホテルを予約しようと思ったら、なかなか予約が取れないのは半ば常識のようになっていますよね。そんな困った状況を解決すると期待される「コンバージョン」と呼ばれる事業が人気だそうです。いったいどんな事業なんでしょうか?



以下は今週火曜日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので、不正確な部分があることをお許しください。

■議案26号 高槻市ホテル及び旅館の誘致等に関する条例制定について

<1回目>

1.この条例を制定する狙いは何なのでしょうか?

⇒本条例は、ホテル及び旅館並びに会議施設等を確保し、まちのにぎわいの創出及び都市機能の充実を図ることで、本市の経済の活性化及び市民福祉の向上に資することを目的としております。

2.ホテルや旅館以外の既存の建物をホテルに改装した場合でも、奨励金の交付を受けることができるのでしょうか?

⇒既存建物の改装は対象外としております。

<2回目>

・なぜ、既存建物の改装は対象外なのでしょうか?まちのにぎわいの創出及び都市機能の充実を図るなら、あまりテナントの入っていないような、例えばかつてのグリーンプラザのような建物を改装して、ホテルとして再生することも、まちのにぎわいの創出や都市機能の充実につながるはずです。なぜ、既存建物の改装は対象外なのか、理由を具体的にお答えください。

⇒既存の建物の改装を対象外としている理由につきましては、適切な機能を備えたホテル及び旅館等を誘致し、立地するためでございます。

<3回目>

 「コンバージョン」という言葉をご存知でしょうか?これまであったビルを改装して、使い方を変えることを不動産業界で「コンバージョン」というそうです。最近、都心のオフィスビルなどを、ホテルに改装する事例が増えてきているそうです。
 大阪市中央区では、会員制のスポーツクラブだったビルを改装したんですが、スポーツクラブだったので、お風呂やジャグジーなどの水回りが充実していて、それをホテルにも利用したそうです。先ほどのご答弁では、適切な機能を備えたホテルにするためには、新築か増築しかないというような感じでしたけれども、こういう例もありますので、一概にそうとはいえないはずです。
 ホテル業界のことを調べれば、最近「コンバージョン」という手法が広まっているということは容易に分かったと思います。
 新築よりも改装のほうが、費用も工期も少なくて済みます。初期投資が少ないほうが、当然、事業をスタートしやすい。改装・「コンバージョン」にも、高槻市は奨励金を交付してくれるということであれば、やってみようかと考える事業者も増えるのではないでしょうか?
 まちのにぎわいの創出することが目的なら、「コンバージョン」も認めるべきです。
 適切な機能を備えているのかどうかというのも当然大事ですので、それについても審査したうえで、問題がなければ、奨励金を交付するということにすればいいのではないでしょうか?
 「コンバージョン」も奨励金の対象になるように修正していただけるのであれば、条例案に賛成しますが、今の条文のままでは、時流に遅れていると思いますので、賛成できないということを表明して質問を終わります。