高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【特殊詐欺被害多発!】「見守りネットワーク」の構築と「無人ATM」での警戒等を

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大阪府警が配信する「安まちメール」に、「昨年発生した高槻警察署管内の特殊詐欺被害件数が府下ワースト1となりました。」というショッキングな一文が。悪質商法対策については、平成25年6月の議会でも取り上げましたが、弁護士さんから最近の情報をいただいたこともあり、先日の本会議で質問し、対策についての提案もしました。

以下はその質疑の際のやりとりです。原稿とメモに基づいているので本番で述べた言葉とは相違のあることをご了承ください。

<消費生活問題への対応・1>

 まず消費生活問題への対応について質問します。予算説明書の123頁からの商工費・消費対策費に費用が計上されています。
 大阪府警が配信している1月25日付の「安まちメール」に、「昨年発生した高槻警察署管内の特殊詐欺被害件数が府下ワースト1となりました。」というショッキングな一文がありました。特殊詐欺被害の件数が依然として多いようですので、これについてまず3点伺います。

1.府下ワースト1というのは、警察の署管内の被害件数なので、市町村別で見ると、高槻市がワースト1ではないということなのですが、現状はどうなんのでしょうか?府下の他の市町村と比べると、被害の発生率や、被害金額、順位はどうなのでしょうか?

大阪府警察の情報によると、本市の平成27年の年間被害額は、1億9540万1千円で、府内5番目です。なお、発生率の情報はございませんでした。

2.高槻市で特殊詐欺の被害が多い原因は何なのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

⇒様々な要因が重なっているものと考えられ、特定できません。

3.今後はどのような対策をされるのでしょうか?市の方針をお聞かせください。

⇒警察等関係機関と連携を取りながら、啓発活動など、特殊詐欺被害の未然防止に取り組んで参ります。

<消費生活問題への対応・2>

1.高槻市で特殊詐欺の被害が多い原因については、様々な要因が重なっているので、特定できないということです。「安まちメール」には続きがありまして、高槻警察署管内の被害件数が府下ワースト1になったということに続いて、「みなさんのお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんは被害に遭われていませんか?・・・犯人はいろいろな手口で高齢者を騙そうとしてきます。もしご家族に独居の高齢者がおられればご注意ください。」と書かれています。高齢者の被害が多いようですが、被害のうち、高齢者の割合はどれだけなのでしょうか?

高槻市での被害に占める高齢者の割合は発表されていません。

2.高齢者が被害に遭わないような対策としては、どのようなことをされているのでしょうか?

老人福祉センターなどでの講演会や年金支給日の街頭啓発などを行っています。

3.啓発活動などに取り組まれているということですが、チラシを配るといった啓発活動だけでは、なかなか被害は減らせないと思います。市ではコミュニティーソーシャルワーカーCSW)を増やすとしていますが、CSWや民生委員児童委員と協力して被害を防止するようなことはされていないのでしょうか?されているのであれば、具体的にどのようなことをされているのでしょうか?

⇒地域の様々な組織とともに連携して、特殊詐欺被害防止のための啓発等を行っています。

<消費生活問題への対応・3>

 市としては、高槻市内で特殊詐欺の被害が多い原因は特定できないし、高齢者がどれくらい被害にあっているのかも分からないということです。原因がよく分からないのなら、効果的な対策も立てられるはずがありません。ぼんやりした答弁に、非常に不安を覚えます。
 平成25年の6月議会でも同じような質問をしましたけれども、その際には、日本弁護士連合会(日弁連)主催のシンポジウムの内容を参考に、啓発だけではなく、地域での見守りネットワークの構築が必要だと、もっと高齢者に身近な方、家族や自治会や民生委員児童委員やケアマネジャーやホームヘルパーなどと見守りのネットワークを構築すべきだと申し上げました。
 けれども、残念ながら、ご答弁を聞く限り、そこまでには至っていないようです。
 日弁連は、平成25年12月19日付で「高齢者の消費者被害の予防と救済のためのネットワークづくりに関する意見書」を全国の自治体に提出しています。その冒頭部分には・・・
 高齢者の消費者被害が増加・深刻化しつつあり,その予防と救済を効果的に行うために,高齢者の消費者被害に関する見守りネットワークづくりの取組の必要性が強く認識されるに至っている。すなわち,高齢者の消費者被害の予防と救済のためには,高齢者の生活に密着したところで活動している人々(地域包括支援センター社会福祉協議会,介護事業関係者,民生委員,自治会関係者,地域ボランティアなど)に被害発見の担い手(見守り者)となってもらい,速やかな消費生活相談につなげていく対応を行える関係を確保することが重要である。
 また,高齢者及び見守り者に対して,予防のための注意を喚起し,情報を迅速かつ確実に提供し続けていくことも必要である。
 そして,相談や情報提供に対しては,行政及び民間における消費生活部門と高齢者福祉部門が現場レベルにおいて連携し,その被害の救済や被害の深刻化の予防のために対応していくことが求められている。

・・・と書かれています。
 この意見書をしっかりと読んでいただいて、参考にしていただきたいと思います。
 高齢消費者の被害対策に取り組んでおられる弁護士さんによると、最近は、犯人に、無人のATMに誘導されるケースが多いということです。銀行のATMだと、銀行員が気づいて「詐欺じゃないか」と警告してくれることが多いそうなんですが、無人のATMだと注意してくれる人がほとんどいない。無人のATMでの警戒や啓発に取り組むべきです。
 弁護士さんは、カンニング竹山さんが出演されている政府広報の動画を評価されていました。

★毎日話せば詐欺は防げる。高齢者詐欺!:政府広報オンライン


 母親が詐欺にあったんだけれども、自分が毎日のように母親に電話していれば、詐欺は防げたという内容なんですが、弁護士さんの提案としては、毎日電話するのは難しいかもしれないけれども、親が住んでいる地域の「安まちメール」に、息子さん娘さんに登録してもらって、詐欺が発生したというメールを受信したら、親御さんに電話をしてもらったらどうかということでした。注意力・判断力が鈍っている高齢者の方も多いと思いますので、お子さんなどのご親族に、こうしたことを呼びかけるというのも一つの手だと思います。
 啓発に関しても、どうしても高齢者の目に入ってくるようなところで行うことが大事だと思います。他の自治体では、大手スーパーのレシートに、警告の表示をしてもらっているところもあるそうです。高槻市もまだまだ工夫の余地があるかと思います。
 何よりも弁護士さんが強調されていたのが、日弁連の意見書にもあったとおり、地域で、見守り的な活動をすることです。顔の見える関係の中で、見守って、被害を防ぐのが効果的だということで、CSW老人クラブとの連携も提唱されていました。
 高槻市内で被害が多いのは、高齢者だけの世帯、特に独居の世帯が増えてきたというのが大きな要因だと「安まちメール」の内容からはうかがえます。警察署管内といえどもワースト1というのは不名誉なことなので、その汚名を返上すべく、効果的な対策をされるよう要望します。