高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市施設料金の値上げ】消費税の増税で歳入が増えるのに、公共施設の料金まで値上げするのは「便乗値上げ」では?

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今日は総務消防委員会があり、私もいくつか質問しました。

高槻市は、10月から消費税が10%に引き上げられるので、市の公共施設の料金も値上げしたいと、条例改正案を提出しています。

消費税が増税されれば、高槻市は年間19億円の増収に。さらに、公共施設の料金を条例改正案のとおり値上げすれば、年間約4500万円の収入増になると見込んでいます。

もちろん、高槻市は、民間事業者のように、消費税を納税する必要はありません(バスや水道等を除く)。消費税の増税で歳入が増えるのに、さらに公共施設の値上げをするのはいかがなものか。単に消費税率の引き上げに合わせて値上げするというだけでは、合理的な理由があるとはいえないと思います。これでは「便乗値上げ」と言われても仕方がないのではないのでしょうか?

私は議案に反対しましたが、残念ながら賛成多数でした。

以下は議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第61号 消費税及び地方消費税の税率の引上げに伴う関係条例の整備等に関する条例制定について

<1回目>

(1)消費税率が10%に引き上げられるのに伴って、合計23の条例に規定の料金(使用料・手数料等を総称して料金と言わせていただきますが)を改定するということです。そもそもこれらの料金というのは、どういった考えに基づいて定められたのでしょうか?お答えください。

(2)民間の事業者であれば、消費者が事業者に支払った消費税を納税しますが、高槻市においては、先ほどの料金について、国などに消費税を納めなければならないものはあるのでしょうか?お答えください。

(3)消費税率が10%に引き上げられることによって、市としてはどれだけの収入増になると見込んでいるのでしょうか?お答えください。

【答弁】
 1点目の料金設定の考え方ですが、利用施設に係る費用や近隣自治体や本市における同類施設の状況などを勘案して、設定をしています。
 2点目の消費税の納税に関してですが、会計ごとに法令の適用を受けるものとされており、企業会計等においては申告、納税を行っている一方、一般会計においては、申告義務はないものとされています。
 3点目の影響額ですが、今回の料金改定全体では、年間約4500万円を想定しています。


<2回目>

(1)料金は、利用施設に係る費用や近隣自治体や同類施設の状況などを勘案して設定しているということです。
利用施設の費用(建設費など)を勘案しているから、以前、比較的新しく建てられた総合センターの最上階のレストランがなかなか決まらず、使用料を引き下げて、やっと決まったということがありました。近傍類似の賃料や同業他社の料金を勘案しなければ、適切な料金設定はできないのだと思います。
今回の条例改正案は、消費税の増税分だけ、料金を引き上げようとするものですが、消費税の免税事業者が同じことをしたら、便乗値上げということになりかねないのではないでしょうか?先ほどのご答弁では、市バスと水道等は、消費税の申告・納税をおこなっているけれども、一般会計では申告義務はないということです。今回の条例改正案は、便乗値上げということにはならないのでしょうか?お答えください。

(2)消費税率が10%に引き上げられることによって、市としてはどれだけの収入増になると見込んでいるのでしょうか?とお訊きしたら、「今回の料金改定全体では、年間約4500万円を想定」しているということでした。私がお訊きしたいのは、消費税が8%から10%になったら、その年間約4500万円を除いて、市の歳入がどれだけ増える見込みなのかということです。10月に予定されている増税によって、市の歳入は、年換算で、どれだけ増える見込みなのでしょうか?お答えください。

【答弁】
 1点目の便乗値上げではないかとのお尋ねですが、消費税等は、法人ではなく、各取引に課税されるものであり、そのようなことはございません。
 2点目の使用料等の改定以外の歳入に関してですが、主なものとしては、地方消費税交付金が考えられます。試算ではございますが、同交付金としては、令和2年度において、約19億円の歳入増を想定しています。


<3回目>

 消費税が10%になることで、高槻市は約19億円の収入増が見込まれるうえに、この条例改正で料金を値上して、市民の皆さんに負担を強いることで、さらに約4500万円も収入を増やすというのは、道義的に問題ではないかなと感じます。
 今回の料金の値上げに合理的な理由があれば、別ですが、単に消費税の税率の引き上げに合わせるというだけでは、合理的な理由があるとはいえないと思います。
市の経費は、増税のために多少増えるかもしれませんが、そういうものを考慮して今回の料金の設定をしているわけでもないですよね。市のコストのうち、一番大きな割合を占めるのは、施設の建設費になろうかと思いますが、それは既に、増税前に建てられているわけですから、今回の値上げには関係がないですよね。そうすると、コストの増を、仮に、今回の料金の値上げ分の理由とするとしても無理があると思います。
市内の類似施設の料金に合わせるのだとしても、多くの民間事業者は、税率の引き上げのために、やむを得ず、料金を引き上げるわけです。高槻市の一般会計については、消費税を納税するわけではないし、むしろ、そういった民間事業者が納めた税金で収入が増えるわけですよね。そうすると、市の料金の値上げは、まさに便乗値上げという言葉が相応しいのではないかと感じます。 
 総務省は、平成25年12月4日付の通知で、「消費税率・・・の引上げに伴う公の施設の使用料・利用料金等の対応については、・・・消費税率引上げに伴い、消費税が円滑かつ適正に転嫁されるよう、使用料の改定に係る条例改正等の措置を講じられたい」と、地方自治法第245条の4第1項に基づいて助言していますが、この通知でも「適正に」としているだけで、具体的にどれだけ値上げすべきかということは書いていません。もし、適正に、料金に反映させるべきものがあるとすれば、それは維持管理費の増、くらいではないでしょうか。そうすると、議案説明の資料にあるように、5%も引き上げる必要はないと思います。
 そういった理由から私は今回の条例案には賛成できないと申し上げておきます。以上です。



なお、料金値上げの改定をするとしている条例は次の23のものです。

高槻市行政財産使用料条例
高槻市公園墓地条例
高槻市立納骨堂条例
高槻市手数料条例
高槻市都市公園条例
高槻島本夜間休日応急診療所条例
高槻市立保健福祉センター条例 
高槻市立療育センター条例 
高槻市営駐車場条例
高槻市立総合スポーツセンター条例 
高槻市立摂津峡青少年キャンプ場条例 
高槻市立文化会館条例
高槻市養護老人ホーム条例
高槻市生涯学習センター条例
高槻市廃棄物の減量及び適正処理等の推進に関する条例
高槻市立熱利用センター条例
高槻市立総合市民交流センター条例 
道路法に基づき駐車料金を徴収する自動車駐車場に関する条例
高槻市立歴史館条例
高槻市立自然博物館条例
高槻市立自転車駐車場条例
道路法に基づき駐車料金を徴収する自転車駐車場に関する条例
高槻市立葬祭センター条例