高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【防犯】高槻市の課題は検挙率の低さ

大阪府下33市の犯罪発生率と検挙率(令和元年)

今日は総務消防委員会が。

通学路の防犯カメラの台数を倍増させたいというので、高槻市の犯罪発生率や検挙率を、大阪府下の他の市を比較しようと調べたところ、上の表のとおりに。

人口当たりの刑法犯認知件数、いわゆる犯罪発生率に関しては、低い方がいいし、刑法犯認知件数における検挙数の割合である検挙率については、高いほうがいいわけですが、高槻市犯罪発生率は0.53%(人口1000人あたりでは5.3件)で、低いほうから数えると、33市中8位でした。まあ、いいほうです。けれども、検挙率は23.76%で、下から3番目の31位でした。

つまり、高槻市は、犯罪発生率は低いけれども、犯人の検挙については成績が悪いということです。市が答弁した枚方市は、高槻市よりも、犯罪発生率が低く、検挙率が高かったので、両方の率とも、高槻市よりも成績がいいという結果でした。河内長野市は、犯罪発生率が一番低く、検挙率が3番目に高かったので、それだけを見れば、河内長野市大阪府下で一番治安がいい市だといえると思います。箕面市大阪狭山市羽曳野市柏原市阪南市も良い成績でした。

高槻市の防犯上の最大の課題は、検挙率の低さだといえます。高槻市は、犯罪の発生率は低いほうですが、犯人をなかなか逮捕できないのなら、治安がいい街だとはいえないはずです。

防犯カメラの増設で、どれだけ検挙率が上昇するか分かりませんが、検挙率の低い現状を、指をくわえてみているだけというのも問題だと思いますし、警察が、効果があるというのなら、やってみる価値はあるのではないでしょうか。増設の効果を検証して、もし、ほとんど効果がなければ、そのときは見直すべきだと思います。

自転車盗の割合の多さも、検挙率の低さに影響しているようです。自転車の盗難対策を市が行うと共に、市民に強く呼び掛けることも、高槻市における犯罪発生率の抑制、検挙率の向上につながると考えられます。

以下は今日の総務消防委員会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■防犯カメラ設置事業

 通学路には現在、防犯カメラが410台設置されていますが、さらに約400台を増設したいということです。
 資料には、通学路防犯カメラを他市に先駆けて導入した結果、市内の刑法犯認知件数は年々減少したものの、子どもに対する声掛け事案や特殊詐欺による高齢者被害は継続して発生しており、犯罪から市民の生命・財産を守るため、防犯カメラの重要性はより一層高まっていることから、防犯カメラを増設したいと書かれています。まず2点伺います。

(1)全国的に見ても、刑法犯認知件数は年々減少していますが、その傾向と比べても、高槻市における減少率は大きいのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒刑法犯認知件数につきまして、全国と本市の状況を比較いたしますと、傾向として年々件数が減少しているという点は同じですが、平成27年から令和元年の減少率は、全国平均では約32%、本市では約45%と、全国平均を上回っております。

(2)防犯カメラを倍にすれば、子どもに対する声掛け事案や特殊詐欺による高齢者被害は減少するのでしょうか?減少するのであれば、その理由をお答えください。

⇒防犯カメラの設置効果につきましては、大阪府警察本部によると、計画的な犯罪の抑止に効果的であるとされております。


<2回目>

(1)全国平均を上回る刑法犯認知件数の減少率だということです。大変素晴らしいことだと思います。防犯カメラを設置した他の自治体でも、高槻市と同じように、減少率が全国平均を上回っているのでしょうか?お答えください。

⇒隣接する枚方市茨木市でも本市と同程度の減少率と伺っております。

(2)犯罪検挙率は、どういった傾向なのでしょうか?平成27年と比べるとどうなのでしょうか?全国平均と比べるとどうなのでしょうか?お答えください。

⇒検挙率につきましては、刑法犯認知件数に対する検挙件数の割合で、犯罪類型により異なります。昨年の全国平均値は、全体で約39%となっておりまして、本市では約24%と全国平均を下回っております。
また、平成27年と比較いたしますと、全国平均では6.8%の上昇、本市では6.6%上昇しております。

(3)高槻市内で、通学路防犯カメラを設置した場所と、設置していない場所とでは、刑法犯認知件数や検挙率に違いがあるのでしょうか?あるのであれば、どれだけ違うのか、お答えください。

(4)本会議では、高木議員の質問に対して、警察の捜査以外には、行方不明者の捜索にも防犯カメラのデータを使用しているといった答弁がされたかと思います。行方不明者の捜索については、カメラ設置前後で、どれだけの効果の違いがあったのでしょうか?お答えください。

⇒3・4 防犯カメラの設置場所ごとの認知件数や検挙率及び4点目の防犯カメラによる行方不明者の捜索の効果につきましては、把握しておりません。

(5)防犯カメラを倍にすれば、子どもに対する声掛け事案等は減少するのかとおききしたところ、計画的な犯罪の抑止に効果的であるとされているというお答えでした。ちょっとよく分かりませんが、実際のところ、防犯カメラの周辺では、子どもに対する声掛け事案や特殊詐欺による高齢者被害は減少しているのでしょうか?

⇒防犯カメラ周辺の被害件数の減少につきましては、高槻警察署によると、通学路防犯カメラ設置前後で子どもに関する被害件数が減少したと伺っております。


<3回目>

(1)防犯カメラを設置した他の自治体での刑法犯認知件数の減少率についておききしたところ、高槻市は、枚方市茨木市と同程度だということでした。
 人口当たりの刑法犯認知件数、いわゆる犯罪発生率に関しては、低い方がいいし、刑法犯認知件数における検挙数の割合である検挙率については、高いほうがいいわけですが、大阪府下の33市の令和元年のそれぞれの率を集計したところ、高槻市の犯罪発生率は0.53%、人口1000人あたりでは5.3件で、低いほうから数えると、33市中8位でした。まあ、いいほうです。けれども、検挙率については、先ほどのご答弁のとおり、約24%で、下から3番目の31位でした。
 つまり、高槻市は、犯罪発生率は低いけれども、犯人の検挙については成績が悪いということです。枚方市は、高槻市よりも、犯罪発生率が低く、検挙率が高かったので、両方の率とも、高槻市よりも成績がいいという結果でした。河内長野市は、犯罪発生率が一番低く、検挙率が3番目に高かったので、それだけを見れば、河内長野市大阪府下で一番治安がいい市だといえると思います。箕面市大阪狭山市羽曳野市柏原市阪南市も良い成績でした。
 高槻市は何故、他の市と比べて検挙率が低いのでしょうか?単に、防犯カメラの設置率の違いなのでしょうか?具体的な理由をお答えください。

⇒検挙率につきまして、昨年の本市の刑法犯認知件数のうち、3割以上を自転車盗が占めております。全国的にみても自転車盗の検挙率は低くなっており、本市の検挙率にも影響していると考えております。

(2)検挙率の低さについて、一番気にしているのは、警察関係者だと思います。今回の防犯カメラの増設については、大阪府警などから要望があったのでしょうか?あったのであれば、具体的に、どこから、どういった要望があったのか、どういった内容の協議をしたのか、お答えください。

⇒高槻警察署から本市に対し、防犯カメラの増設等、防犯に関する協力要請がございます。

(3)防犯カメラの設置場所ごとの認知件数や検挙率等については把握していないということです。しかし、把握できていないと、防犯カメラの効果的な設置はできないはずです。警察のほうでは、そういったことは、どの程度の精度で把握されているのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒犯罪に関することは警察が所管されておりますので、警察内部では犯罪の発生場所等、詳細な情報を把握していると伺っております。

<4回目>

 高槻市の防犯上の最大の課題は、検挙率の低さだと思います。高槻市は、犯罪の発生率は低いほうですけれども、犯人をなかなか逮捕できないのなら、治安がいい街だとはいえないはずです。
 防犯カメラの増設で、どれだけ検挙率が上昇するか分かりませんが、検挙率の低い現状を、指をくわえてみているだけというのも問題だと思いますし、警察が、効果があるというのなら、やってみる価値はあるんじゃないでしょうか。増設の効果を検証して、もし、ほとんど効果がなければ、そのときは見直すべきだと思います。
 自転車盗の割合の多さも、検挙率の低さに影響しているということは、自転車の盗難対策を市が行うと共に、市民に強く呼び掛けることも、高槻市における犯罪発生率の抑制、検挙率の向上につながると考えられますよね。ぜひそうした取り組みもお願いします。
 防犯カメラの設置場所ごとの犯罪の認知件数などについてですが、警察が犯罪の発生場所等に関する詳細な情報を把握しているなら、それの分析結果を提供してもらうことで、セーフティボランティアの立つ場所や、青色防犯パトロールの時間帯・地域などを見直すこともできるのではないでしょうか?高槻警察署から防犯カメラの増設等の協力要請があって、それに応じて、高槻市が防犯カメラの費用を負担して設置するわけですから、そうした情報の提供についても要請してください。要望しておきます。
 当然、高木議員や甲斐委員からもありましたが、プライバシーの侵害はあってはならないことなので、不要となったデータは削除させるなどしてください。以上です。