高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市役所本館耐震改修】耐震と無関係の工事が含まれる理由をまともに答えない高槻市

高槻市役所耐震改修事業請負契約締結について

6月議会の初日の本会議では、高槻市役所本館の耐震工事の契約についての議案も審議・採決され、私も質問しました。

アスベストの除去も工事に含まれていることから、事前に工事日程を告知するよう要望。また、耐震工事とは無関係な工事が含まれていることから、その理由を尋ねたのですが、まともな答弁がありませんでしたので、議案には反対しました。

以下は当日のやり取りです。原稿とメモに基づいているので、不正確な部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。

■議案第51号 高槻市役所本館耐震改修事業請負契約締結について

<1回目>

1.契約金額が35億9964万円で、事業内容が、①耐震補強工事、②アスベスト対策工事、③便所改修工事、④昇降機耐震補強工事、⑤非常用発電機設備の設置、⑥給排水衛生設備配管の改修の6つとなっています。この6つの事業の工事等の内容は、それぞれどのようなものなのでしょうか?詳細をお教えください。また、費用についても、6つそれぞれについて、何円かかるのかお答えください。
2.アスベスト対策工事を行うということですが、アスベストはどこに存在しているのでしょうか?また、その工事については、どのように行うのでしょうか?アスベストをすべて除去するのでしょうか?アスベストが飛散するおそれはないのでしょうか?それぞれについて、具体的にお答えください。
3.便所改修工事も含まれていますが、何故なのでしょうか?この耐震工事とは別に入札を行わなかった理由は何なのでしょうか?お答えください。
4.非常用発電機設備の設置や、給排水衛生設備配管の改修も、個別に入札を行ってもよかったのではないのでしょうか?この耐震工事に含めた理由をお答えください。
5.平成26年7月8日付で入札が公告された「高槻市役所本館耐震改修事業」は、同年9月4日付で入札が中止されましたが、当時の「高槻市役所本館耐震改修事業」と、今回のものとは、何か違いがあるのでしょうか?違いがあるのであれば、何が、どのように違うのか、お答えください。また、今回の事業者は、前回の入札に、応札していたのでしょうか?お答えください。

(答弁)
 高槻市役所本館耐震改修事業に関する数点の質問にお答えいたします。
 本事業におきましては、耐震改修として制震ブレースによる補強などを行うほか、老朽化に伴う便器や給排水配管の更新、本会議場など一部で使用されております吹き付けアスベストの除去、エレベーターの耐震補強、発電機回路による電源ラインの増設などを計画しております。
 各工事の内訳費用ですが、本事業全体の落札価格であり、事業者側で積算された額でございます。
 なお、アスベストの除去に当たりましては、関係法令等に則り、周囲に飛散しないよう厳重に養生を行い、適切に処理します。
 また、便所の改修工事などにつきましては、設備の老朽化などを勘案し、本事業と併せて実施することで騒音や振動の発生など、業務や来庁者等への影響が最小限に抑えられるものでございます。
 最後に、この事業におきましては、昨年12月議会において、ご承認いただいておりますとおり、事業期間を3か月延長し、事業費を4億円増額しております。
 なお、今回の事業者は、前回の入札手続には参加しておりませんでした。

<2回目>

1.アスベストはどこにあるのかとおききしましたが、「本会議場など」ということです。本会議場以外には、どこに、どれだけあるのでしょうか?フロアごとに、どこにアスベストが存在するのか、具体的にお答えください。
2.アスベストの除去の具体的な工法を教えてください。また、アスベストを除去する工事を行う際には、事前に、いつ、どこを工事するのか、教えていただけるのでしょうか?それぞれお答えください。
3.便所の改修工事などについては、騒音や振動などを考慮して、本事業と併せて実施するということですが、別の業者が行うことはできないのでしょうか?別の業者でも、工事日程を調整すればよいだけではないのでしょうか?お答えください。
4.今回の入札には、1件しか応札がなかったということですが、平成25年度の富田保育所ほか1か所の便所改修工事の入札には7社が、平成26年度の三箇牧支所便所改修工事入札には11社がそれぞれ応札しています。市役所本館の耐震補強工事は特殊だとしても、トイレの改修やアスベスト対策工事、非常用発電機設備の設置などは、多くの業者が施工できるはずです。それぞれの工事について、別々に入札を行ったほうが、複数の業者が応札することが予想されますし、工費を抑えられたのではないのでしょうか?お答えください。
5.普通の感覚では、便所の改修などは、耐震工事には関係がないと思うのですが、便所の改修や、非常用発電機設備の設置などは、平成26年7月8日付で入札が公告された「高槻市役所本館耐震改修事業」の際には含まれていたのでしょうか?含まれていなかったのであれば、いつ、どのような理由で含まれるようになったのでしょうか?お答えください。
6.1回目の質問で、先ほどの平成26年の事業と、今回のものとは、何か違いがあるのかとおききしたところ、事業期間と事業費が増えただけのような答弁でした。事業内容・工事内容には何も違いはないのでしょうか?お答えください。
7.便所の改修工事なども国の交付金の対象となっているのでしょうか?国の交付金の対象となっている工事と、そのそれぞれについての国の交付金の額をお答えください。

(答弁)
 まず、吹き付けアスベストの除去についてですが、本会議場のほか、3階の電話機械室、空調機械室、塔屋のエレベーター機械室で使用されており、除去の工法及び工程については、実施設計において決定し、適時、公にしてまいります。
 次に、便所の改修工事などについてですが、1問目でお答えしたとおり、耐震改修と併せて行うことで騒音や振動の発生など、業務や来庁者などへの影響が最小限に抑えられものでございます。前回公告した事業におきましても、これらの工事は含まれており、事業内容及び工事内容に違いはございません。
 また、国の交付金の対象となるのは耐震補強工事であるため、便所改修工事などはその対象外となり、交付金の見込額は、昨年12月議会でもご説明いたしましたとおり、約3億5千万円でございます。
以上でございます。

<3回目>

 まず、アスベストの除去についてです。プロの方が施工されるのでしょうし、あまり心配はいらないと思いますけれども、市民の皆さん、職員の皆さんの健康のためにも、工事の前に、ぜひ告知をしてください。また、工事についてはしっかりと、監督・点検をお願いします。
 便所の改修工事などについて、別の業者が行うことはできないのか、別々に入札を行うことはできなかったのか、とおききしましたが、1回目と同じく「騒音や振動」しか理由として挙げられませんでした。あらためて、便所改修工事、非常用発電機設備の設置、給排水衛生設備配管の改修について、2点おききします。

1.これらの工事等を、別の業者が行うことはできないのでしょうか?できるのか、できないのか、どちらなのか、明確にお答えください。できないのであれば、その理由も明確にお答えください。

2.これらの工事等について、個別に入札を行わなかったということは、費用をできるだけ安く抑えようとは考えていなかったということなのでしょうか?それとも、同じ業者が行うことで、入札を行うよりも、費用は安く抑えられることになるのでしょうか?お答えください。安く抑えられるのであれば、その理由もお答えください。

 あとは意見です。
 この議案第51号は高槻市役所本館耐震改修事業請負契約締結について」となっています。「耐震改修事業」と書いてあるだけで、「等」という言葉も使われておりません国の交付金も、耐震補強工事が対象であって、便所の工事などは対象外だということです。なぜ、耐震以外の工事も契約に含めるのか。おかしな感じがします。
 便所の改修工事なども、国の交付金の対象なら、この契約に含めるのが、高槻市にとって特になるのかもしれませんが、対象外ということですので、費用を安く抑えるためには、便所の改修工事などについては、個別に入札を行うべきだったと私は思います。業者が違っても、業者同士で話し合えば、工事の日程の調整もできるはずですし、業務や来庁者などへの影響も抑えられるはずです。三箇牧支所でも富田保育所でも、業務や市民の方に支障のないように工事をしたのではないでしょうか。
 なぜ、耐震に関係のない工事が含まれているのか。なぜ、個別に入札が行われないのか。合理的な理由を答弁していただけない限り、この議案には反対することを表明します。
 以上です。

(答弁)
 本事業は4か年にわたりまして、市役所本館の全域にかけて実施される・・・北岡議員は先ほどおっしゃられましたけれども・・・特殊で大規模な工事であること、さらに不特定多数の市民の方が利用し、一方で業務を継続しながらの居ながら工事であることから、施工管理に当たっては、一般の工事とは異なる困難性があると考えておりまして、一括発注としたものでございます。
 北岡議員がおっしゃりますように、便所のことでおっしゃっておりますけれども、木を見て森を見ないものではなく、総合的に判断したものでございます。