高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

夜中に淀川の氾濫が起きたら?高槻市にも「稲むらの火」を

洪水時緊急安全確保施設

今日は高槻市議会の総務消防委員会があり、私もいくつか質問。

淀川の氾濫に備え、令和6年度に、新たな避難施設を設置する等ということなのですが、もし、夜中に水害が起きたら、ということも質問し、最後に以下の意見を述べました。

 災害時の避難に関して、しっかりとした計画を立てて、避難場所も確保して、市民に啓発を行ったとしても、実際に災害が起きたら、天候の急変など想定外のことも起きますし、正常性バイアスのせいで、避難をしない市民や、高槻市内の地理に詳しくない市外の方も、おられるかもしれません。
 夜間に水害が起きて、逃げ遅れた方や避難しなかった方がいる場合、夜の暗闇の中で、どのように救助するのかとおききしたら、適切に対応するということでした。その場合の策は、特にないのだと思います。
 先週の土曜日に、和歌山県の広川町に行ってきました。防災を勉強されている方は、ご存知かもしれませんが、「稲むらの火」の街です。1854年(安政元年)12月24日の午後4時ごろに起きた安政南海地震によって、その2時間後くらいから次々と、現在の広川町に、津波が押し寄せるんですが、暗闇の中、津波で海に流されるなどして、逃げ遅れた村民を、濱口梧陵(はまぐちごりょう)という人が、稲むら(刈り取った稲の束や藁を積み重ねたもの)に火をつけて、高台にある神社へ誘導したことによって、村人の97%が助かったということです。濱口梧陵は私財をなげうって、村の復興にも尽力したので、小泉八雲ラフカディオ・ハーン)をして「ア・リビング・ゴッド(生ける神)」と言わしめたんですが、その「稲むらの火」のようなものを、避難場所へ導くように設置できれば、夜中に水害があっても、助かる方が多いのではないでしょうか。
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 現在、広川町では、どうしているかというと、風力と太陽光で発電した電気を蓄電して、地震の揺れを感知したら、明かりがともって、スピーカーから避難を呼びかける「稲むらの火避難誘導灯」という名称のものが、街のあちこちに取り付けられています。
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 ただ、高槻市は、広いですし、高い建物が多いので、私は、かつて、パチンコ屋が、夜空を、サーチライトみたいな強い光で照らして、光害だと問題になったことがありましたが、そういうものを、夜中に災害が起きた場合には、避難施設・避難場所から、空へ向けて、照射するのがよいのではないかと思います。もちろん、非常電源や電池を使ってですけれども、暗闇の中で逃げまどっている方には、良い目印になるのではないでしょうか?ぜひ、ご検討ください。提案しておきます。



以下は今日の総務消防委員会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第36号令和6年度高槻市一般会計予算

★5.淀川広域避難体制の整備

<1回目>

 239万7千円の予算で、「淀川氾濫等の大規模水害時に、実効性のある避難体制を確保するため、淀川広域避難タイムラインに基づき、避難の方法や適切なタイミング等を市民に周知啓発する。また、浸水想定区域内において、新たに『洪水時緊急安全確保施設』を指定し、看板を設置する。」ということです。まず2点伺います。

(1)淀川の氾濫は、どういった気象条件等の際に、発生すると考えられるのでしょうか?お答えください。
 また、南海トラフ地震等で発生した津波が淀川を遡って、高槻市で氾濫するということもありえるのでしょうか?お答えください。

⇒水位観測地点である枚方から上流域で、24時間の総雨量が360ミリメートルの降雨となった場合などに淀川が氾濫する
と想定されています。また、大阪府が公表している津波の浸水想定区域に、本市は含まれておりません。

(2)淀川の氾濫は、夜中に起きるかもしれません。発電・送電の設備が故障して、停電になると、「洪水時緊急安全確保施設」等に避難しようとしても、暗闇の中で、迷う人も出てくるかと思います。特に、水で流された方は、場所も方向も分からなくなるのではないでしょうか?そういった場合の対策は、何かされているのでしょうか?お答えください。

⇒夜間・深夜帯に気象状況の悪化が見込まれる場合、市民の皆様には、明るい時間帯に避難行動をとっていただけるよう、避難情報の早期発令に努めているところです。

<2回目>

(1)夜間・深夜帯に気象状況の悪化が見込まれる場合、市民の皆様には、明るい時間帯に避難行動をとっていただけるよう、避難情報の早期発令に努めるということですが、完全に天候を予測し切れるのでしょうか?天候が急変することはないのでしょうか?お答えください。
 また、要支援者も含め、避難情報の早期発令で、浸水想定区域の住民全員を避難させることは可能なのでしょうか?可能なのであれば、具体的に、どういった方法で、何人を、どこへ、避難させるのでしょうか?お答えください。

大阪管区気象台などの防災関係機関と連携を図りながら、気象状況の把握に努めております。
 また、避難についてですが、淀川広域避難タイムラインの策定にあたり、浸水想定区域外に開設する指定緊急避難場所に収容可能であると試算しており、市民の皆様には、原則、徒歩や公共交通機関での避難を呼びかけてまいります。

(2)逃げ遅れた方や、避難しなかった方がいる場合、夜の暗闇の中で、どのように救助するのでしょうか?そういった方々が、夜の暗闇の中で、避難先の目印にできるようなものはないのでしょうか?お答えください。

⇒災害の状況に応じて適切に対応してまいります。

<3回目>

 あとは意見を述べます。
 災害時の避難に関して、しっかりとした計画を立てて、避難場所も確保して、市民に啓発を行ったとしても、実際に災害が起きたら、天候の急変など想定外のことも起きますし、正常性バイアスのせいで、避難をしない市民や、高槻市内の地理に詳しくない市外の方も、おられるかもしれません。
 夜間に水害が起きて、逃げ遅れた方や避難しなかった方がいる場合、夜の暗闇の中で、どのように救助するのかとおききしたら、適切に対応するということでした。その場合の策は、特にないのだと思います。
 先週の土曜日に、和歌山県の広川町に行ってきました。防災を勉強されている方は、ご存知かもしれませんが、「稲むらの火」の街です。1854年(安政元年)12月24日の午後4時ごろに起きた安政南海地震によって、その2時間後くらいから次々と、現在の広川町に、津波が押し寄せるんですが、暗闇の中、津波で海に流されるなどして、逃げ遅れた村民を、濱口梧陵(はまぐちごりょう)という人が、稲むら(刈り取った稲の束や藁を積み重ねたもの)に火をつけて、高台にある神社へ誘導したことによって、村人の97%が助かったということです。濱口梧陵は私財をなげうって、村の復興にも尽力したので、小泉八雲ラフカディオ・ハーン)をして「ア・リビング・ゴッド(生ける神)」と言わしめたんですが、その「稲むらの火」のようなものを、避難場所へ導くように設置できれば、夜中に水害があっても、助かる方が多いのではないでしょうか。
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 現在、広川町では、どうしているかというと、風力と太陽光で発電した電気を蓄電して、地震の揺れを感知したら、明かりがともって、スピーカーから避難を呼びかける「稲むらの火避難誘導灯」という名称のものが、街のあちこちに取り付けられています。
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 ただ、高槻市は、広いですし、高い建物が多いので、私は、かつて、パチンコ屋が、夜空を、サーチライトみたいな強い光で照らして、光害だと問題になったことがありましたが、そういうものを、夜中に災害が起きた場合には、避難施設・避難場所から、空へ向けて、照射するのがよいのではないかと思います。もちろん、非常電源や電池を使ってですけれども、暗闇の中で逃げまどっている方には、良い目印になるのではないでしょうか?ぜひ、ご検討ください。提案しておきます。



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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)