高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【京大農場】防災上、新たな防災公園は必要ない。絶対に必要な防災施設も無い。ということが明らかに!

高槻市の史跡整備等特別委員会の資料・京大農場の件

昨日の史跡整備等特別委員会では、京大農場を公園として整備する件についての審議がありました。京大農場の史跡以外のほとんどの部分は防災公園にするとされているのですが(一部は市街地とし、子供のための施設を造ると高槻市は今回突然言い出したのですが・・・)、その防災公園部分についても新たな案が示されましたので、その点についても質問しました。

なぜ京大農場を防災公園にすることになったのかというと、当初は、平成15年からの奥本前市長の公約であったサッカースタジアムの建設の費用を賄うためでした。防災公園ということにすれば、国の補助金がもらえるので、これをスタジアムの建設費用の足しにしようとしたのですが、この話が出た平成21年2月当初から、防災上の必要性は、まったく考慮されていませんでした。そして、前市長の公約は、その後継者である濱田市長になってから、程なくして破綻。防災公園にするという合意は既にURと平成21年9月に締結してしまっていたために、防災公園にして国の補助金をもらうという手法だけが残ったのです。

京大農場を防災公園として整備する必要性がないことは、これまで何度も書いてきましたが、今回の市側の答弁でも、それが明らかになりました。

今回の特別委員会の資料の4~5ページに、防災公園についての記載がありましたので、以下のような質問をしました。

高槻市の史跡整備等特別委員会の資料・京大農場の件

<北岡>資料の4ページには、京大農場に造るとしている防災公園の役割として、広域避難地としての役割、防災拠点としての役割、応急仮設住宅の建設地としての役割、臨機応変に活用するとして物資の集積や救援部隊の活動拠点等の大きく4点が挙げられていますが、仮に現在災害が起きた場合には、これらの4点の役割は、どこでどのように果たされることになるのでしょうか?

<答弁>高槻市地域防災計画において、広域避難地、防災拠点、応急仮設住宅の建設地などを定めています。

<北岡>ということは、現状でも災害に対応できるということですね。つまり、防災上、新たな防災公園は必要ないということです。

高槻市の史跡整備等特別委員会の資料・京大農場の件

<北岡>資料の5ページには、公園に設置する防災機能の表があって、そこには、避難広場やヘリポート、耐震性貯水槽、非常用便所、備蓄倉庫などが記載されています。その表の下には、「上表は基本的な考え方であり公園利用計画に併せて、今後具体的な検討を行う。」と記載されていますが、表にある様々な防災施設のうち、どんな公園利用計画であっても、絶対に必要な施設は、どれとどれなのでしょうか?

<答弁>公園整備には、広場部分や園路、植栽などが設けられており、今回例としてあげております防災機能についても、公園整備構想を策定する中で検討してまいります

<北岡>これから公園整備構想を策定する中で検討していくということなんですが、つまり、この公園に絶対に必要な防災施設は、ないんだということなんでしょうか?お答えください。

<答弁>構想を策定する中で検討してまいります

<北岡>今後検討するということは、この公園に絶対に必要な防災施設は、ないんだと、つまり、やっぱり防災公園として必要はないということだと理解しておきます。


京大農場を防災公園にしなくても、災害には対応できる。京大農場に絶対に設置すべき防災設備はない。・・・市の答弁からすれば、京大農場を防災公園にする必要はなく、防災公園にするのは無駄だ、税金の無駄遣いだということになります。

昨年9月1日の朝日新聞では、濱田市長が、京大農場を防災公園に整備すると発表した際、「この地域は徒歩で避難できる場所がない。」と述べたとされていますが、今回の市の答弁からすれば、現状でも、避難地としての役割は他の場所が果たしてくれるというのですから、「この地域は徒歩で避難できる場所がない。」という濱田市長の発言は嘘だったということになります。

高槻市の史跡整備等特別委員会の資料・京大農場の件

また、今回突然、防災公園部分の一部に市街地部分を設け、そこに子供のための施設を造るという提案もされたので、その市街地部分は最大でどれだけの面積にできるのかと尋ねたのですが、明確な答えはありませんでした。防災公園部分が、市民の避難地として本当に必要であれば、その面積は絶対に確保しなければなりませんから、市街地部分もそこまでは広げられないはずですが、高槻市としてはまったくそんなことを考えていなかったようです。つまり、避難地として、どうしても必要ではないということが、この答弁からも分かるわけです。

京大農場の防災公園化は、決して市民の安全安心を考慮してのものではない。誰のために防災公園にするのか?前市長の公約破綻の尻拭いのためか?会計検査院から約900億円の無駄が指摘された都市再生機構(UR)のためか?京都大学のためか?国土交通省の官僚のためか?・・・この一連の京大農場の件は、本当に市民をバカにしたような話です。こんなものに巨額の税金を投じるべきではありません。