高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【新関西将棋会館】移転に反対ではないが、億単位の税金の支出はやり過ぎでは?

藤井先輩として、後輩たちに将棋セットを贈呈

昨日3月12日の読売新聞のX(旧Twitter)に、藤井聡太八冠が、母校の小学校の児童に将棋セットを贈呈したとの記事が掲載されていました。

3月7日の本会議で、私は、「将棋のまち推進事業」についての質問の中で、「藤井聡太8冠の知名度にあやかれるなら、大谷翔平選手が全国の小学校へ野球のグローブを寄贈したように、藤井八冠に将棋の駒と将棋盤を寄贈してもらうとか、できればいいかなと、そうすれば、児童は皆、こぞって将棋をやるかもしれませんが、藤井8冠にそれを自腹でやってくださいというのは、行政として、無理な話だと思います。」と述べました。その5日後に、読売新聞のXを見て、藤井八冠に将棋セットを贈呈された母校の児童らの心境に思いを馳せた次第です。

高槻市は、「将棋のまち推進事業」として、令和6年度は、約1億円の税金を使うというのですが、果たして、それだけの支出に見合うだけの効果は得られるのでしょうか?

将棋のまち推進事業

私は最後に以下の意見を述べました。

 以前も申し上げましたが、福島区にある、現在の関西将棋会館を訪れてみましたけれども、その周囲は、まったく盛り上がっていませんでした。取り組み次第なのかもしれませんが、皆さんが期待されているほど、地域を盛り上げる力はないんじゃないかなと感じました。
 もちろん、関西将棋会館高槻市に移転することには反対ではないんですが、固定資産税等を免除したり、ふるさと納税制度を利用して建設費の補助金を集めたり、市バスの滞留場を押しのける形で土地を融通したり、本件のように税金から1億円近いお金を使ったり、というのは、行政として、やり過ぎではないかと思います。
 将棋に詳しくない一般の方の印象は「藤井聡太さんの8冠はスゴイ」「将棋めし・勝負めしは美味しそう」くらいではないかと思います。そういうところからすると、藤井聡太八冠をはじめとするプロ棋士の方がお勧めする高槻市内の飲食店のランチを紹介したり、将棋にちなんだメニューをつくってもらったり、ということくらいではないでしょうか。それでも効果は限定的で、かけた税金に比して、少ない効果しか得られないのではないかと、私は思います。
(中略)ということで、関西将棋会館に税金を使い過ぎだと思いますので、この予算には賛成できません。



以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第36号令和6年度高槻市一般会計予算

★5.将棋のまち推進事業について

<1回目>

委託料として9811万円が計上されていますが、資料によると、これについては、広報誌への詰将棋掲載、高槻将棋まつりの開催などと記載されています。何に何円の予算を見込んでいるのでしょうか?お答えください。

⇒委託料の内訳ですが、広報誌への詰将棋の掲載に約40万円、高槻将棋まつりの開催に約2200万円のほか、高槻産将棋駒の製作等に要する費用として約2330万円、王将戦の運営等に関する費用が約1190万円、プロモーション費に約1500万円、JR高槻駅周辺の装飾関連費用に約2550万円を見込んでいます。

<2回目>

(1)委託料には、詰将棋の掲載や王将戦の運営等の費用も含まれているということですが、この委託料のうちから、日本将棋連盟棋士に対しては、何円が支払われる見込みなのでしょうか?お答えください。

⇒委託料のうち、詰将棋の作成業務については、約40万円を日本将棋連盟に支払う見込みです。

(2)この委託料の9811万円を支出することによって、どの団体や個人に、どういった経済効果等があるのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒これまでの取組により、全国ネットのメディアへの露出機会や、将棋関連イベントへの集客数が増加したほか、地元商業者の自主的な取組も目に見えて増えてきております。
 今後も引き続き、将棋のまちとしての取組を進めることで、本市の知名度向上とまちのにぎわい創出に大きな効果があると考えております。

<3回目>

 あとは意見を述べます。
 以前も申し上げましたが、福島区にある、現在の関西将棋会館を訪れてみましたけれども、その周囲は、まったく盛り上がっていませんでした。取り組み次第なのかもしれませんが、皆さんが期待されているほど、地域を盛り上げる力はないんじゃないかなと感じました。
 もちろん、関西将棋会館高槻市に移転することには反対ではないんですが、固定資産税等を免除したり、ふるさと納税制度を利用して建設費の補助金を集めたり、市バスの滞留場を押しのける形で土地を融通したり、本件のように税金から1億円近いお金を使ったり、というのは、行政として、やり過ぎではないかと思います。
 将棋に詳しくない一般の方の印象は「藤井聡太さんの8冠はスゴイ」「将棋めし・勝負めしは美味しそう」くらいではないかと思います。そういうところからすると、藤井聡太八冠をはじめとするプロ棋士の方がお勧めする高槻市内の飲食店のランチを紹介したり、将棋にちなんだメニューをつくってもらったり、ということくらいではないでしょうか。それでも効果は限定的で、かけた税金に比して、少ない効果しか得られないのではないかと、私は思います。
 藤井聡太8冠の知名度にあやかれるなら、大谷翔平選手が全国の小学校へ野球のグローブを寄贈したように、藤井八冠に将棋の駒と将棋盤を寄贈してもらうとか、できればいいかなと、そうすれば、児童は皆、こぞって将棋をやるかもしれませんが、藤井8冠にそれを自腹でやってくださいというのは、行政として、無理な話だと思います。
 ということで、関西将棋会館に税金を使い過ぎだと思いますので、この予算には賛成できません。


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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)