高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【新関西将棋会館】栃木市のサッカースタジアムの固定資産税の免除は違法との判決。高槻市は本当に免除するのか?

この件も先日の一般質問で。

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高槻市は、関西将棋会館の誘致にあたって、日本将棋連盟に対し、土地・建物の固定資産税・都市計画税の免除等を提案しました。

しかし、栃木市では、サッカースタジアムに一定の経済効果があるとして、固定資産税の免除等を行うとしたところ、住民訴訟が提起され、裁判所から、固定資産税の免除等は違法だと認定されました。つまり、市側が敗訴したわけです。

報道によると、栃木市は、スタジアムで、市内がにぎわい、市の知名度が上がって経済活性化につながるので、固定資産税の免除等には公益性があると主張したそうですが、裁判所は、経済効果については「客観的な根拠のある事実を基礎とした合理的な将来予測とは認められない」し、固定資産税の免除に関しては「強い公益性があるものとは到底認められない」と結論づけたということです。

私は先日の本会議で、日本将棋連盟に対して固定資産税と都市計画税を免除するのか否か、重ねて質問しましたが、市税条例の規定に則って適切に対応するといった答弁が繰り返されただけでした。何故はっきりと答えられないのでしょうか?

もし、高槻市が免除しないとなれば、嘘をついて誘致をしたということになりますが・・・実際のところ、どうするのでしょうか?

以下は先日の議会でのそのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。



■3.関西将棋会館等について

<1回目>

(1)今年11月16日の読売新聞の記事によると、2年後に開館予定の新しい関西将棋会館のために高槻市が実施しているふるさと納税を活用したクラウドファンディングについては、昨年度は目標の1.5倍の1億5109万6000円に達したものの、今年度は目標の2億円に対して、その17%の約3400万円しか寄附されていないということでした。今日見てみると、約5200万円になっていましたが、それでも目標には程遠いと思われます。
 記事には「藤井竜王らのグッズでテコ入れへ」とも書かれているのですが、現状と今後の見込みについてお答えください。
(2)クラウドファンディングは3回行って、総額で5億円を目標にしているということでしたが、5億円に満たなくても、寄附された額の分だけ、補助金として、日本将棋連盟に交付するのでしょうか?それとも、市が補填等するのでしょうか?お答えください。

関西将棋会館建設支援のためのクラウドファンディングにつきましては、寄附額から必要経費を除いた額を日本将棋連盟に交付いたします。今年実施している第2期についても、引き続き、PRに努めてまいります。

(3)新関西将棋会館建設スケジュールを見ると、今年度末頃から建設工事に入るとされています。新関西将棋会館のパース(イメージ図)も既に公開されていますが、高槻市は、日本将棋連盟に対して、いつ、何円で、建設予定地である市有地を売却するのでしょうか?また、その市有地の鑑定価格は何円なのでしょうか?お答えください。

⇒建設予定地については、本年12月1日付で2者からの鑑定を徴取しており、その平均額は3億8,665万円です。また、売却の時期等については、今後協議してまいります。

(4)高槻市は、日本将棋連盟に対して、新関西将棋会館の土地・建物にかかる固定資産税と都市計画税を免除すると提案していますが、本当に免除するのでしょうか?お答えください。
また、この土地と建物にかかる固定資産税と都市計画税は、それぞれ何円になる見込みなのでしょうか?具体的な金額をお答えください。

⇒固定資産税・都市計画税については市税条例の規定に則って適切に対応してまいります。なお、固定資産税・都市計画税の額については、建物の完成後に算定するものです。


<2回目>

(1)寄附額から必要経費を除いた額を日本将棋連盟に交付するということですが、その額が目標の5億円に満たなくても、市は補填等を一切しないということでよろしいでしょうか?お答えください。
 また、その目標の額に満たなくても、新しい関西将棋会館の建設には、何らの支障もないのでしょうか?お答えください。

関西将棋会館の移転については、日本将棋連盟において計画的に進められており、市が補填することはありません。

(2)固定資産税・都市計画税については市税条例の規定に則って適切に対応するということです。具体的には、市税条例の第何条に則って対応するのでしょうか?お答えください。

⇒固定資産税・都市計画税の減免については、高槻市市税条例第74条に規定されています。

(3)お答えがなかったので、あらためておききします。高槻市は、日本将棋連盟に対して、新関西将棋会館の土地・建物にかかる固定資産税と都市計画税を免除すると提案しています。本当に免除するのでしょうか?明確にお答えください。

⇒先ほどもお答えしましたが、固定資産税・都市計画税の減免については、建物の完成後に市税条例の規定に則って適切に対応してまいります。

<3回目>

(1)関西将棋会館の移転については、日本将棋連盟において計画的に進められており、市が補填することはないということです。では、目標の金額を5億円とした理由は何なのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒寄附の目標金額については、日本将棋連盟との協議に基づき決定しています。

(2)日本将棋連盟は、高槻市から1円も補助金をもらわなくても、新しい関西将棋会館を建設できるということなのでしょうか?お答えください。

⇒お答えする立場にございません。

(3)お答えがなかったので、あらためておききします。高槻市は、日本将棋連盟に対して、新関西将棋会館の土地・建物にかかる固定資産税と都市計画税を免除すると提案しています。本当に免除するのでしょうか?明確にお答えください。

⇒繰り返しになりますが、固定資産税・都市計画税の減免については、建物の完成後に市税条例の規定に則って適切に対応してまいります。

 あとは意見を述べます。
 ボードゲームである将棋は、基本的には娯楽ですので、関西将棋会館は、市民にとって、必要不可欠なものとはいえません。市は、この関西将棋会館を誘致するために、駅近くの市有地を用意したり、補助金の交付や固定資産税等の免除を約束したりされてきたわけですが、経済効果・経済波及効果に見合ったものでなければ、公益性のない、過度な便宜供与・利益供与というほかはないと思います。
 けれども、昨年の6月議会で確認したとおり、関西将棋会館に関する経済効果・経済波及効果については、高槻市は、算出すらしていないということでした。
 栃木県の栃木市では、サッカースタジアムに一定の経済効果があるとして、固定資産税の免除等を行うとしたところ、住民訴訟が提起され、裁判所から、固定資産税の免除等は違法だと認定されました。つまり、市側が敗訴したわけです。報道によると、栃木市は、スタジアムで、市内がにぎわい、市の知名度が上がって経済活性化につながるので、固定資産税の免除等には公益性があると主張したそうですが、裁判所は、経済効果については「客観的な根拠のある事実を基礎とした合理的な将来予測とは認められない」し、固定資産税の免除に関しては「強い公益性があるものとは到底認められない」と結論づけたということです。
 日本将棋連盟に対して固定資産税と都市計画税を免除するのか否か、重ねておききしても、お答えいただけないわけですが、高槻市は、その免除などを約束に、誘致をしたわけですから、約束どおり、免除をされるのではないかと思います。でないと、嘘をついて誘致をしたということになりますからね。
 けれども、新しい関西将棋会館については、経済効果すら算出していないわけですから、栃木市の事例から考えると、固定資産税等の免除は、違法となるのではないでしょうか?
 補助金の交付についても、目標金額を5億円とされていますが、経済効果に基づく金額ではないので、違法とされる可能性があると考えます。
 あらためて、固定資産税と都市計画税の免除や、補助金の交付については、違法の可能性があるので、やめるべきだと指摘しておきます。以上です。