高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市営バス】1年で中途退職者9人。京都市バスに劣らない採用条件・待遇等に。

令和6年2月末の深夜、退勤から出勤まで8時間7分しかないため、高槻市営バス営業所前に自家用車を停め、車中泊をする運転士の職員のイメージ

上の画像はイメージですが、遅番の退勤から翌日の早番の出勤まで8時間7分しかないため、市バス営業所の前で、寒空の下、自家用車で車中泊をしていた運転士がいました。市バスの乗務員の勤務ローテーションは、遅番B→遅番B→早番A→朝夕C→早番A→早番Aとなっているそうですが、1週間ごとに公休日を挟んで早番と遅番を入れ替えるシフトにすべきではないでしょうか。

こうした睡眠時間の確保がままならないローテーションや、残業の多さのためか、定年退職以外の退職者が、令和5年度は9人もいたということです。うち1人は窃盗で逮捕されたので、実質8人といえるかもしれませんが、公務員がこんなにやめるなんて、非常事態だと思います。

私は最後に以下の意見を述べました。

 定年退職以外の退職者が、1年間に9名も出ているのに、それを、特段、多いとは考えていないということですが、9名は多いと、私は思います。
 なぜ辞めていくのか、なぜ採用試験に合格しても辞退するのか、その原因を把握して、解消しないと、これからも、退職する職員や内定を辞退する方が出てくるのではないでしょうか?退職者へアンケート調査をするなどして、可能な限り、原因の把握に努めるべきです。
 ただでさえ、市バス乗務員は時間外勤務が非常に多いのに、中途退職で人数が減れば、ますます勤務時間が長くなって、勤務が苦しくなって、さらに辞める職員が出てくるといった、悪循環にもなりかねないと危惧しています。
 退勤から出勤まで8時間ちょっとしかないので、公営バスの運転士が、営業所の前に自家用車を停めて、車中泊をしているというのも、異常な状況です。8時間しかなければ、通勤に往復で2時間かかるとして、どれだけ睡眠時間がとれるでしょうか。これが9時間になっても、特に高齢の職員には、厳しいと思います。
 遠方から通勤している職員でも、十分に睡眠時間が確保できるように、1週間ごとに、公休日を挟んで、早番と遅番を入れ替えるシフトにすべきではないのでしょうか。
 条例で定められている職員の定数の233人については、どういった計算式で算定したのか、重ねておききしても、お答えがありませんでした。どういうことなんでしょうか?この条例には、無意味な数字が書かれているのでしょうか?そんなことはないと思います。
 条例の職員の定数に対して、15%も職員が不足しているのは、大変問題だと思いますし、その定数の根拠に関して、まともに答弁しないのは、議会軽視だとも言えると思います。なぜ答えないのでしょうか?何か不都合なことがあるのでしょうか?
 内定を辞退した方は、同じ公営バスの京都市営バスへ流れたのではないかという声も聞いています。高槻市バスは、少なくとも、京都市バスに劣らない、採用条件や待遇、勤務内容、職場環境にすべきです。
 平成25年3月8日の議会で、私が、阪上安太郎元市長の「市バスを動く市道にする」という名言を掘り起こしてから、「動く市道」という言葉を、皆さんも、使い始められて、一昨日も、濱田市長が答弁の中で用いてくださいましたが、この「動く市道」たる高槻市営バスを今後も維持するためには、運転士の確保が急務だということは、明らかです。運転士の職員が不足しているという現状に、今、しっかりと向き合って、対応を急がないと、バスの運行に支障が出てくるのではないでしょうか?
 翌日の勤務のために、営業所前で車中泊をするような職員が、二度と現れないように、勤務ローテーションの見直しを行って、職員の採用条件や待遇等については、少なくとも京都市バスに劣らないものにしてください。
 要望しておきます。



以下は今日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第43号 令和6年度高槻市自動車運送事業会計予算

<1回目>

(1)今年1月、交通部において、市営バス乗務員(会計年度任用職員)が、バス車両内に搭載されているドライブレコーダーを故意に破損させ、営業所外に持ち出し、投棄するという事案が発生し、市が、バス車両の損傷及びドライブレコーダーの記録装置の盗難について、警察へ事故届及び被害届を行っていたところ、2月14日に、その職員が窃盗容疑で逮捕されたので、16日に免職処分にしたという報告がありました。大変残念な事件です。
 バスの運転士が1人減ってしまったということにもなるわけですが、このように、令和5年度中に、定年退職以外で、退職した職員は、何人だったのでしょうか?お答えください。
 また、それぞれの退職の理由も併せてお答えください。

⇒今度中に定年退職以外で退職した職員数についてですが、現時点で、正規職員が1名、再任用職員が3名、会計年度任用職員が5名で、退職理由については、個々の事情によるものと認識しております。

(2)交通部のHPによると、令和5年度は、バス運転業務従事職員の採用試験を3回実施したようですが、応募人数と、合格者数は、どれだけだったのでしょうか?お答えください。
 また、合格者のうち、採用した人数は、どれだけだったのでしょうか?お答えください。

⇒令和5年度の採用試験の状況についてですが、全3回の合計で、応募人数が39名、合格者数が18名、採用者数が16名でした。

(3)令和6年度は、職員を何人、どのように採用する計画なのでしょうか?採用試験は、いつ、何回、行う計画なのでしょうか?お答えください。
 また、それぞれの採用試験において、合格者数は、どれだけにする計画なのでしょうか?お答えください。

⇒令和6年度の採用試験についてですが、3回の実施を予定しており、募集時点で必要な人数を採用する予定です。

(4)高槻市職員定数条例には、高槻市自動車運送事業の事務部局の職員の定数は233人だと記載されています。現在、この条例の職員に該当する職員は何人なのでしょうか?定数に対して、職員は何人、不足しているのでしょうか?お答えください。
 また、この定数の233人というのは、どういった計算式で算定したのでしょうか?具体的な計算式をお答えください。

⇒職員定数についてですが、令和5年4月時点の定数上の職員数は197名で、定数の算定根拠については、運転士の業務量や事務職員の数を基に算定しております。

(5)交通部の資料によると、働き方改革関連法の施行により、令和6年(2024年)4月以降、トラックやバス等の自動車運転業務において、拘束時間や休息時間等が厳格化されることによって発生する問題は、「2024年問題」と総称されているということです。
 その厳格化の具体的な内容は、勤務の終わりから次の勤務までの休息時間が、現行の「継続8時間」から、改正後は「継続11時間を基本とし、継続9時間」となり、1か月の拘束時間も、現行の「最大309時間」から、294時間へ短縮されること等だということです。
 このために、最終便の一部繰り上げや始発便の一部繰り下げ等の影響が想定されるとのことですが、令和6年度は、どれだけの繰り上げや繰り下げを行うのでしょうか?お答えください。

⇒市営バスにおける2024年問題への対応についてですが、乗降データに基づき、お客様への影響が最小限となるようダイヤ改正を行っております。詳細につきましては、3月中旬頃から順次、市営バス専用ホームページ、バス停掲示等で周知を図ってまいります。

(6)市バスの乗務員の輪番・勤務ローテーションについては、現行では、遅番B→遅番B→早番A→朝夕C→早番A→早番Aとなっているということです。
 先日も、遅番の退勤から、翌日の早番の出勤まで、8時間7分しかないため、芝生営業所の前で、寒空の下、自家用車で車中泊をした乗務員がいました。非常にかわいそうだと思ったんですが、1週間ごとに公休日を挟んで早番と遅番を入れ替えるシフトにはできないのでしょうか?お答えください。

⇒乗務員の勤務の組み方についてですが、様々な要素を勘案し、運行に支障が出ないよう、適切に運用しております。

(7)乗合収入については、約2億5千万円の増の約33億8千万円を見込んでいるということです。これの内訳をお答えください。高齢者割引乗車券や無料乗車券、福祉割引制度が適用されるものについては、どれだけの増額と収入を見込んでいるのでしょうか?お答えください。
 また、ICカードの乗車券のデータは、どのように扱われているのでしょうか?交通部で即日、確認が可能なのでしょうか?補助金の算定には、どのように用いられているのでしょうか?お答えください。

⇒乗合収入の内訳ですが、普通券で16億5713万3千円、定期券で8億5638万8千円、無料乗車制度による福祉乗車券で8億6763万1千円としており、福祉乗車券の内訳としては、高齢者に係る負担金が約3500万円増の7億4959万円4千円、障がい者に係る負担金が約1450万円増の1億1803万7千円となります。
 また、データが確認できるのは翌日からで、負担金算定には、データから抽出した乗降回数を用いております。

(8)バスの売却代金が計上されていますが、その金額は、どういった方法で、誰が算定しているのでしょうか?お答えください。

⇒売却代金についてですが、車両の年式や状態に応じて金額が大きく変動するため、1台当り10万円として計上しております。

<2回目>

(1)定年退職以外の退職が、令和5年度の1年間で、9名だということです。そのうち1名は、先ほど申し上げたとおり、窃盗で、懲戒免職処分になったので、実質的には8名かもしれません。8名だとしても、私は多いと感じますが、交通部としては、どのように評価されているのでしょうか?お答えください。
 また、今後、職員の流出を防ぐためにも、退職の理由を調べるべきだと思いますが、交通部としては、どのようにお考えでしょうか?調べる必要はないと考えているのでしょうか?お答えください。

⇒職員の退職理由についてですが、1問目でもご答弁いたしましたとおり、個々の事情によるものと認識しており、退職者数については、特段、多いとは考えておりません。

(2)令和5年度の採用試験では、合格者数18名のうち、2名が辞退したということです。この2名は、なぜ辞退したのでしょうか?別の公営バスや民間のバス会社に就職したのでしょうか?お答えください。
 また、今後、優秀な乗務員職員を確保するためにも、辞退の理由を調べるべきだと思いますが、交通部としては、どのようにお考えでしょうか?調べる必要はないと考えているのでしょうか?お答えください。

⇒辞退理由についても、個々の事情によるものですので、答弁は差し控えさせていただきます。

(3)高槻市職員定数条例の高槻市自動車運送事業の事務部局の職員の定数の233人については、どういった計算式で算定したのでしょうか?具体的な数字を入れた計算式をお答えください。
 また、この定数233人の算定には、真如苑大阪医科薬科大学、日赤(高槻赤十字病院)、関西大学、高槻シティハーフマラソン、墓参り、学校などの貸切の分は、どれだけ含まれているのでしょうか?お答えください。
(4)定数233人に対して、職員数は197名ということで、差引き36人、率にして約15%も不足しています。2024年問題へ対応するために、ダイヤ改正をするということですが、職員が確保できなければ、さらなる減便や、最終便の繰り上げ、始発便の繰り下げ等を行う必要が生じるのではないのでしょうか?定数に対して、どれだけ職員が不足すれば、ダイヤ改正の必要が生じるのでしょうか?お答えください。

⇒3点目と4点目の職員数等についてのお尋ねですが、定数の算定根拠については、改正を行った平成27年当時の運転士の業務量等を基に算定しており、会計年度任用職員は、この数に含まれておりません。また、2024年問題については、会計年度任用職員も含めた全ての運転士で対応してまいります。

(5)乗務員の勤務の組み方については、運行に支障が出ないよう、適切に運用しているということです。しかし、寝不足で勤務にあたれば、運行に支障が出る可能性があるのではないでしょうか?
 営業所の前で、バス運転士が、自家用車で車中泊をしている様子を撮影して、交通部にもお送りしましたが、このように車中泊をせざるを得ない状況については、どのようにお考えでしょうか?やはり、1週間ごとに、公休日を挟んで、早番と遅番を入れ替えるシフトにすべきではないのでしょうか?見解をお聞かせください。

⇒乗務員の勤務の組み方についてですが、運転士の勤務はシフト制かつ変則勤務としており、また、労働時間については法律の範囲内で適切に運用していることから、最適な勤務の組み方としております。

(6)2024年問題へ対応するためにダイヤ改正を行うということですが、令和6年度の乗合収入については、そのダイヤ改正の影響を、どれだけだと見込んでいるのでしょうか?乗車券ごとに、具体的な金額をお答えください。

ダイヤ改正の影響についてですが、ODデータ等から、お客様にできるだけ影響の出ないような改正内容としているため、収入には影響がないものと考えています。

<3回目>
 あとは意見を述べます。
 定年退職以外の退職者が、1年間に9名も出ているのに、それを、特段、多いとは考えていないということですが、9名は多いと、私は思います。
 なぜ辞めていくのか、なぜ採用試験に合格しても辞退するのか、その原因を把握して、解消しないと、これからも、退職する職員や内定を辞退する方が出てくるのではないでしょうか?退職者へアンケート調査をするなどして、可能な限り、原因の把握に努めるべきです。
 ただでさえ、市バス乗務員は時間外勤務が非常に多いのに、中途退職で人数が減れば、ますます勤務時間が長くなって、勤務が苦しくなって、さらに辞める職員が出てくるといった、悪循環にもなりかねないと危惧しています。
 退勤から出勤まで8時間ちょっとしかないので、公営バスの運転士が、営業所の前に自家用車を停めて、車中泊をしているというのも、異常な状況です。8時間しかなければ、通勤に往復で2時間かかるとして、どれだけ睡眠時間がとれるでしょうか。これが9時間になっても、特に高齢の職員には、厳しいと思います。
 遠方から通勤している職員でも、十分に睡眠時間が確保できるように、1週間ごとに、公休日を挟んで、早番と遅番を入れ替えるシフトにすべきではないのでしょうか。
 条例で定められている職員の定数の233人については、どういった計算式で算定したのか、重ねておききしても、お答えがありませんでした。どういうことなんでしょうか?この条例には、無意味な数字が書かれているのでしょうか?そんなことはないと思います。
 条例の職員の定数に対して、15%も職員が不足しているのは、大変問題だと思いますし、その定数の根拠に関して、まともに答弁しないのは、議会軽視だとも言えると思います。なぜ答えないのでしょうか?何か不都合なことがあるのでしょうか?
 内定を辞退した方は、同じ公営バスの京都市営バスへ流れたのではないかという声も聞いています。高槻市バスは、少なくとも、京都市バスに劣らない、採用条件や待遇、勤務内容、職場環境にすべきです。
 平成25年3月8日の議会で、私が、阪上安太郎元市長の「市バスを動く市道にする」という名言を掘り起こしてから、「動く市道」という言葉を、皆さんも、使い始められて、一昨日も、濱田市長が答弁の中で用いてくださいましたが、この「動く市道」たる高槻市営バスを今後も維持するためには、運転士の確保が急務だということは、明らかです。運転士の職員が不足しているという現状に、今、しっかりと向き合って、対応を急がないと、バスの運行に支障が出てくるのではないでしょうか?
 翌日の勤務のために、営業所前で車中泊をするような職員が、二度と現れないように、勤務ローテーションの見直しを行って、職員の採用条件や待遇等については、少なくとも京都市バスに劣らないものにしてください。
 要望しておきます。


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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)