高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【スポーツ団体補助金】実績報告書に添付して提出された「領収書の写し等」を返却する不可解

先日の本会議質疑ではこの件も。

市民の方から、スポーツ団体が高槻市から受け取った補助金をどのように使ったのかを報告する「実績報告書」に添付されているはずの「領収書の写し等」が、情報公開請求しても出てこないとの相談が。

補助金の要綱では、「実績報告書に、次に掲げる書類を添付して、市長に提出しなければならない」として、収支決算書、補助事業の成果を記載した書類と共に、「補助対象経費の支出を確認できる書類(領収書の写し等)」と記載されています。
高槻市スポーツ振興事業補助金交付要綱の抜粋

私が情報公開請求しても、収支決算書や成果を記載した書類は公開されるものの、領収書の写しは公開されませんでした。高槻市は、領収書の写しだけは、団体に返却しているというのです。

公文書不存在による非公開決定通知書

添付書類として提出されたもので、しかも、原本ではなく写し=コピーを返却するというのは、不可解です。担当職員の方にも確認しましたが、要綱には、写しの返却についてはどこにも書かれていません。

議会で質問すると、「実績報告書の提出時に添付される領収書の写し等については、複数の担当職員が確認し、決裁後に返却しておりますが、各団体において5年間の保存を義務付けています。」という答弁があったのですが、ということは、原本だけでなく、写しも、5年間保存しなければならないということなのでしょうか?なぜ写しまで保存する必要があるのでしょうか?

領収書の写しを受領し、決裁しているということは、その領収書の写しは公文書ということになるのかと尋ねると、「市において管理している公文書にはあたりません。」との答弁。市が管理していない公文書ということになるのでしょうか?

市役所が写しを保管しておかなければ、万が一不正が発覚したときなどに、検証や返還請求額の算定が難しくなると思うのですが。返す必要のない領収書の写しを返却するのは、公開できないものが含まれているからなのでしょうか?今後は返却せず、高槻市役所でしっかりと保管し、情報公開請求に対しては公開すべきです。

以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第28号 令和4年度高槻市一般会計予算

▲スポーツ団体に対する補助金

<1回目>

(1)スポーツ団体に対する補助金については、令和4年度は、何団体に対して、何円を交付する予定なのでしょうか?お答えください。

⇒スポーツ団体に対する補助金についてですが、令和4年度は34団体に対して、合計2600万円を計上しています。

(2)高槻市スポーツ振興事業補助金実績報告書には、添付書類として「補助対象経費の支出を確認できる書類(領収書の写し等)」という記載もあったので、情報公開請求しましたが、「当該請求に係る書類については、確認後、各団体へ返却しており、市では保有していないため」として、公文書不存在による非公開決定がされました。
 添付書類だとして明記されているのに、なぜ添付をしなくてもよいのでしょうか?お答えください。
 また、令和4年度も、添付を求めないのでしょうか?お答えください。
(3)「補助対象経費の支出を確認できる書類(領収書の写し等)」については、誰が確認を行っているのでしょうか?お答えください。
 また、誰が、いつ、何を、確認したのかが、記録されている文書はあるのでしょうか?お答えください。

⇒2点目3点目についてですが、領収書の写し等については、実績報告書の提出時には添付されており、担当職員が確認し、決裁後に返却しております。

<2回目>

(1)領収書の写しということは、領収書のコピーであって、原本ではありませんし、しかも、補助金実績報告書の添付書類だとされていて、スポーツ団体側も、返却されないことを承知で提出しているわけですが、なぜ、市は、それを返却してきたのでしょうか?具体的な理由をお答えください。
(2)領収書の写し等を返却したのではなく、廃棄や紛失したということはないのでしょうか?お答えください。
(3)令和4年度も、領収書の写し等を返却するのでしょうか?お答えください。
(4)お答えがなかったので、あらためておききします。
 「補助対象経費の支出を確認できる書類(領収書の写し等)」については、誰が確認を行っているのでしょうか?お答えください。
 また、誰が、いつ、何を、確認したのかが、記録されている文書はあるのでしょうか?お答えください。
(5)担当職員が確認し、決裁後に返却しているということですが、何人で確認しているのでしょうか?ダブルチェック等はしているのでしょうか?具体的な理由をお答えください。
(6)たとえば、監査委員などから、市の担当課が、補助金の金額や支出の正当性の根拠となる文書を求められた場合は、どうなるのでしょうか?領収書の写し等がなくても、問題はないのでしょうか?スポーツ団体のほうでも領収書等を廃棄していた場合は、補助金支出の適法性を、どうやって証明するのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

⇒スポーツ団体への補助金についてですが、実績報告書の提出時に添付される領収書の写し等については、複数の担当職員が確認し、決裁後に返却しておりますが、各団体において5年間の保存を義務付けています。


<3回目>

(1)実績報告書の提出時に添付される領収書の写し等については、各団体において5年間の保存を義務付けているということです。5年間の保存を義務付けているのは、領収書の原本ではないのでしょうか?領収書の写し等についても、5年間の保存を義務付けているのは、何故なのでしょうか?お答えください。
(2)実績報告書の提出時に添付される領収書の写し等については、複数の担当職員が確認し、決裁後に返却しているということです。いつ、誰が、その確認をしたのかは、記録されているのでしょうか?記録されているのであれば、何に記録されているのか、具体的にお答えください。
(5)いつから、何年前から、実績報告書の提出時に添付される領収書の写し等を返却するということをしているのでしょうか?お答えください。
(6)原本ではなく、写しで、しかも添付書類としているのに、市に返却する義務があるのでしょうか?返却しなければならないのであれば、その根拠は何なのか、具体的にお答えください。
(9)スポーツ団体が、市から返却された、領収書の写し等を、5年間の保存義務を守らず、廃棄した場合には、どういった罰則が適用されるのでしょうか?具体的にお答えください。
 また、その場合、公用文書毀棄罪等になるのでしょうか?お答えください。
(10)お答えがなかったので、あらためておききしますが、令和4年度も、領収書の写し等を返却するのでしょうか?お答えください。

⇒5年間の保存を義務付けている領収書の写し等は、補助対象経費の支出を確認するためのものであり、当然、原本でも差し支えございません。その保存については、以前から各団体において行うこととしており、今後も変更の予定はございません。

(7)実績報告書の提出時に添付される領収書の写し等については、複数の担当職員が確認し、決裁しているということです。そうすると、その領収書の写し等は、公文書ということになるのではないのでしょうか。公文書に該当するのか、該当しないのか、お答えください。
 また、公文書に該当しないのであれば、何故なのか、理由をお答えください。
(8)スポーツ団体へ領収書の写し等が返却され、5年間の保存を義務付けているということですが、スポーツ団体は、その領収書の写し等という公文書を保存しているということでよろしいでしょうか?お答えください。
 また、そうした形で、公文書である領収書の写し等が保存されているのであれば、情報公開請求を受けた場合は、スポーツ団体から、その領収書の写し等を取り寄せて、公開すべきではないのでしょうか?見解をお聞かせください。

⇒各団体に返却した文書は、市において管理している公文書にはあたりません。

(3)文化スポーツ振興課が所管する他の補助金の実績報告書についても、領収書の写し等を返却しているのでしょうか?お答えください。
 また、返却しているのであれば、何の補助金のものなのかも、具体的にお答えください。
(4)高槻市役所の他の部署が所管する補助金の実績報告書についても、領収書の写し等を返却しているのでしょうか?お答えください。
 また、返却しているのであれば、何の補助金のものなのかも、具体的にお答えください。

補助金によって添付書類の取扱いは異なりますが、それぞれ適正に処理をしております。

 あとは意見を述べます。
 補助金の実績報告書に添付される領収書の写し等を、市が、提出者に返却するなんて、これまで聞いたことがありません。返却する必要はないはずですし、むしろ市が保管・保存しなければならないもののはずです。市が受け取った以上は、収受した以上は、公文書になるはずですので、これを、合理的な理由もないのに、市が保存していないというのは、大きな問題です。
 過去のものについては、写しを提出し直してもらって、市で保存して、令和4年度は、返却しないようにしてください。要望しておきます。

⇒なお、北岡議員から、あたかも不正な処理をしているかのようにおっしゃられましたが、補助金申請の添付書類としての領収書につきましては、申請者に保管していただくことについて、要綱にも明記したうえで、あらかじめ、申請者にもお知らせをして、運用しているものでございます。今後引き続き、本市のスポーツ振興に資するべく、適正に補助金を執行してまいります。