高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【保育事業者の選考】検査済証が発行されている物件のみ応募の要件を満たすとする条件が守られなかった事例が。

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9月議会の一般質問で時間切れになった、保育施設等に関する質問について、12月議会で続きの質問をしました。

北新地のビルで凄惨な放火殺人事件が起きましたが、人命を守るためには、建物の耐火性は非常に重要です。高槻市の小規模保育所についても、上の画像のとおり、2階で保育する場合は、耐火・準耐火、避難経路などが要件になっています。また、それを確認するためか、建築確認を経て、竣工の検査を受けている(検査済証が発行されている)物件のみ応募の要件を満たすとされています。

この書きぶりからすれば、応募の時点で検査済証が確認できない場合は、申請を受け付けられないはずですが、何故か、応募の後で、準耐火施設へ改修するとされたり、建物の工事さえ完了していなかったりしたケースも。特別扱いがあったとしか考えられません。

また、準耐火建築物への改修工事の検査は、建築に関する資格を有していない職員が行ったとのこと。そんなことがあっていいのでしょうか?

子ども達の命を守るために、応募時に建物・物件が応募要件を満たしていなかったものについては、今一度、建築の資格をもった専門家による検査をして、安全を確認してほしいと要望しました。

以下は先日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■一般質問

保育施設等について

<1回目>

(1)ある保育施設の事業者の令和元年度の応募の際の提出書類を見ると、応募が締め切られた後、1か月以上もたって、物件を準耐火建築物にする整備を進めるとの申立書が提出されていました。
 建物の構造については、準耐火建築物であることが条件とされていますが、応募の際に、この条件を満たす必要はなかったんでしょうか、お答えください。
 また、その条件を応募の際に満たす必要がないのであれば、その旨については、どこに記載がされているんでしょうか。応募を検討していた全ての事業者に周知されていたんでしょうか、具体的にお答えください。

⇒令和元年度の小規模保育事業所の募集に当たっては、準耐火建築物である旨の設備運営基準について、応募時点において、その要件を全て満たしていることまで求めておりませんでした。
 なお、応募条件を記載した募集要項には、応募に当たって、関係法令を遵守することを明記しており、応募を検討されている全ての事業者にお渡ししております。

(2)この保育施設が準耐火建築物に改修されたのはいつなんでしょうか、お答えください。
 また、改修後、市として、この保育施設が準耐火建築物であるということを、どのようにして確認したんでしょうか。一級建築士等が確認したんでしょうか。その証明は、書類上、どのようにされたんでしょうか、具体的にお答えください。

⇒当該小規模保育事業所の準耐火建築物への改修時期ですが、令和2年4月の開園に向けて、同年2月から3月の間に改修工事をされております。また、改修工事の確認については、事業者と工事施工業者等の立会いの下、市が検査を行っております。

<2回目>

(1)募集要項には、応募に当たって、関係法令を遵守することと明記していたということです。普通に読めば、応募の時点で関係法令を遵守した状態でなければならないということになるのではないのでしょうか。もし、応募の時点で、建物について、関係法令を遵守していなくてもよいということであれば、建物すら建っていない更地の状態でもよいんでしょうか、見解をお聞かせください。更地では認められないのであれば、その理由もお聞かせください。

⇒募集要項において、建築確認検査済証がある物件を使用することを条件としており、更地での応募はできません。

(2)先ほど申し上げたとおり、応募が締め切られてから1か月以上もたって、物件を準耐火建築物にする整備を進めるとの申立書が提出されていました。仮に、応募時に法令の遵守が必要なくても、こうした申立書は応募時に提出しなければならなかったんじゃないでしょうか、見解をお聞かせください。
 また、建物を保育施設に改修するだけではなく、準耐火建築物にも改修するとなれば、応募時に提出した見積りよりも金額が膨らむと考えられますが、それについては問題がないんでしょうか、見解をお聞かせください。

⇒応募時の提出書類ですが、募集要項には、市が必要と認めたときは、追加・補正資料の提出を求める場合があるとしており、事業者へのヒアリングの際に必要と判断し、提出を求めたものです。
 なお、応募時に提出された見積りについては、概算費用であり、改修を行う物件の状況により変動することは見込んでおります。

(3)改修工事の確認については、市が検査を行ったということですが、どの部署のどういった資格を持った職員が行ったんでしょうか、お答えください。
 また、その検査や立会いは何度行われたんでしょうか、お答えください。

⇒検査についてですが、主に子ども未来部の保育施設の認可担当職員が中間検査と竣工検査の2回行っております。

(4)この施設の入園者の募集はいつから行われたんでしょうか、お答えください。
 また、改修工事が2月から3月に行われて、4月に開園したということです。ギリギリのスケジュールで改修工事が行われたようですが、もし改修が間に合わなかった場合は、市としてはどうしていたんでしょうか、お答えください。

⇒入園者の募集ですが、1次募集から行っております。なお、開園時期は、募集要項上、令和2年4月1日の開設を条件としており、開園が遅れることは想定しておりません。

(5)この準耐火建築物への改修工事についても、補助金の対象なんでしょうか、お答えください。

⇒準耐火建築物への改修費用は補助対象経費となります。

(6)情報公開請求したところ、この施設の平面図が黒塗りになっていました。なぜなんでしょうか、理由をお答えください。

⇒情報公開請求についてですが、平面図等の設計情報に係る内容については、法人の内部管理、運営ノウハウに関する情報として、市の条例に基づき非公開としております。

<3回目>(9月議会で質問は述べたものの、時間切れで答弁がされなかったため、12月議会で再度質問)

(1)先ほど申し上げた保育施設の準耐火建築物にするための改修工事についてですが、事業者から提出された資料には、壁と屋根に関しては既存使用と書かれています。既存の壁と屋根が、事業者から提出された資料と同じものであるかどうかについて、どういった方法で確認したんでしょうか、具体的にお答えください。

⇒「既存使用」とされた壁と屋根の確認についてですが、当該施設の建築確認にかかる書類と、事業者から提出された追加資料とで確認しております。

(2)各事業者の応募申請書を見ると、申請時に必要とされている建物の建築確認検査済証の写し、または建築物台帳等記載事項証明書等がないものが散見されますが、なぜなんでしょうか、理由をお答えください。

⇒建築確認検査済証の写し等についてですが、応募書類として提出いただいておりますが、府営住宅を活用して募集を行った際や、賃貸物件の事情により、他の書類で建築確認検査済証の交付が確認できる場合には、提出を省略した例があります。

(3)ある施設については、建物の工事が完了していないのに申請が受理されていたようです。なぜなんでしょうか、理由をお答えください。

⇒申請の受理についてですが、当該施設については、応募時点で建築確認検査済証の提出が予定されていたことから、受理したものです。
 なお、建築確認検査済証は、ヒアリングの実施までに提出されています。

(4)追加・補正資料の提出を求める場合があるということですが、準耐火建築物であるかどうかは、子どもたちの命に関わります。なぜこうしたものでさえ、後で出してよいとしているんでしょうか、市の見解をお聞かせください。

⇒事業者から提出された応募書類では、対象物件について、準耐火建築物と同等の改修が必要であるものの、その対応が確認できなかったため、追加資料の提出を求めたものです。

(5)準耐火建築物への改修工事の検査については、子ども未来部の保育施設の認可担当職員が行ったということですが、その職員は、一級建築士等の資格を持っているんでしょうか。どういった資格を持っているのか、具体的にお答えください。

⇒検査を行った職員は、認可担当職員で、建築に関する資格は有しておりません。

(6)準耐火建築物への改修費用は、補助対象経費であるということです。応募申請時に、既に準耐火建築物であった場合には、準耐火建築物であることに関して、どういった補助がされるんでしょうか、具体的にお答えください。

補助金についてですが、「高槻市小規模保育事業設置促進費補助金交付要綱」に基づき、小規模保育事業を実施する場合に必要な改修等にかかる費用が対象となります。

 あとは意見です。
 応募の時点で、本当に、関係法令を遵守した状態でなくてもいいとか、建物の建築確認検査済証の写し等がなくてもいいとか、というのであれば、そのこともちゃんと募集要項に明記してください。要望しておきます。
 ご答弁をお聞きすると、本当かなと、非常に疑問を覚えるところがありますが、何よりも子どもたちの安全が確保されるように、責任を持って公平・公正に事業者の選定等を行ってください。

<4回目>

(1)「既存使用」とされた壁と屋根の確認については、当該施設の建築確認にかかる書類等で確認したということです。その壁と屋根に、どういった建材が使用されているのかについては、どのように確認されたのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒「既存使用」とされた壁と屋根にどのような建材が使用されているかの確認についてですが、事業者と工事施工業者等の立ち会いのもと、市が検査を行う際等に確認をしております。

(2)既存の建物を、後から準耐火建築物にしてもよいということは、どこに記載されているのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒既存の建物の改修についてですが、令和元年度の小規模保育事業所の募集において、準耐火建築物である等の設備運営基準について、応募時点でその要件をすべて満たしていることまで、求めておりませんでした。

(3)建築確認検査済証の写し等については、賃貸物件の事情により、他の書類で建築確認検査済証の交付が確認できる場合には、省略した例があるということです。賃貸物件の事情とは、具体的にはどういったことなのでしょうか?お答えください。

⇒賃貸物件の事情についてですが、物件の所有者が、建築確認検査済証を締切までに用意できない場合など、でございます。

(4)応募の時点で全ての書類をそろえる必要があると募集要項に明記されているにもかかわらず、当該施設については、応募時点で建築確認検査済証の提出が予定されていたから、申請を受理したということです。なぜ、そのような例外を認めたのでしょうか?理由を具体的にお答えください。

⇒申請の受理についてですが、令和元年度の募集要項には、「原則、建築確認検査済証がある物件を使用すること。」と明記しており、例外を認めたものではございません。

(5)先ほど申し上げたとおり、準耐火建築物であるかどうかは、子ども達の命に関わります。それを証明する書類を、なぜ応募の後で出してもよいのかとお尋ねしたところ、応募時に出された書類では、対象物件が準耐火建築物と同等の改修がされるのかどうか確認できなかったからだというお答えでした。そういった対応は、募集要項に反していますし、市が、特定の事業者を特別扱いしているとしか考えられません。なぜ、このような特別扱いをしたのでしょうか?具体的な理由をお答えください。

⇒応募時の提出書類ですが、募集要項には「市が、必要と認めたときは、追加・補正資料の提出を求める場合がある」としており、事業者へのヒアリングの際に必要と判断し提出を求めたもので、特定の事業者を特別扱いしたものではございません。

(6)情報公開されたものを見ると、補助金の上限は1650万円のようです。この金額は、事前に応募事業者や、同業の関係者の方などに知らされていたのでしょうか?知らされていたのであれば、誰が、誰に対して、どのように知らせたのか、お答えください。

補助金額についてですが、事業者が応募をする際に、応募書類に記載する必要がありますので、事業者は補助金額を承知されておられます。

<5回目>

 あとは意見を述べます。
 「令和3年度高槻市小規模保育所事業者募集事業にかかるQ&A」には、「検査済証がない物件は建築士などの確認書類でよいか」という質問に対して「建築確認を経て、竣工の検査を受けている(検査済証が発行されている)物件のみ応募の要件を満たします。・・・2階で保育する場合は耐火・準耐火、避難経路などが要件になります。避難階段は後から設置することも可能です。」との市の回答が記載されています。
 このQ&Aからすると、避難階段以外は、後からどうこうできないわけです。
 これには、検査済証が発行されている物件のみ応募の要件を満たすと、明確に書かれているわけですから、賃貸物件の事情がどうであれ、応募の時点で検査済証が確認できない場合は、申請を受け付けられないはずです。
 建築士などの確認書類でもダメだとしているわけですから、建築に関する資格を有していない職員が、準耐火建築物への改修工事の検査を行うなど、あってはならないことではないのでしょうか。
 「建築確認を経て、竣工の検査を受けている(検査済証が発行されている)物件のみ応募の要件を満た」すという書きぶりからしても、建物に関しては、追加や補正が認められるとは考えられません。
そもそも、保育所をするというのに、応募の時点で、建物の安全性も確保できていない事業者を、認めるべきでしょうか。子ども達の命を考えれば、行政として、認めてはいけないはずです。
 建築に関する資格を有していない職員が検査をしたということですし、応募時に、建物・物件が、応募要件を満たしていなかったものについては、今一度、建築の資格をもった専門家による検査をして、安全を確認してください。要望します。