高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

高槻市バスにおける「日勤教育」と非常勤職員に対する差別的待遇について質問しました



高槻市バス労組だより~市バスにも日勤教育?~」と題する文書が、先日、各議員に配布されましたが、それによると、市バスを運転中に人身事故を起こした非常勤職員に対して、JRの「日勤教育」に似たような見せしめ的処遇が行われ、管理者名で解雇予告通知書が手渡されたとありました。上の動画は、そのビラに添付されていたCDに入っていたものを短くまとめたものです。

本日は、高槻市議会本会議の一般質問で「高槻市バスにおける日勤教育と非常勤職員に対する差別的待遇について」と題して質問をしました。

以下は、私の質問と市バスの管理者の答弁を一問一答形式でまとめたものです。規則や要綱に書いてあるとか、不誠実な答弁をしている様子が分かると思います。


(Q1)この運転士はどのような事故を起こしたのでしょうか?その事故の過失責任の割合はどうだったのでしょうか?また、免停などの行政処分は行われたのでしょうか?
(A1)
はじめに、事故の状況等についてでありますが、平成22年3月10日及び同年同月の16日と、同一乗務員が2件立て続けに人身事故を起こしたものです。
市バス責任者としましては、負傷された皆様方は勿論のこと、同乗されていた皆様をはじめ、市民の皆様に多大のご迷惑・ご心配をおかけしましたことについて、心から深くお詫びを申し上げる次第でございます。
なお、ご質問にありましたように、当該事故に関連して、多数の市バス職員が加入している組合とは別の団体によって「高槻市バス労組だより」というビラが配布されたようであります。
この内容たるや、人身事故を起こした当該職員について、自らの責任や反省の言葉が一切なく、あたかも自分が被害者であるかのような内容となっております。
当該事故により、今なお通院加療中の方々のことを思うとき、大変遺憾に存じるとともに、旅客運送の安全確保に向け、さらに精進してまいりたいと考えているところであります。
さて、
1件目の10日の事故でありますが、大阪医科大学正門付近での事故で、みずき通りを横断しようとされていた、白い杖を持たれた40歳代の視覚障害者の男性と接触し、転倒負傷をさせた事故であります。
2件目の16日の事故でありますが、国道171号線、野田バス停付近で国道を横断する自転車との接触を避けるため、急停車した際に、車内の60歳代の女性乗客が、手すりに顔面を強打負傷された事故であります。
両事故の被害者の方々は、現在も通院加療中でございまして過失割合は決まっておりません。
また、この事故に関する公安委員会からの行政処分につきましては、現在のところ当該職員からの報告はありません。

(Q2)非常勤職員が免停になれば失職するような規則が存在するのでしょうか?正規職員にはそのような規則があるのでしょうか?
(A2)
失職規定についてでありますが、非常勤職員については「高槻市自動車運送事業非常勤職員就業要綱」に定めており、正規職員に対しては「高槻市自動車運送事業職員懲戒規程」で定めております。


(Q3)この非常勤職員は約3ヵ月間、車庫の草むしりやバス車両の清掃をさせられたとしていますが、事実なのでしょうか?実際にはどのような業務をどれだけさせたのでしょうか?なぜそのようなことをさせたのでしょうか?
(A3)
下車勤務についてでありますが、当該職員は1週間の間に2件の人身事故を起こしました。当交通部においては乗客の安全輸送が最大の使命であることから、当分の間、下車勤務を命じたものであり、事故から約3ヶ月の間でございました。

(Q4)この職員は、山本管理者名での解雇予告通知書を手渡されたとしています、事実でしょうか?その通知書の内容はどのようなものなのでしょうか?
(A4)
解雇予告通知についてでありますが、平成22年4月19日付けで本人に手交いたしたもので「高槻市自動車運送事業非常勤職員就業要綱」の定めと、公安委員会からの行政処分が決定されたなら、直ちに報告をする旨の通知であります。


(Q5)「高槻市バス労組だより」では、正規職員は、点数制身分保障協定があり、免停でもクビにならないとされていますが、事実なのでしょうか?非常勤職員は1日でも免停になれば解雇されるのに、正規職員はそうではないのは何故なのでしょうか?「点数制身分保障協定」とは何なのでしょうか?
(A5)
点数制身分保障についてでありますが、高槻市自動車運送事業管理者と、高槻市交通労働組合委員長との間で、行政処分者の取り扱いに関し、締結された労使協定であります。


(Q6)過去に非常勤職員が免停になったことはないのでしょうか?その時はどのような対応されたのでしょうか?この件と同じように、雑務を科したうえに解雇したのでしょうか?
(A6)
過去に非常勤職員が免許停止になったことについてのお尋ねですが、記録の残っている限りでは、ございません。

(Q7)運転士の正規職員と非常勤職員との業務内容には、どのような違いがあるのでしょうか?
(A7)
正規職員と非常勤職員との業務内容についてでありますが、正規職員につきましては、「高槻市自動車運送事業職員就業規則」及び「高槻市自動車運送事業乗務員服務規程」に、非常勤職員については、「高槻市自動車運送事業非常勤職員就業要綱」にそれぞれ定めているところであります。


(Q8)当該職員は、当該事故において負傷された方に対して、謝罪などをしたのでしょうか?当該職員が、いつ、どのような行動をしたのか、お答えください。
(Q9)交通部は、当該職員に対し、当該事故に関して、どのように対応すべきと命じたのでしょうか?
(A8・9)
事故対応についてですが、当該事故に限らず、まず事故発生時に一報を営業所へ無線連絡することなどをマニュアルに定めており、事故対応についてはマニュアルに従って対応するよう指示しているところであります。


(Q10)交通部は、当該事故で負傷された市民の方に、どのような対応をしているのでしょうか?十分な謝罪や賠償をされたのでしょうか?
(Q11)交通部は、当該事故に関し、市バスと負傷者の皆さんとの責任の割合は、それぞれどれだけだと考えているのでしょうか?どちらの責任のほうが大きいと考えているのでしょうか?
(A10・11)
被害者の方々は現在も通院加療中で、対応は職員と保険会社の事故担当にて対応させていただいております。また、過失割合については決まっておりません。

(Q12)議員にも配布された「高槻市バス労組だより」については、当該職員本人ではなく、「連合大阪 高槻市バス労働組合」が、労働組合活動の一環として発行しているようです。管理者は、この機関紙に、負傷した皆様に対する責任や反省の言葉がないことを非難しましたが、それはなぜなのでしょうか?そのような批判は、労働組合活動に対する不当な干渉ではないのでしょうか?
(A12)
組合への不当干渉ではないかとのことですが、感想を述べたことが、そのようなことに該当するとすれば、心外というほかありません。

(Q13)人身事故を起こした職員に対して、下車勤務を約3ヶ月の間命じたとのことですが、そうした決定については、何らかの基準が存在するのでしょうか?それとも管理者か誰かが裁量で決めたのでしょうか?
(Q14)管理者は、当該職員に対して、公安委員会からの行政処分が下るものと推測し、それを前提として、解雇予告通知を手交したようですが、行政処分が下ると判断した基準は何なのでしょうか?
(Q15)交通部は、当該職員に対して、当該事故発生時からいつまでに、行政処分が下ると考えていたのでしょうか?
(Q16)実際には行政処分が下らなかったようですが、推測に基づいて、3か月も下車勤務を命じたことに、何らの問題はないのでしょうか?
(A13~16)
当該事故翌日に、当該職員が高槻警察署の事情徴収を受け、3月10日の事故が白い杖を持たれた方への人身事故のため、免許停止の行政処分が下るであろうと事故担当警察官から聞いたと、当該職員から当方に報告があったこと、また、乗客の安全輸送が最大の使命でありますので、一週間の間に人身事故を二件も起こし、精神的に動揺をきたしている乗務員を一定期間、下車勤務としたものであります。
公安委員会の行政処分については、その動向を注視していたところでありますが、一問目でもお答えしたように、当該事故に関する公安委員会の処分については当該職員からの報告はありません。
当該職員についても、事故当時に比べ精神的な安定が認められることから、乗車勤務に復帰させたものです。

(Q17)失職規定については、正規職員と非常勤職員との間で、どのような違いがあるのでしょうか?分かりやすくお教え下さい。
(A17)
一問目で答弁いたした(A5の)とおりです。

(Q18)点数制身分保障は、非常勤職員には、適用されないのでしょうか?
(A18)
点数制身分保障に付いてですが、非常勤職員を対象としたものではありません。


(Q19)過去に非常勤職員が免許停止になったことについては、記録が残っていないということですが、その記録というのは、どこにどういう形でされているのでしょうか?また、何年間、その記録というのは残されているのでしょうか?
(Q20)免停等行政処分を受けた場合は当局に報告せよというような通知を、過去に職員に対して行ったことはあるでしょうか?
(A19・20)
過去に通知を手交したことがありませんので、お答えのしようもありません。

(Q21)運転士の正規職員と非常勤職員との業務内容は、勤務時間の違い以外は、まったく一緒だと理解してよろしいのでしょうか?何か違いはあるのでしょうか?
(A21)
一問目で答弁いたした(A7の)とおりです。

3回目の質問で、私は以下のように述べました。

まともに答弁をしない部分については、高槻市バス労組だよりに記載のとおり、あるいは私の質問内容のとおりだと、理解いたします。

とすると、当該職員は、負傷された方に謝罪をした。また、事故を起こした職員に3ヶ月も下車勤務と称する雑務をさせる基準はまったく存在しない。というふうに理解できます。

誰だって、安全運転をしても、避けられない事故に遭う可能性があります。負傷された方はつらい思いをされていると思います。お見舞いを申し上げます。けれども、当該職員に行政処分がなかったということは、そういう避けられない事故だったということなのではないのでしょうか?山本管理者は、高槻市バス労組だよりについて、「あたかも被害者であるかの内容だ」と批判していますが、避けられない事故のために、解雇予告を突きつけられた、不安の中で、3ヶ月も雑務をさせられたというのは、被害者と言っても過言ではないのではないでしょうか。



最後に以下を述べようとしたのですが、時間切れで述べることができませんでした。

バス乗務員職員・運転士については、非常勤職員は、正規職員と何ら変わらない業務を行っている。ところが、免許停止の行政処分を受けた場合には、正規職員は点数制身分保障協定というものもあって、クビにはならないのに、非常勤職員は、高槻市自動車運送事業非常勤就業規則第25条第2号が適用されて、委嘱期間中であっても失職する。なぜ、正規職員と非常勤職員との間に、こんな差があるのでしょうか?これは差別といってもよいと思います。この第25条第2号などの差別的な規定は廃止すべきです。この点を要望します。