高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

織田信成さんやFM802への支出は適正か?広告代理店という「ブラックボックス」

FM802や織田信成さんへの支出

プロフィギュアスケーター織田信成さんが高槻市の「どっちもたかつき定住促進PR部長」就任。ラジオFM802で「どっちもたかつき CRACK A SMILE」という番組がスタート。高槻市をPRするために、いろいろと取り組んでいただくのは大いに結構なんですが、支払額が高いのではないかという指摘が業界の方からされていると耳にしました。

高槻市に訊いてみると、最初は、金額等を教えてくれると言っていたのですが、しばらく音沙汰がなく、やっと資料をもってきたと思ったら、契約書本文と業務仕様書、業者選定の流れが簡潔に書かれたものだけ。金額の内訳どころか、企画の内容もさっぱり分かりません。

織田信成さんやFM802に関する企画や支払いは、プロポーザル方式(金額の安さではなく、企画・提案の内容も加味して業者を選択するやり方)で4社の中から選ばれた東急エージェンシーとの契約に含まれているとのこと。けれども、「事業者の正当な利益を害する恐れがある」という理由で、一昨日の議会の一般質問で尋ねても、内訳は教えてくれませんでした。

しかし、ある市民の方には、その金額を教えていたとのこと。いったいどういうことなのか?「事業者の正当な利益を害する恐れがある」なら、何故、無関係な方に教えたのか?担当職員に落ち度があったのか?それとも、単に私に対してだけ教えないことで、嫌がらせをしているのでしょうか?

税金・公金の使い方という点から見ると、広告代理店と契約すれば、議会で問われても、金額の内訳どころか、金額の妥当性さえまともに答える必要がないということになると、本当に適正な支出がされているのか、確認のしようがないということになります。広告代理店等の委託先がブラックボックスになってしまうこういうやり方は、非常に問題です。なぜラジオ局への支払額さえ答えられないのでしょうか?

ある業界の方は、FM802にこれだけの金額を払うのであれば、3か月ではなく、1年でもできるはずだということもおっしゃっていました。もしも、契約金額が高すぎるのなら、ぼったくられているのなら、税金の無駄ということになります。

高槻市役所は契約内容を精査したというのですが、それを行ったのは市職員のみ。市職員がどれだけ集まっても、こういうことに関しては素人のはず。芸能界・放送業界の相場から見て、織田信成さんやラジオ局への支払額が妥当かどうか判断できる方は、市職員の中にいるんでしょうか?こういう時こそ、専門的な知識や経験をもった業界の方に、委員会に入ってもらって、契約や企画に関して、助言をしてもらうべきだったはずです。一昨日の議会では、今後は専門家の方の意見・助言を受けるよう要望しました。

以下、一昨日のやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

織田信成さんの「どっちもたかつき定住促進PR部長」就任やFM802の「どっちもたかつきCRACK A SMILE」等について

<1回目>
(1)織田信成さんが高槻市の「どっちもたかつき定住促進PR部長」に就任されたということですが、どういう経緯で就任されたのでしょうか?織田さんにはPR部長として具体的にはどういうことをしていただけるのでしょうか?契約期間や契約金額はどれだけなんでしょうか?それぞれお答えください。
(2)ラジオのFM802で「どっちもたかつきCRACK A SMILE」という30分のコーナーを、平成27年9月3日から11月26日の約3か月間、毎週木曜日の午前11時15分から45分までの30分間放送するということです。プロポーザル方式で東急エージェンシーと約3300万円で契約をして、その企画の中に、このFM802のコーナーもあったということなんですが、東急エージェンシーとはどのような契約をしているのでしょうか?3300万円という金額が妥当かどうか、市で検討をしたかと思いますが、3300万円の根拠はどのいったものなんでしょうか?FM802にはどれだけが支払われるのでしょうか?この3300万円の中には織田信成さんへの支払いも含まれていると聞きましたが、織田さんへはどれだけ払われるのでしょうか?FM802や織田さん以外には、何のために、どれだけの支払いがされるのでしょうか?詳細をお教えください。
(3)プロポーザル方式で事業者を選んだということですけれども、東急エージェンシーを含め4社の応募があったと伺っています。市が選ばなかった3つの事業者の方々は、どういった提案をされたのでしょうか?具体的にお答えください。
(4)今回、ラジオという媒体を選ばれたわけですけれども、何故なのでしょうか?テレビという選択肢はなかったんでしょうか?午前11時15分から45分という時間帯にしたのは何故なんでしょうか?その時間帯のラジオの聴取率はどれだけなんでしょうか?それぞれお答えください。

<答弁>
 まず、織田信成さんについてですが、平成28年3月31日までの間、キャンペーンの広告塔として活動していただいております。次に、契約の内容といたしましては、織田信成さんと写真家MOTOKOさんの起用、交通広告への掲出、FM802での提供番組放送などで、合計約3300万円となるものでございます。
 なお、織田さんへの支払額及び選定されなかった事業者の企画提案内容につきましては、正当な利益を害する恐れがありますので、お答えを控えさせていただきます。
 4点目のラジオについてですが、ラジオのもつ双方向性に注目し、比較的聴取率が高い昼前の時間帯としたものでございます。以上でございます。

<2回目>
(1)約3300万円の中には、織田信成さんやFM802へ支払う分も含まれているけれども、正当な利益を害する恐れがあるので答えることができないということです。
ある市民の方が、高槻市役所から、織田さんへはウン百万円、FM802へはウン千ウン百万円、支払うのだと、聞いた、というのですが・・・具体的な金額についてはここではあえて申しませんが、市の担当者には事前に伝えております・・・この金額と、市役所が市民の方にこの金額を教えたということは事実なんでしょうか?また、事実であれば、なぜそんな金額を教えるようなことをしたのでしょうか?それぞれについてお答えください。
(2)その金額が、一部の方々に広まっていて、業界の方々は、口々に金額が高いとおっしゃっているということです。金額の妥当性については、どのように検証されたのでしょうか?他市の事例との比較などはされたのでしょうか?具体的にお答えください。
(3)契約金額の内訳については、理由があれば、秘密にしてもいいのかもしれませんが、一方で、公金の支出については、透明性の確保が大原則のはずです。今回の契約に関しては、これらの点について、市はどのようにお考えなのでしょうか?市の見解をお聞かせください。
(4)織田信成さんには、平成28年3月31日まで、キャンペーンの広告塔として活動していただくということですが、具体的にはどういったことをしていただくのでしょうか?お答えください。
(5)総務省の情報通信政策研究所が今年5月に発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、テレビの視聴率は、時間によって大きなばらつきがあるんですが、ラジオの聴取率は24時間を通じて数%でほとんど変わらない。朝の7時から9時くらいがピークで9時を過ぎると緩やかに減少しているようです。
 泉佐野市では、FM COCOLOですけれども、ヒロ寺平さんの番組で、毎週水曜日と木曜日の午前9時半から9時40分まで「ラブ泉佐野プロジェクト」というタイトルで、観光情報などを紹介していました。
 午前11時15分から45分というのは、泉佐野市の時間と比べると、聴取率の低い時間帯ではなかいと思われますが、誰がラジオを聞いているのかという、聴取の質も大事ですので、こちらの時間帯のほうがよりPR効果が高いということであれば納得もできます。広告代理店の企画の中でも、どういうリスナーが聞いているのかということが示されたのではないかと思いますが、こうした点については市としてどのように考えておられたのでしょうか?お答えください。

<答弁>
 契約の内訳につきましては、事業者の正当な利益を害する恐れがありますので、この場での答弁を差し控えさせていただきます。
 4点目につきまして、広告ポスターのモデル、FM802の提供番組への出演等でございます。
 5点目につきまして、本事業のターゲットの聴取率が高い時間帯としております。

<3回目>
 契約の内訳については、事業者の正当な利益を害する恐れがあるので、答えられないということです。それなら、何故、市民の方には教えてしまったのでしょうか?
 秘密を守らなければならない義務があるのなら、市の職員の方が金額を漏らしたことは問題ですし、広告代理店やFM802、織田信成さん側との信頼関係を損なったということになるのではないでしょうか。
 一方で、税金・公金の使い方という点から見ると、広告代理店と契約すれば、議会で問われても、金額の内訳どころか、金額の妥当性さえまともに答える必要がないということになると、本当に適正な支出がされているのか、確認のしようがないということになります。広告代理店等の委託先がブラックボックスになってしまうこういうやり方は、非常に問題です。なぜラジオ局への支払額さえ答えられないのでしょうか?
 ある業界の方は、FM802にこれだけの金額を払うのであれば、3か月ではなく、1年でもできるはずだということもおっしゃっていました。契約金額が高すぎるのなら、ぼったくられているのなら、税金の無駄ということになります。
 市は精査したというんですけれども、聞くところによると、関係部局の部長級・課長級の職員が委員会で精査した、つまり市職員のみで精査したということです。市職員がどれだけ集まっても、こういうことに関しては素人のはずです。芸能界の相場から見て、織田信成さんへの支払額が妥当かどうか、判断できる方は、市職員の中にいるんでしょうか?こういう時こそ、専門的な知識や経験をもった業界の方に、委員会に入ってもらって、契約や企画に関して、助言をしてもらうべきだったはずです。今後は専門家の方の意見・助言を受けるよう要望しておきます。