9月議会の一般質問では、非常勤職員の採用試験についても質問しました。
以前、高槻市が試験問題の過去問を全部、随時廃棄し、私の情報公開請求に基づいて公開した試験問題もすべて黒塗りにしていたこと、そして、私が情報公開審査会に異議申立を行ったこところ、公開すべきとの答申がされたことについて書きました。この答申には、私の主張と高槻市の反論も載っているのですが、読んでいただければ、いかに高槻市が常識外れの屁理屈を並べ立てたかがよく分かると思います。
高槻市はこの答申に従い、試験問題を公開。その中身を見ると疑問に思えるものがいくつか出てきました。随時廃棄の件も含め、先日の「全国市民オンブズマン 兵庫大会」で報告させていただいたのですが、会場からは失笑が漏れていました。
9月議会では、公民館の館長や管理指導員、歴史館専門員の民族担当の試験問題と、答申された内容について尋ねました。全部書くと長くなるので、今回は公民館の館長や管理指導員の問題について。
試験問題を見ると・・・
4.高槻市のマスコットキャラクター「はにたん」について述べています。以下の(ア)~(エ)に正しい語句を入れてください。
(1)出身は、高槻市の(ア)古墳
(2)誕生日は、(イ)月(ウ)日生まれ
(3)平成24年10月1日、たかつき(エ)に任命された。
・・・こんな問題が。
「はにたん」は架空のキャラクターですので、その誕生日等も架空。こんなものを試験問題に出す神経が分かりません。「はにたん」の誕生日等が答えられなかったために不合格になった方が、もしいたら、そんな不条理なことはないと思います。
他の問題もかなり難しくて、普通の勉強をしただけでは解けないような問題が多いように感じました。
そこで、こうした問題の出題意図等を尋ねました。以下がそのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
■非常勤職員の試験問題等について
<1回目>
(1)平成25年度に実施された公民館の館長や管理指導員の採用試験の問題の中に、高槻市の公式マスコットキャラクター「はにたん」の誕生日は何月何日なのかを問うものがありました。はにたんは高槻市のどこの古墳の出身なのかや、はにたんが任命された役職を問う問題もありました。これらの問題はどういう意図で出題されたのでしょうか?
(2)同じく公民館の館長や管理指導員の試験問題の中には、高碕達之助が深く関与した樹齢450年と推定される桜は何と呼ばれているか、とか、高槻市の難読地名を問うものもありましたが、どういう意図で出題されたのでしょうか?
⇒高槻市の公民館で勤務する非常勤職員を採用することから、公民館職員として必要な一般教養や市政全般及び専門等の知識を問うたものでございます。
(3)公民館の館長や管理指導員の採用試験の出題範囲がどういったものなのか、受験者に対して、事前に説明等があるのでしょうか?
⇒採用試験を実施する際の募集要項において、受験者に周知しております。
(4)こうやって試験で採用された公民館長や管理指導員は何人おられるのでしょうか?また、そのうち、元市職員の方は何人おられるのでしょうか?公民館長と管理指導員、それぞれについてお答えください。
⇒非常勤職員全員が試験を受け、採用されたものでございます。また、元市職員で試験を受けて採用された者はおりません。
<2回目>
(1)「はにたん」の誕生日等は公民館職員として必要な知識だというご答弁ですが、「はにたん」の誕生日は本当に公民館職員として必要な知識なのでしょうか?
(2)「はにたん」の誕生日といった「はにたん」に関するトリビアも、採用試験の出題範囲に含まれているというような説明が、事前に、受験者全員に対してされたのでしょうか?
⇒先にお答えしたとおり、高槻市の公民館職員として必要な知識を問うたものでございまして、事前に周知している出題範囲に含まれるものと考えております。
(3)ちょっと前の話ですが、平成19年4月現在の非常勤職員の状況を調べたことがありました。その時、公民館の非常勤職員は計27名で、うち3名が5年を超えて勤務していました。現在、管理指導員の方は何名おられるのでしょうか?そのうち、5年を超えて勤務されている方は何名なのでしょうか?その他の非常勤の方は、どういった職種の方が何名いて、5年を超えて勤務されている方は何名なのでしょうか?5年を超えて勤務されている方は、複数回採用試験を受けて、その都度合格しているということなんでしょうか?それぞれお答えください。
⇒3点目に関しまして、現在、公民館の非常勤職員は、公民館管理指導員が31名、公民館長6名が在職しております。この中で、通算5年を超えて在職する公民館管理指導員は、11名でございます。
非常勤の公民館長は、平成25年度からの制度発足でございますが、管理指導員からの通算5年を超える者は4名となります。
なお、公民館の非常勤職員は全員、5年ごとに採用試験を行ない、合格したものを採用しております。
<3回目>
「はにたん」の誕生日等は公民館職員として必要な知識だということです。常識的に考えておかしいですよね。もちろん、はにたんは架空のキャラクターですので、そういった誕生日等も架空です。はにたんの誕生日が答えられなかったために不合格になった方が、もしいたら、そんな不条理なことはないと思います。他の問題もかなり難しくて、普通の勉強をしただけでは解けないような問題が多いように感じました。
「はにたんのたかつき営業日記」という冊子があります。
皆さんも一度くらいは目にされたことがあるかもしれません。乾副市長が部長だったときに、こちら部長室という市のサイトのコーナーに寄稿されていたんですが、その中に「はにたんのたかつき営業日記 公開中!」という記事がありました。
そこには、この冊子は「公民館などで閲覧できます。」と書かれています。
これの平成24年度版の1ページ目には、はにたんが8月20日に今城塚古墳で生まれたとされています。
25年度版の1ページ目には、はにたんが高槻PR係長として大活躍したと書かれています。
もちろん、これらは架空のお話です。この冊子が、公民館には、常時置いてあった。こういうものを試験問題に出して、公平なんでしょうか?
平成24年の12月議会では、非常勤の館長を新たに設置する条例改正案が上程されて、市は「・・・公民館館長の非常勤化については・・・公民館をより活性化し、地域の発展につながるためにも、多様な人材を求める必要があると考えている。選定方法は、公募による選考を考えて」いる、というふうに答弁しています。
多様な人材が求められていないとおかしいんですが、非常勤の館長6名のうち、管理指導員から館長になられて、通算5年を超えて勤務している方が4名だということです。他にも通算5年を超えて在職する管理指導員が11名いる。私が平成19年に調査したときは3名でした。この結果も、試験問題の内容も、多様な人材を求めたものとは、私には思えません。