高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市バス】高槻市役所に「半沢直樹」はいないのか?

テレビドラマ「半沢直樹」のラストシーンでは、違法行為をした大和田常務が軽い処分で済まされ、正義を貫いた半沢直樹が出向・島流しの憂き目にあいます。このラストシーンに納得のいかなかった人は多いと思います。それが腐った組織の、当たり前の光景なのかもしれませんが、こうした不当な人事は、果たして、職員にどういう影響を与えるのか。多くの職員のモチベーションは、決して正しい方には向かないでしょう。

・・・という原稿を用意していたのですが、昨日の一般質問では時間切れで言うことができませんでした。

交通部の答弁から分かったことは、バス運転士については、正規職員も、非常勤職員も、能力や業務内容に差がないこと。なのに、交通部は、公金の無駄遣いとしか考えられないようなことをしています。

他にも数点の問題を指摘しました。以下がその質問と答弁の内容です(原稿とメモを基にしているので、実際の発言とは異なる箇所があるかもしれないことをご了承ください)。

しかし、高槻市役所に、「半沢直樹」みたいな職員はいないんでしょうか?それとも、島流しにされ、潰されてしまったのでしょうか・・・

<北岡の1回目の質問>

最後に交通部について7点伺います。

(1)今年7月11日付の「自治労大阪」に次の記事がありました。
高槻市バスの非常勤運転手として働く職員らが結集する高槻市交通非常勤職員労働組合の結成大会が2日、高槻市内で行われ、非常勤職員による労働組合が新たに産声を上げた。都市交が持つ職場影響力と自治労が持つ非常勤職員組織化のノウハウが結びつき実現した成果のひとつ。・・・府本部執行委員会は3日・・・新規加盟を承認。・・・

・・・ということで、自治労系の非常勤職員の労働組合が7月に結成されたのですが、同じ7月に、非常勤の運転士だけを対象に、正規職員に登用するための試験が行われて、結果、その出来立ての労働組合の執行委員長や書記長ら3名の役員を含む計4人が合格したとのことです。その試験の内容ですが、小論文と面接だけで、しかも小論文といっても、試験会場で制限時間内に書いて提出するのではなく、家で書いてきて、それを提出するというものだったそうです。
 何故このような非常勤職員だけを対象とした試験を行ったのでしょうか?
 また、何故このような小論文と面接だけの試験内容にしたのでしょうか?
(2)今月9月28日には、正規職員の市バス運転士を採用する試験を実施するとのことです。なぜ非常勤職員の採用試験を行わず、平均年収の高い正規職員を採用しようとするのでしょうか?
(3)高槻市バス「幽霊運転手」事件については、大阪地裁が「代走」と有給職免について違法と認定し、元管理者や職員に対して賠償や給与の返還を命じました。被告の高槻市自動車運送事業管理者は、この判決を不服として控訴しましたが、控訴後、元管理者らは「自主返納」と称して、地裁判決通りの金額・合計約1450万円を交通部に納付しました。このお金は賠償や返還なのでしょうか?あるいは寄付なのでしょうか?これはいったいどういう意味のものとして交通部は受取ったのでしょうか?
(4)「自主返納」と言いながら、職員の皆さんは、同一の時期に、一斉にお金を支払われています。お支払いになられた皆さんの間では、この件について、どのような話し合いや合意がされたのでしょうか?誰かが「自主返納」することを指示したのでしょうか?
(5)「自主返納」された金銭については、労働組合が「犠牲者救援金」といった名目で賄ったと聞いておりますが、事実でしょうか?
(6) 自動車運送事業管理者が、違法性を争って訴訟を継続するなら、「自主返納」を受け付けるべきではないと思いますし、逆に「自主返納」を受取るのであれば、控訴を維持する意味がないと思いますが、なぜ管理者は控訴を維持するのでしょうか?また、この控訴にかかった費用がどれだけなのかでしょうか。
(7)夏休みの小学生無料キャンペーンについては、どれだけの利用があり、どれだけ収入減になったのでしょうか?また、今後もこういった無料制度を続けるのでしょうか?
 それぞれお答えください。


<平野交通部長・答弁要旨>

 1点目の なぜ非常勤職員だけを対象とした試験を行ったのか、というお尋ねですが、市営バス改革実施計画に基づき、非常勤職員のモチベーションアップのための取組みとして実施したものでございます。
 また、試験内容についてでございますが、運転技術についてはすでに把握していることから論文と面接にいたしました。
 2点目の職員採用についてのお尋ねですが、正規職員の欠員補充として採用するものでございます。
 3点目から6点目までについては、現在、裁判所において係争中のためお答えできません。
 なお、控訴にかかった費用についてですが、控訴手数料として3万600円を、弁護士着手金として43万3650円を支出しております。
 7点目の夏休みの小学生無料キャンペーンについてのお尋ねですが、
 夏休み期間中の7月27日(土)~8月24日(土)延べ29日間実施した当キャンペーンの利用者は、付き添いの方8752人につき、同伴の小学生15333人にご利用いただきました。
 なお、このキャンペーンによりまして、特に目立った減収はなかったと考えております。
 また、今後についてですが、利用者からのアンケート結果などからも好評で、継続の要望やもっと早く教えてほしかったなどの意見もあったことから今後検討してまいります。


<北岡の2回目の質問>

(1)非常勤職員から正規職員への試験に合格した方の一人、元労働組合の役員の方ですが、この方は、合格直後の7月26日に、スピード違反で切符を切られています。8月1日から正規職員になる直前だったのに、このようなプロ運転手としての自覚に欠けた行為をしていたわけです。無論、交通部のほうでも、8月1日より以前に、そのことを知っていたはずですが、何故か、その方は正規職員になりました。これは何故なのでしょうか?
(2)スピード違反で切符を切られるような職員であったのに、何故、試験では見抜けなかったのでしょうか?
(3)試験は非常勤職員のモチベーションを上げるためだということですが、このような合格基準もよく分からない試験を行い、スピード違反をした職員をそのまま正規職員にしてしまうようなことをして、他の非常勤職員のモチベーションが上がるのでしょうか?
(4)バスの運転については、正規職員も、非常勤職員も、何ら業務の内容に変わりはないはずですし、運転技術については、正規職員への試験に含まれていないということですから、両者とも業務に必要な水準を満たしているということになります。では、正規職員と非常勤職員とでは、何が違うのでしょうか?
(5)非常勤職員は、市営バスの経営健全化に資するため、すなわち人件費の抑制のために採用されてきたはずです。それを正規職員にし、非常勤職員の補充をせず、正規職員をさらに増やすというのは、これまでの方針に逆行するし、財政にも悪影響を及ぼすのではないかと思います。今回の非常勤の正規職員化と正規職員の採用で、どれだけ人件費が増えることになるのでしょうか?
(6)有給職免訴訟の際には、平野部長も「自主返納」をされました。そのときのお金は賠償や返還だったのでしょうか?あるいは寄付だったのでしょうか?平野部長はどういう意味のものとしてお金を納められたのでしょうか?また、その時には奥本前市長と連名で自主返納されましたが、奥本前市長とはどのようなお話をされたのでしょうか?労働組合からの「犠牲者救援金」を受取られたのでしょうか?
(7)小学生の乗車は、無料キャンペーンによって、増加したのでしょうか?昨年、一昨年と比較して、どれだけ増加したのでしょうか?
 それぞれお答えください。


<平野交通部長・答弁要旨>

 1点目から3点目までの非常勤職員の正規職員への登用についてのお尋ねですが、高槻市交通部職員募集要項に基づき公正に試験をおこなったもので、議員ご指摘のような内容では、合格取り消し事由に当たりません。
 また、内部から登用を行うこと自体が非常勤職員のモチベーションアップに資するものと考えております。
 4点目の非常勤職員と正規職員の違いについてのお尋ねですが、任用の根拠や労働条件等において違いがございます。
 5点目の正規職員採用についてのお尋ねですが、1問目でお答えしましたように欠員補充を行うものでございます。なお、この数には非常勤職員の正職化を含んでおります。
 6点目及び7点目の自主返納についてのお尋ねですが、あくまでも個人が行ったことについて、お答えできません。奥本前市長は犠牲者救援金を受け取っていません。奥本前市長の名誉のために強調しておきます。
 8点目目の小学生の無料キャンペーンについてのお尋ねですが、本キャンペーンの目的は、小学生を含めた家族でバスをご利用いただくことで、市営バスへの親近感をさらに深めていただき、将来の需要を喚起しようとするもので、短期的な効果を狙ったものではございません。


<北岡の意見>

 最後に交通部についてです。
 答弁によりますと、非常勤職員と正規職員の違いは、任用の根拠や労働条件ということでした。それだけしか答弁が無いということは、両者には、能力や業務内容に、違いが無いということです。
 違いがないのに、家で書いてきてもいい小論文と、面接という、管理者の裁量でどうにでもなるような試験を行い、その結果、4人の合格者のうち3人が自治労系の労働組合の役員で、おまけに、合格直後にその役員が道交法違反をしたのに、何の咎めもなく、正規職員に採用されてしまう。こんなので、非常勤職員のモチベーションがアップするんですか?「結局、当局と仲がええほうの組合の役員が優遇されるんやな」と、そういう意識しか湧かないんじゃないでしょうか。不公平感・不平等感は湧きあがっても、その労働組合の役員になれるような人以外、モチベーションはアップしないと思われます。
 非常勤職員と正規職員との間に、能力や業務内容の違いがないなら、市バスをまともに経営しようとすれば、非常勤職員を採用するはずです。以前指摘しましたが、非常勤職員でさえも、民間バス会社の正規職員よりも、平均年収が高いかもしれないわけですから、民間の1.5倍の給与の正規職員を増やすなんていうのは、公金の無駄遣いをしますよと宣言しているようなもんです。
 経営を考えれば、私は、今後は正規職員を増やさず、非常勤職員だけを採用し続け、いずれは全職員が非常勤職員になるようにするべきだと思います。そうすれば、経費の7割を占める人件費が、単純計算で3分の2くらいになります。その分、市民の皆さんに、運賃の値下げなどで還元できるはずです。
 「自主返納」についてですが、答弁している平野部長自身がしたことなのに、あくまで個人が行ったことだから答えられないというのはおかしいのではないですか?
 以前も3件の住民訴訟で返還や賠償を大阪地裁に命じられた職員の皆さんが、全額を自主返納されて、高槻市長は「名ばかり勝訴」を勝ち取られた。今回の幽霊運転手事件の控訴審でも同じように、元管理者をはじめ、たくさんの職員の皆さんが同じく地裁で命じられた額を全て自主返納され、「名ばかり勝訴」目前といった状況です。4件の住民訴訟で、こういうことされているわけですから、「自主返納」というけれども、皆さんが組織的にされているとしか考えられません。
 しかも、労働組合からの犠牲者救援金で、自主返納分のお金が賄われたということになると、正確に言えば「自主返納」ではなく、「労働組合による肩代わり」ですよね。そうすると、実質的には、職員の皆さんは、仕事を怠けて違法に受け取った給与分などを、実は返還・賠償していないということになります・・・

★★★以下は時間がなく言えませんでした★★★

高槻市の公務員の方というのは、こういう違法行為をしても、守られるということなんでしょうか。到底納得がいきません。
 テレビドラマ「半沢直樹」のラストシーンでは、違法行為をした大和田常務が軽い処分で済まされ、正義を貫いた半沢直樹が出向・島流しの憂き目にあいます。このラストシーンに納得のいかなかった人は多いと思います。それが腐った組織の、当たり前の光景なのかもしれませんが、こうした不当な人事は、果たして、職員にどういう影響を与えるのか。多くの職員のモチベーションは、決して正しい方には向かないでしょう。
 高槻市でも、有給職免訴訟で裁判所に違法な決裁をしたと認定された平野前人事課長が交通部長になり、幽霊運転手事件で、テレビカメラの前で「やってません。言い切ります」と公文書の改ざんを否定しながら、数日後には自分が指示したことを認めた山本元管理者が、今や副市長になっている。昨日は、政治的中立が求められている教育委員に、選挙で濱田市長を応援した人がなってしまった。高槻市役所を監査する立場の代表監査委員も、総務省がダメだといっているのに、市職員のOBが就任している。交通部の人事はおかしいのではないかと以前指摘しましたが、今回取り上げた非常勤職員の試験ことなども、誰が聞いても変だと感じるのではないかと思います。高槻市役所の人事は、私にとっては驚きばかりで、まさに「じぇじぇじぇ」という感じです。
 人事は、信賞必罰で臨まなければ、職員のやる気は、変な方向へ行ってしまうんじゃないでしょうか。それは決して高槻市民のためにはならないと思います。
 最後に、無料キャンペーンについてですが、小学生の乗車はどれだけ増加したのかと尋ねても、まともな答えはありませんでした。乗客数の増減を把握できていないのだから、キャンペーンの費用対効果は測れないはずです。こんな杜撰なやり方でいいのでしょうか?その点を指摘して質問を終わります。