高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

非公開かつ随時破棄・・・高槻市の非常勤職員の採用試験の問題

非公開かつ随時破棄されている高槻市の採用試験の問題

多くの地方自治体(大阪府東京23区等)では採用試験の問題を公開しています。

ところが高槻市の非常勤職員の採用試験の問題を情報公開請求したところ、上の画像のとおり全部非公開とされました。さらには、この試験問題が、随時破棄されていることも分かりました。次の年度の試験問題を作成するまでの間しか保存していないというのです。職員の採用に関する公文書は永年保存となっているのに。

この理由を先日の6月議会の一般質問で尋ねたところ、非公開については「公平かつ適正な能力の実証ができなくなる恐れがあるため」、随時破棄については「試験問題の漏洩等のリスクが発生する可能性があるため」との答弁でした。

自治体だけでなく、大学入試をはじめとする学校の入学試験や、国家資格の試験の問題は公開されています。それらを公開したために、不公平な結果になったというのは聞いたことがありません。三重県の情報公開審査会は、公開することで受験者相互の間に不公平が生じるとはいえず、むしろ、試験問題を公開することによって、選考過程の透明性を確保することが期待できるとしています。

逆に非公開とすれば、過去に受験したことがある人が有利・・・非常勤職員の委嘱期間は1年間。原則として5年までしか延長できません。もし5年を超えて勤務しようとする場合には、あらためて採用試験を受け、合格しなければならないわけです。

5年を超えて勤務している非常勤職員がどれだけいるのか。議会で質問しましたが、高槻市役所は答えませんでした。非常勤の採用は課毎で行っているため、全体の状況を把握していないというのです。

タクシー会社との契約については、各課での契約状況について答弁できているのに、なぜ非常勤職員については各課の状況について把握していないという答弁になるのか。非常勤といえども、市役所の仲間なのに。非常勤の勤続年数など、すぐに調べられたはずです。

まともな答弁をせず、公文書も破棄。まるで証拠を隠滅しているようにも思えます。交通部でも、最近不可解な採用試験がありました。高槻市役所では、本当に「公平かつ適正な能力の実証」がされているのでしょうか?

以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモを基にしているので不正確な部分があることをお許しください。


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■2 非常勤職員の採用試験の問題を非公開かつ随時破棄している件等について

<質問1>

(1)非常勤職員の採用試験の問題は、誰がどのように作成しているのでしょうか?また、最終的には誰が決裁をしているのでしょうか?お答えください。
(2)ある非常勤職員の採用に関する公文書を情報公開請求したところ、試験問題がすべて黒塗りにされていました。多くの自治体で試験問題を公開しているようですが、なぜ高槻市では公開しないのでしょうか?お答えください。
(3)教育委員会の非常勤職員の採用試験の問題を情報公開請求したところ、随時破棄しているということだったんですが、それは何故なのでしょうか?理由をお答えください。また、採用試験の問題の随時破棄は、すべての部署で行われているのでしょうか?お答えください。
(4)高槻市文書取扱規程29条には文書の保存年限の種別が定められていますが、試験問題の保存年限は何年なのでしょうか?
(5)試験問題を随時破棄しているということは、過去の問題と照らし合わせることができず、同じような問題が出てしまうことになりかねないと思いますが、そうした可能性はないのでしょうか?過去の問題と同じような問題が出ないように、何か対策はされているのでしょうか?お答えください。
(6)非常勤職員の方で、5年以上勤務されている方は何人おられるのでしょうか?5年以上10年未満、10年以上15年未満、15年以上20年未満、20年以上の別にお答えください。

【答弁】

(1)非常勤職員の採用試験問題については、外部発注の場合と市内部で作成する場合があります。作成にあたっては、最小限度の人数で内容確認を行い、試験問題を作成しています。
(2)採用試験問題を公開することにより、公平かつ適正な能力の実証ができなくなる恐れがあるため非公開としています。
(3)、(4)採用試験問題の保存については、試験問題の漏洩等のリスクが発生する可能性があるため、同種の試験が次年度行われるまでの期間を目安として、できる限り早期に廃棄しています。
 また、試験問題の取り扱いについては、全庁的に人事課での取り扱いを倣っていると認識しています。
(5)過去の試験問題と同じような傾向の問題を出題したとしても、試験の実施において支障があるとは認識していません。
(6)非常勤職員については各原課で採用を行い、雇用しているため、勤続年数については把握していません。

<質問2>

(1)非常勤職員の採用試験問題については、外部発注の場合と市内部で作成する場合があるとのことですが、外部発注しているのは、どの部署なのでしょうか?市内部で作成しているのは、どの部署なのでしょうか?その理由も併せて具体的にお答えください。
(2)試験問題の最終決裁権者については答弁がありませんでしたが、各課で採用しているということなので、課長が決裁していると考えてよいのでしょうか?それとも、別の方が決裁しているのでしょうか?別の方が決裁しているのであれば、それは誰なのでしょうか?明確にお答えください。
(3)採用試験問題を公開することにより、公平かつ適正な能力の実証ができなくなる恐れがあるため非公開としているとのことですが、大学入試をはじめとする学校の入学試験や、国家資格の試験の問題は公開されています。多くの自治体でも試験問題を公開しています。それらを公開したために、不公平な結果になったというのは聞いたことがありません。なぜ高槻市では、試験問題を公開すると、公平かつ適正な能力の実証ができなくなる恐れがあるのでしょうか?具体的に理由をお答えください。
(4)試験問題について、高槻市文書取扱規程上の保存年限は何年なのかと質問しましたが、ご答弁がありませんでした。つまり、高槻市役所では、保存年限を守らずに、あるいは故意に保存年限を定めずに、試験問題という公文書を破棄しているということではないのでしょうか?職員の採用に関する公文書全般の保存期間については「永年」とされているようですし、高槻市役所のホームページを検索すると「職員採用試験」というフォルダーの保存年限も「永年」となっています。改めておききしますが、試験問題の高槻市文書取扱規程上の保存年限は何年なのでしょうか?お答えください。
(5)過去の試験問題と同じような傾向の問題を出題したとしても、支障がないということですが、過去に試験を受けたことがある人は有利になって、公平性に支障をきたすはずです。高槻市の試験問題は一般には公開されていないわけですから、はじめて試験を受ける人は、受験した経験のある人と比べて、明らかに不利です。それとも、これまで、過去に試験を受けた人が、再び試験を受けたということはないのでしょうか?そういう人が、いるのか、いないのか、お答えください。また、そういった人が、再び非常勤職員として採用されたことがあるのかどうかについても、併せてお答えください。
(6)非常勤職員の勤続年数については把握していないということですが、先日私が情報公開請求して公開された人事・給与システムの仕様書の中には、職員の基本情報として、「採用歴」や「退職歴」、「身分歴」、「前歴」といった項目がありました。人事課のシステム中には、非常勤職員についてのこれらの項目はないのでしょうか?お答えください。

【答弁】

(1)非常勤職員の採用試験については、過去に人事課において外部発注した問題を使用したことがありましたが、昨年度は内部で作成した問題を使用しました。
 各原課の状況については把握していません。
(2)試験問題については、問題漏洩等の観点から専任の担当職員により作成され、その内容確認を行っています。
(3)公開することにより、結果として受験者の本質的な能力が判明しない場合があるためです。
(4)採用試験問題の保存年限については、文書の性質上、文書取扱規程第29条第2項第3号の規定により、1問目でお答えしたとおり同種の試験が次年度行われるまでの期間を目安として、できる限り早急に廃棄しています。
(5)「過去の受験者と初めての受験者の有利不利や公平性に支障をきたす」というような認識はありません。
 また、過去に受験したかどうか、また、その者が採用されたかどうかについては把握してません。
(6)非常勤職員についてのこれらの項目については、人事・給与システム内でも管理していません。

<質問3>

 タクシー会社との契約については、各課での契約状況について答弁できているのに、なぜ非常勤職員については各課の状況について把握していないという答弁になるのでしょうか?皆さんのお仲間の職員のことなんだから、勤続年数や採用歴や試験問題の作成について、ちゃんと把握しているはずです。ちゃんと答弁できないのはおかしい。もし、各課の採用試験の問題作成の状況を把握していないというのなら、なぜ、公平かつ適正な試験がされているといえるのでしょうか?
 文書の扱いもおかしいですよね。そもそも公開すべきなのに、なぜ公開しないのか。答弁を聞いても、非公開の理由がまったく理解できません。「過去の試験問題と同じような傾向の問題を出題したとしても、試験の実施において支障があるとは認識していません。」というご答弁ですが、どう考えても、過去に試験を受けたことがある人のほうが有利ですよね。滅茶苦茶な答弁です。公正な採用がされているとは考えられません。
 非常勤職員といえども公務員であるわけですから、それこそ、オープンに、オープンにやらなければならないはずです。
 さらに4点伺います。
(1)試験問題は、同種の試験が次年度行われるまでの期間、保存するが、すぐに廃棄していということです。それは何故なんでしょうか?前の試験問題と、同じような試験問題を作成するためなのでしょうか?それとも別の理由があるのでしょうか?理由をお答えください。
(2)試験問題の保存期間の根拠は、文書取扱規程29条2項3号だということですが、その規定は、市長が定める文書の保存期間は、市長が定める期間だというものです。ということは、試験問題の随時破棄は、濱田市長の指示によるものなのでしょうか?濱田市長、お答えください。
(3)非常勤職員の情報は、人事・給与システム内では管理していないということですが、では、どこで、どのように管理しているのでしょうか?具体的にお答えください。
(4)非常勤職員の方で、5年以上勤務されている方は何人おられるのかという質問に、総務部長からはお答えいただけませんでしたが、教育委員会や健康福祉部には何人かいると聞いています。事実でしょうか?事実であれば何人いるのでしょうか?教育管理部長と健康福祉部長に答弁を求めます。お答えください。

【答弁】

(教育管理部長)
 教育委員会での非常勤職員の人数のご質問ですが、あいにく今、手元に資料を持ち合わせておりませんので、お答えすることができません。

(総務部長)
 先ほどのご質問の中で、タクシーの件についてはまとめて答弁してくれたけど、何故かということですけれども、タクシーの質問の中には具体的な事業名を示していただいたことから、答弁の取りまとめができたものでございまして、一方この件につきましては、非常勤職員の採用試験は多くの課にまたがっております。この短期間の中で、人事課が実施している以外のものと調整するのは時間的に無理だったことから、答弁が出来なかった。
 また、所管しております、人事課で実施しております採用試験の内容などからお答えできると判断したことから、今回の答弁に至ったわけで、特に取りまとめしていなかったわけではなく、答弁を拒否したわけでもないので、よろしくお願いします。
 続きまして、同種のものを廃棄しない公開のものについてですけれども、まず、私たちにつきましては、特別な対策が立てられないような状況において、受験生が本来持っている知識を問いたいと考えております。
 また、公開した問題を基に受験生が対策を立てたことによって得た知識では、受験生本来の能力は問えないということで、傾向と対策をとった職員を採用したいわけではなくて、そのときの知識をもって、受験生本来の能力を問いたいということで、やっております。
 また、次年度の試験まで問題を置いている理由につきましては、担当が替わる場合がありますので、それに備えて最低限置いているものでありまして、先ほど言いました規定に基づいて廃棄処分をしているものでございます。
 人事給与システムにつきましては、給与支払いのために必要なことについての口座内容ですとか、給与についてはありますけれども、給与システムにおいて非常勤について給与支払いのために必要な情報だけを入力しもっておりますので、先ほどおっしゃっておられた何年間というのは把握しておりませんので、よろしくお願いします。
 非常勤職員の任用年数の把握につきましては、任用しております原課で把握しております。