高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

「高槻市太陽光発電施設の適正な設置のための手続等に閏する条例」の制定について質問

先日の本会議では、議案の1つ「高槻市太陽光発電施設の適正な設置のための手続等に閏する条例」の制定についても質問しました。

資料によると・・・

 太陽光発電施設は大規模な施設が無秩序に設置されると、自然環境や生活環境、景観などに大きな影響を与えるほか、土砂災害や住民トラブルの原因となる場合がある。
 そのため、太陽光発電施設の適正な設置を誘導し、自然環境。生活環境・景観の保全及び災害の未然防止を図るため、本条例を制定する。


・・・とのこと。

高槻市太陽光発電施設の適正な設置のための手続等に閏する条例制定について

以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第20号 高槻市太陽光発電施設の適正な設置のための手続等に関する条例制定について

<1回目>

(1)資料には、「市長は、太陽光発電事業の実施に際して自然環境の保全等を回るために特に配慮が必要な区域を保全区域として指定することができることとする。」と書かれていますが、どういった区域を「保全区域」とする予定なのでしょうか?お答えください。

保全区域についてですが、第1種低層住居専用地域、砂防指定地、風致地区などを位置づける予定です。

(2)事業区域に保全区域を含むなど一定の要件を満たす事業を実施しようとする者である「特定事業者」は、事業区域の近隣関係者に対して、事業計画の内容等について説明会を開催するとともに、一部の近隣関係者との間で協定を締結しなければならないとしたいということですが、この「近隣関係者」の範囲は、どこまでなのでしょうか?お答えください。
また、「一部の近隣関係者」との間で協定を締結する義務があるということですが、この「一部の近隣関係者」の範囲は、どこまでなのでしょうか?なぜ、「一部」としているのでしょうか?お答えください。

⇒近隣関係者の範囲についてですが、事業区域から100メートル以内の居住者や自治会、森林組合などを予定しています。
 また、協定を締結する一部の近隣関係者としては、地域を代表する自治会及び地区コミュニティ組織とすることを予定しています。

(3)事業者が、市の指導・助言、勧告に従わない場合には、氏名等を公表するということです。他の自治体では、科料等の規定を設けているところもありますが、何故、高槻市では、氏名等の公表に留めるのでしょうか?お答えください。

⇒公表についてですが、氏名等の公表により法令を遵守しない事業者であることが対外的に明らかになることは、企業活動からは望ましいことではないため、より実効性があるものと考えています。

<2回目>

(1)風致地区等を保全区域に位置付けるとのことですが、この条例案では、事業者は、保全区域であっても、事業計画について、市長と協議し、説明会を開催し、近隣関係者と協定を締結すれば、事業を実施できるようです。一方で、箕面市大津市では、禁止区域を設定して、禁止区域では、事業を禁じています。高槻市では、なぜ、禁止区域を設けないのでしょうか?風致地区でも、高槻市では、事業が実施できるのでしょうか?お答えください。

⇒禁止区域についてですが、各種法令により施設設置が可能な区域において、太陽光発電施設のみ設置を禁止することは適切ではないため、禁止区域は設定していません。

(2)箕面市大津市では、市長は立入調査もできるとされています。高槻市でも、立入調査ができるのでしょうか?お答えください。

⇒立入調査についてですが、条例第18条において、立入調査ができる旨を規定しています。

(3)他市では、届出制ではなく、許可制をとっているところもあります。なぜ、高槻市では、届出制にしようとするのでしょうか?お答えください。

⇒届出制とした理由についてですが、太陽光発電施設は、気候変動対策の一環として設置が推進されていることから、行為を禁止して個別に解除する許可制には馴染まないため、届出制としたものです。

(4)太陽光パネルに、カドミウム、鉛、セレンなどの有害物質が含まれていることから、破損や廃棄が問題視されていますが、そういった場合の処理等についても、事業計画や協定に含めさせるのでしょうか?お答えください。
 また、事業者が倒産するなどして、破損した太陽光パネルが放置された場合はどうなるのでしょうか?市が処理をするということになるのでしょうか?お答えください。

⇒廃棄時の処理についてですが、いわゆるFIT法では破損時等の保険加入や廃棄費用の積み立てが規定されており、適切に処理されるものと考えています。
 また、破損した太陽光パネルについては、所有者が適切に処理すべきものと考えております。

(5)事業者が、仮に、この条例に反し、あるいは、この条例に基づいて勧告や公表をされた場合には、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(いわゆるFIT法)においては、どのような扱いになるのでしょうか?国が事業の認定を取り消すことになるのでしょうか?お答えください。

⇒条例に違反した場合については、FIT法に基づく固定価格買取制度の認定基準を満たさないため、認定が取り消されるものと考えています。

<3回目>

 あとは意見を述べます。
 太陽光発電施設に関して、最近、報道もされて、話題になったものの一つが、阿蘇山周辺に約20万枚ものソーラーパネルが設置されていたことです。阿蘇山については、熊本県が、世界文化遺産への登録を目指しているのですが、この大量のソーラーパネルが、美しかった景観を損なったので、世界文化遺産の登録が難しくなるのではと危惧されています。
 奈良市では、古墳を取り囲むように、大量のソーラーパネルが設置されて、こんな景観は、古墳にそぐわないなどと、物議を醸しています。
 高槻市も、山間部に、皆さんもよくご存知のとおり、摂津峡や、芥川城跡、阿武山古墳、神峯山寺などの名所旧跡があります。事業者の事業計画が、景観を損なうものになっていないか、十分にチェックしてください。
 また、先ほど申し上げたとおり、太陽光パネルには、カドミウムや鉛などの有害物質が含まれています。万が一、太陽光パネルが破損した場合でも、飲み水や農産物に影響が出ることがないようにしてください。
 破損や廃棄に関して、住民の方などから通報があれば、直ちに、立ち入り調査をして、迅速に対処してください。
 事業計画や協定書に、きれいごと・虚偽が書かれる可能性もなくはないと思います。その事業者が、ちゃんとした事業者なのか、他所で問題を起こしていないかなど、事前にしっかりと調査をしてください。
 要望しておきます。


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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)