高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【道路の鳥居】政教分離の原則からすれば、度を超えた美装化はすべきではない

市道・高槻駅前線の鳥居

今日は6月議会本会議の3日目。議案質疑がありました。

夕方、テレビをつけると、道路に立つ鳥居について報じられていました(熊本市藤崎八旛宮)。


JR高槻駅から北へ、上宮天満宮までの道路上にも鳥居等があるのですが、この道路(市道高槻駅前線)を無電柱化・美装化するための予算も補正予算案に計上されており、それについても今日は質問しました。

日本国憲法第89条では「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便宜若しくは維持のため・・・これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と定められており、国土交通省も、鳥居の道路占用については「原則として、新たに鳥居を設けることは認めるべきでなく、既存の鳥居についても極力撤去もしくは道路区域外への移設を指導すべき」としています。

とはいえ、道路より先に、古くから存在する鳥居等を、歴史的な経緯や地域住民の思いを無視して、杓子定規に撤去するのもいかがなものかと思います。

私は最後に以下の意見を述べました。

 ご答弁をおききしても、「北駅前広場のポテンシャル」についてはよく分からないし、「交通結節機能の向上」については大げさだと思います。そうした表現を、議案の説明や、議会での答弁で、使うべきではないということを、まず指摘しておきますが、JR高槻駅の北側がリニューアルされていく中で、取り残されている感じのする市道高槻駅前線を、美装化するということについては、私は基本的には賛成です。
 ただ、高槻駅前線の中ほどには、先ほど申し上げた鳥居などがあります。伏見稲荷嚴島神社など、鳥居が、観光資源・映えスポットになっている例もありますが、宗教施設ですので、政教分離の原則からすると、行政が、積極的に、見栄えを良くするために、道路を、一般的なもの以上に美装化したり、逆に、配慮に欠けた美装化で、現状の、宗教的な雰囲気を壊したりするのは、良いことではないと思います。
 「風格と魅力ある質の高い」整備をすると資料に書かれていますが、やり過ぎれば、違憲の可能性もあるのではないでしょうか?
 鳥居の内側は、神道的には、つまり宗教的には、神聖な場所とされています。ですので、この鳥居から北側については、先ほど申し上げた点に留意して、道路の整備をしていただくよう、要望しておきます。
 この鳥居を、観光資源として活かしてほしいというお声があるとしても、民間の皆さんに知恵とお金を出していただくよりほかはないと思います。



以下は今日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第59号 令和5年度高槻市一般会計補正予算(第4号)

1.高槻駅前線無電柱化事業4370万円

<1回目>

 資料によると、リニューアルされた北駅前広場のポテンシャルを最大限に活用すべく、JR高槻駅から上宮天満宮までの高槻駅前線の無電柱化と美装化に取り組み、風格と魅力ある質の高い駅前空間の整備を行うということです。まず3点伺います。

(1)「北駅前広場のポテンシャル」とは、具体的には何なのでしょうか?お答えください。
(2)無電柱化と美装化に取り組むということですが、美装化については、北駅前広場の色彩等に合せるのでしょうか?それとも、上宮天満宮の歴史的な雰囲気に合わせるのでしょうか?どういった美装化をするつもりなのか、具体的にお答えください。
(3)「風格と魅力ある質の高い駅前空間」の整備を行うということです。
富田地区については、「富田まちなみ環境整備事業」ということで、建築物を歴史的なまちなみに調和させる工事等に対して助成をしていますが、そういったことも行うのでしょうか?「風格と魅力ある質の高い駅前空間」を、どのように実現するのでしょうか?お答えください。

⇒1点目から3点目についてですが、今般の、JR高槻駅北駅前広場の整備によって、歩行者空間を拡充し、新たに上り下りのエスカレーターを設置したことで、より一層のバリアフリー化や、バスロータリーの拡幅を含めた駅へのアクセスなど、交通結節機能が向上しております。
このような中、駅前広場のポテンシャルを最大限活用すべく、高槻駅前線の無電柱化と美装化に取り組み、風格と魅力ある、質の高い駅前空間を創出するものです。
 また、美装化にあたっては、無電柱化と組み合わせ、今年度実施する設計業務のなかで検討します。
 なお、助成等については、予定しておりません。

<2回目>

(1)今回の予算の4370万円は、詳細設計の委託料のものだということですが、無電柱化と美装化については、それぞれ、何円かかる見込みなのでしょうか?お答えください。

⇒工事費については、設計を進めるなかで検討してまいります。

(2)西国街道線との交差点には、上宮天満宮の鳥居や燈篭、狛犬があります。こうした宗教施設に、道路の占用を許可することは、好ましくないとされていますが、これらについては、市はどのように考えているのでしょうか?問題は無いのでしょうか?撤去を求めないのでしょうか?お答えください。

⇒鳥居等についてですが、申請に基づき許可を行っています。

(3)「バスロータリーの拡幅を含めた駅へのアクセスなど、交通結節機能が向上」しているということです。バスロータリーの拡幅については、関西将棋会館の誘致のために、旧JR高槻西滞留所の土地を日本将棋連盟に売却することになって、旧JR高槻西滞留所にバスが滞留できなくなったので、バス2台分の駐車スペースを設けただけだと記憶しているのですが、バスロータリーの拡幅で、具体的に、どれだけ、どういった交通結節機能が向上したのでしょうか?お答えください。

⇒バスロータリーについてですが、バスロータリーの拡幅により、バス滞留スペースを確保すると共に、バスの正着性を高めました。

(4)高槻駅前線には、電柱以上に、白色の街路灯がたくさん設置されています。この街路灯はどうなるのでしょうか?お答えください。街路樹をどうされるのかについても、お答えください。
(5)美装化にあたっては、周囲の建物等との調和も重要だと思いますが、この点については、どのようにお考えなのでしょうか?お答えください。
 また、周辺の方々のご意見は聞かれるのでしょうか?お答えください。

⇒4点目、5点目については、設計を進めるなかで検討してまいります。

<3回目>

 意見だけ述べます。
 ご答弁をおききしても、「北駅前広場のポテンシャル」についてはよく分からないし、「交通結節機能の向上」については大げさだと思います。そうした表現を、議案の説明や、議会での答弁で、使うべきではないということを、まず指摘しておきますが、JR高槻駅の北側がリニューアルされていく中で、取り残されている感じのする市道高槻駅前線を、美装化するということについては、私は基本的には賛成です。
 ただ、高槻駅前線の中ほどには、先ほど申し上げた鳥居などがあります。伏見稲荷嚴島神社など、鳥居が、観光資源・映えスポットになっている例もありますが、宗教施設ですので、政教分離の原則からすると、行政が、積極的に、見栄えを良くするために、道路を、一般的なもの以上に美装化したり、逆に、配慮に欠けた美装化で、現状の、宗教的な雰囲気を壊したりするのは、良いことではないと思います。
 「風格と魅力ある質の高い」整備をすると資料に書かれていますが、やり過ぎれば、違憲の可能性もあるのではないでしょうか?
 鳥居の内側は、神道的には、つまり宗教的には、神聖な場所とされています。ですので、この鳥居から北側については、先ほど申し上げた点に留意して、道路の整備をしていただくよう、要望しておきます。この鳥居を、観光資源として活かしてほしいというお声があるとしても、民間の皆さんに知恵とお金を出していただくよりほかはないと思います。



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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)

高槻まちかど遺産
電柱より多い白い街路灯
JR高槻駅北駅前広場