高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

令和元年度の「わたり」の給与かさ上げ分は約5658万円。いよいよ「わたり」解消?

今日は総務消防委員会が。私もいくつか質問をしました。

高槻市職員の給料表を国家公務員のものを基準に改定するというので、いよいよ「わたり」を廃止するのかと思いきや、確認の質問をしても、明確に答えてくれませんでした。4年間の経過措置期間を設けて、現行給与との差額を支給するというので、少なくとも令和6年度までは「わたり」が存続することになります。

令和元年度の状況を尋ねると、「わたり」に該当する職員数は126人で、平均年齢は50.9歳、給与のかさ上げ分の総額は、約5658万円との答弁。この分、税金が無駄になったといえます。

全国の多くの自治体が「わたり」を改めてゆく中、1788団体中たった8団体(0.4%)が「わたり」を継続(令和元年4月1日時点)。不名誉なことに、その8団体のうちの1つが高槻市なのです。

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国は、少なくとも昭和40年代から、つまり、少なくとも50年くらい前から、この「わたり」を是正するよう、地方自治体に通知をしています。「わたり」の状態の職員の平均年齢は、50.9歳だということですが、その職員の皆さんが生まれた頃くらいには廃止しておかなければならなかったわけです。4年間もの経過措置の期間を、異例な形で設けるというのですが、長年、国が通知を繰り返してきた経緯等からすれば、経過措置などとらずに、直ちに改めるべきです。

以下は今日の総務消防委員会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをご了承ください。

■議案第 115 号一般職の職員の給与に関する条例及び高槻市職員の退職手当に関する条例中一部改正について

<1回目>

(1)資料には、「行政職給料表については、国家公務員における行政職俸給表(一)を基準として職務及び職責に応じた給料表に改定する。」と書かれています。
 総務省が令和元年12月24日付で公表した「平成31年 地方公務員給与実態調査結果等の概要」では、平成31年4月1日時点において、高槻市は、いわゆる「わたり」の制度がある団体だとされています。
 この条例案によって、給料表を改定すれば、総務省が定義する「わたり」の状態は、解消されるのでしょうか?お答えください。
(2)令和元年度において、いわゆる「わたり」と定義されている状態の職員は、何人なのでしょうか。その職員らの平均年齢は何歳なんでしょうか。
また、それらの職員に対して、国の行政職俸給表(一)の各級の最高到達月額を超えて支給された給与の総額は何円だったのでしょうか。それぞれお答えください。
(3)行政職給料表の改定に伴い、令和7年3月31日までの間、現行の給料額との差額を支給する経過措置を設けるということですが、現在、いわゆる「わたり」と定義されている状態の職員に対しても、差額を支給するということなのでしょうか?支給するのであれば、令和3年度は、総額で何円支給する見込みなのでしょうか?お答えください。
 また、「わたり」の状態以外の職員で、現行よりも給与が減額となる職員は何名いると見込まれるのでしょうか?その原因は何なのでしょうか?お答えください。

⇒1点目から3点目についてですが、今回の改正では、行政職給料表を、国家公務員における行政職俸給表(一)を基準として、給料表に改定するものでございます。
 また、令和元年度において、本市の行政職給料表の適用を受ける職員のうち、その給料月額が対応する国の行政職俸給表(一)の各級の最高到達月額を超える職員数は126人で、平均年齢は50.9歳、年間の支給総額は約5,658万円でございます。

(4)給与に関して、4年間もの経過措置の期間を設けるのは、これまでの事例からすると、長いような気がしますが、なぜ4年間としたのでしょうか?理由をお答えください。

⇒制度改正による職員への影響を勘案し、経過措置を4年としたものでございます。

(5)「任期付職員については、行政職給料表を適用することとし、任期付職員給料表を廃止する。」ということですが、その理由は何なのでしょうか?
 また、これによって、任期付職員の給与には、どういった影響があるのでしょうか?何人の任期付職員の給与が増えるのでしょうか?あるいは減るのでしょうか?その増減の平均は何円になる見込みなのでしょうか?お答えください。

⇒任期の定めのない職員と同様の給料表を適用することとしたものです。

(6)管理職手当も一部廃止すると聞きましたが、その詳細をお答えください。

⇒規則において適切に対応してまいります。

(7)国家公務員の俸給表を基準として、職務及び職責に応じた給料表に改定するということですが、具体的には、給料表のどの部分が職務及び職責に応じたものになるのでしょうか?お答えください。
 また、これまでの給料表は職務及び職責に応じたものではなかったということなのでしょうか?見解をお聞かせください。

⇒国家公務員の制度に準拠し、昇格により給料額が上昇するようにしたものでございます。


<2回目>

(1)お答えになられていないので、あらためておききしますが、この条例案によって、給料表を改定すれば、総務省が定義する「わたり」の状態は、解消されるのでしょうか?お答えください。
(2)先ほどの3点目の質問についても、お答えになられていないので、あらためておききします。令和7年3月31日までの間、現行の給料額との差額を支給する経過措置を設けるということですが、現在、いわゆる「わたり」と定義されている状態の職員に対しても、差額を支給するということなのでしょうか?支給するのであれば、令和3年度は、総額で何円支給する見込みなのでしょうか?お答えください。
 また、「わたり」の状態以外の職員で、現行よりも給与が減額となる職員は何名いると見込まれるのでしょうか?その原因は何なのでしょうか?お答えください。

⇒先ほどご答弁しましたとおり、1点目、2点目につきましては、今回の改正で、行政職給料表を、国家公務員における行政職俸給表(一)を基準とした給料表に改定するものでございます。
 また、給与については、現在、令和3年度予算を編成中であり、繰り返しとなりますが、令和元年度決算で申しますと、本市の行政職給料表の適用を受ける職員のうち、その給料月額が対応する国の行政職俸給表(一)の各級の最高到達月額を超える職員数は126人で、平均年齢は50.9歳、年間の支給総額は約5,658万円となっております。

(3)昨年の12月議会で、非常勤職員を、会計年度任用職員に移行するにあたっては、2年間の経過措置が設けられました。平成27年3月議会での給与改定でも経過措置の期間は3年間でした。
 経過措置が4年間というのは長いのではないでしょうか?4年間とすべき理由は何なのか、具体的にお答えください。

⇒制度改正による多数の職員への影響を勘案し、経過措置を4年としたものでございます。

(4)任期付職員についても、行政職給料表を適用するということですが、これの対象となる任期付職員は現在何名いるのでしょうか?
 また、これによって、任期付職員の給与にはどういった影響があるのでしょうか?何人の任期付職員の給与が増えるのでしょうか?あるいは減るのでしょうか?その増減の平均は何円になる見込みなのでしょうか?お答えください。

⇒12月1日現在の任期付職員数は、72名であり、給与については、令和3年度予算におきまして適切に見込んでまいります。

(5)管理職手当の一部廃止については、規則において適切に対応するというご答弁でしたが、どういうことなのでしょうか?副主幹級、主査級の管理職手当が廃止されるのでしょうか?それ以外も廃止されるのでしょうか?具体的にお答えください。
 また、管理職手当を廃止すると、時間外勤務手当の支給が必要な場合が出てくると考えられますが、令和3年度において、副主幹級、主査級へは、それぞれ、何円の時間外勤務手当が支給される見込みなのでしょうか?お答えください。

⇒管理職手当については、副主幹級、主査級への支給を見直すもので、こちらも同様に来年度予算におきまして、時間外勤務手当等を適切に見込んでまいります。

(6)国家公務員の俸給表を基準として職務及び職責に応じた給料表に改定するとしていることについては、「国家公務員の制度に準拠し、昇格により給料額が上昇するようにした」ということです。つまり、昇格しなくても、同じ役職の国家公務員よりも給料が多くなる場合もある「わたり」を解消するということなのでしょうか?お答えください。
 また、国家公務員の制度と、この条例案による改正後の高槻市職員の給与制度とは、どういった違いがあるのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒国家公務員の制度に準拠した改正を行うものでございます。


<3回目>

 条例改正案の行政職給料表を見ると、3等級以外は、最高到達月額が、国の行政職俸給表(一)の各級のものと、同額なので、「わたり」はほぼ解消されるのではないかと思われたのですが、先ほど、この条例改正案で、総務省が定義する「わたり」の状態は、解消されるのかと重ねておききしたのに、明確にお答えにならないということは、実際には解消されないということなんでしょうか?その疑いがぬぐいきれません。
 ちなみに、昨年12月24日に総務省が公表した「地方公務員給与の『わたり』の状況について」によると、平成31年4月1日時点で、全国1788自治体のうち、「わたり」の制度のある団体は、わずか8団体(0.4%)で、不名誉なことに、その中に、高槻市も含まれています。
 国は、少なくとも昭和40年代から、つまり、少なくとも50年くらい前から、この「わたり」を是正するよう、地方自治体に通知をしています。「わたり」の状態の職員の平均年齢は、50.9歳だということですが、その職員の皆さんが、生まれた頃くらいには、廃止しておかなければならなかったわけです。4年間もの経過措置の期間を、異例な形で、設けるということですが、長年、国が通知を繰り返してきた経緯等からすれば、経過措置などとらずに、直ちに改めるべきです。
 経過措置等で、実質的に「わたり」が存続する限り、この条例に関する議案については、賛成できないことを表明します。以上です。