高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【小学校の給食も無償化】明石市をライバルとして、来年度以降も無償化の継続を

明石市の泉市長のツイッター

今日は6月議会本会議2日目。議案に対する質疑がありました。

高槻市立の中学校の給食については、今年の4月から、高槻市独自の施策として無償化がされています。この6月議会に上程された補正予算案には、小学校の給食に関しても、国からの新型コロナ対応の交付金を活用して、今年の夏休み明けから年度末までの間の分だけですが、無償化するための予算が計上されました。

無償化には大賛成なのですが、来年度はどうするのかと尋ねたところ、「国の動向等を注視してまいります」という答弁でした。私は、国の動向にかかわらず、高槻市子育て支援の一つの柱として、高槻市独自の財源で、来年度以降も無償化を継続すべきだと考えています。

給食の無償化については、大阪市や、兵庫県明石市が、令和2年度から実施しています(大阪市は小中学校、明石市は中学校)。明石市子育て支援については、明石市の泉市長が今月7日に国会の内閣委員会で、参考人として、給食の無償化を含む明石市の子ども支援策とその効果について意見陳述等をしたことから、さらに全国的に注目されることになりました。

高槻市としても、今後は、北摂の近隣自治体のみならず、明石市もライバルとして取り組まなければ、明石市の施策を知った子育て世代の皆さんからの失望を買うのではないでしょうか。ライバルに、給食の無償化で先行されたのであれば、こちらも、追いつくだけではなく、追い越す努力をすべきです。でなければ、ライバルを超える魅力を備えることはできません。

保護者の皆さんにしてみれば、今年度は無償だったのに、来年度は、有償に逆戻りとなれば、一度無償化を経験したことによって、かえって、負担感が増すはずですし、高槻市子育て支援は、一歩後退したと受け取られるのではないでしょうか。

健全財政を誇っている高槻市ならば、明石市以上の取り組みができるはずです。

イーロン・マスク氏は、先月、「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」と指摘しましたが、少子化対策については、待ったなしの状態です。国が本腰を入れて取り組んでくれるのが一番ですが、地方も子育て支援を競い合うことで、少子化に歯止めをかけるべきではないでしょうか。

上の画像は明石市泉市長のツイッターですが、子育て支援策が、人口の増加、出生率の上昇、街のにぎわいを生み、それらによって税収が増え、その財源でさらに子育て支援を充実させるという好循環の図が描かれています。明石市の事例については大いに研究すべきだと思います。

以下は今日の議会でのやりとりです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分があるかもしれませんが、ご了承ください。

■議案第59号 令和4年度高槻市一般会計補正予算(第3号)

<1回目>

 小学校給食費補助事業4億9036万8千円について、まず4点伺います。

(1)高槻市立の中学校の給食については、今年の4月から、市独自の施策として無償化しているわけですが、小学校の給食費に関しても、今年の夏休み明けから年度末まで、国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用して、無償化したいということです。これらの給食の無償化については、来年度はどうされるのでしょうか?小学校の給食も無償化を続けるお考えなのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒今後の給食費無償化についてですが、本事業は、小学生がいる世帯に対する子育て支援や生活支援を行うことを目的に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して実施するものであり、今後については、国の動向等を注視してまいります。

(2)令和元年度から3年度までの給食費の未納率と未納額は、それぞれ、どれだけなのでしょうか?お答えください。
 また、その未納分については、どういった対応をされたのでしょうか?教職員が負担したのでしょうか?未納のまま放置されているのでしょうか?具体的にお答えください。

給食費の未納額と未納率についてですが、令和元年度の未納額は約211万円で、未納率は0.21%、令和2年度の未納額は約178万円で、未納率は0.18%でございます。令和3年度分については、調査中です。
 また、未納分につきましては、各学校において継続的に当該保護者に働きかけを行っております。

(3)今年4月16日の産経新聞の記事には、高槻市立の中学校の給食の無償化によって、「教職員にとっても給食費の徴収や督促に割いていた時間を学習指導の準備などに充てることができる、といった効果が期待されている。」と書かれていました。
 これまでは、教職員1人当たり、年間で、何時間くらい、給食費の徴収や督促に割いていたのでしょうか?お答えください。
 また、今年度からの中学校の給食の無償化によって、それらの時間のうち、どれだけを、学習指導の準備などに充てることができたのでしょうか?お答えください。

⇒中学校給食無償化による教職員の負担軽減の効果についてですが、文部科学省の「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」には、1校当たり年間190時間の業務削減効果があると示されております。

(4)学校給食費公会計化については、現在、どれだけ、準備が進められているのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒学校給食費の公会計化については、現在、システムを構築する準備を進めているところでございます。

<2回目>

(1)中学校給食無償化による教職員の負担軽減の効果については、1校当たり年間190時間の業務削減効果があると示されているということです。
 それを金額にすると1校当たり何円になるのでしょうか?
 中学校全体では何円になるのでしょうか?
 小学校全体では何円になる見込みなのでしょうか?
 それぞれお答えください。

(2)未納分については、各学校において継続的に当該保護者に働きかけているということです。未納分の督促については、人件費以外にも費用がかかっていると思いますが、1件あたり、どれだけの費用がかかっているのでしょうか?お答えください。
 また、時効で消滅したものは、これまでどれだけあるのでしょうか?年間平均で何円くらい時効で消滅しているのでしょうか?お答えください。

⇒1点目の無償化に伴う教職員の業務削減効果額や、2点目の未納分に係る費用については、把握しておりません。

(3)学校給食費の公会計化については、システムを構築する準備を進めているということですが、いつから公会計化されるのでしょうか?来年度からでしょうか?お答えください。
 また、公会計化された場合、未納分に対する業務削減効果はどれだけだと見込まれているのでしょうか?学校毎に教職員が負担していた業務を、教育委員会の職員が負担するだけで、業務に係る時間は変わらないのでしょうか?お答えください。

⇒学校給食費の公会計化についてですが、徴収から未納分の対応等について教育委員会が担う予定で考えており、令和5年4月からの実施に向けて現在、準備を進めております。

(4)来年度の給食の無償化についてお訊きしたところ、今後については、国の動向等を注視するというお答えでした。来年度以降は、国からの交付金等がなければ、小学校の給食費の無償化は続けないということなのでしょうか?高槻市独自では、無償化はしないということなのでしょうか?お答えください。

⇒1問目でもお答えしたとおり、国の動向等を注視してまいります。

<3回目>

 あとは意見を述べます。
 給食の無償化に伴う教職員の業務削減効果額や、未納分に係る費用については、把握していないということです。
 けれども、1回目のお答えで、1校当たり年間190時間の業務削減効果があるということでしたので、1時間あたりの人件費を2000円、小学校41校・中学校18校の計59校で同じだけの効果があったと仮定すると、190時間×2000円×59校で、2242万円となります。
 未納分の督促に係る費用や時効で消滅した債権の額については不明ですが、未納額自体は、1回目のお答えからすると、毎年度200万円くらい発生していると考えられます。
 督促の費用等は不明ですが、給食費についての、徴収と未納に関する費用・損害の合計は、1年度あたり2500万円くらいではないでしょうか。
 学校給食費の公会計化は来年4月から実施する予定だということです。公会計化すれば、各学校で教職員が負担していた業務を、教育委員会がまとめて負担することになるので、効率化されるのかもしれませんが、1校当たり年190時間・59校分の業務を、いくら効率化しても、それなりの業務量になるのではないかと思います。
 未納分の督促については、むしろ、公会計化によって、法的手続きをとる義務が生じるということになれば、今以上に費用がかかる可能性もあると考えられます。
 給食を無償化すれば、これらの業務も、未納の問題もすべてなくなるわけですが、今回の予算額からすると、小中学校の給食を完全に無償化するためには、毎年度15億円くらいの費用が必要になります。費用対効果で考えれば、割に合いません。
 けれども、先月、「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」とイーロン・マスク氏からも指摘されたとおり、少子化対策については、待ったなしの状態です。給食の無償化が、少子化対策子育て支援の、一つの柱に位置付けられるのであれば、先ほどの費用対効果などは度外視すべきものになるはずです。
 給食の無償化については、大阪市や、兵庫県明石市が、令和2年度から実施しています。特に明石市については、明石市の泉市長が、今月7日に国会の内閣委員会で、参考人として、給食の無償化を含む明石市の子ども支援策とその効果について意見陳述等をしたことから、明石市の取り組みが、さらに全国的に注目されることになりました。
 そういう状況ですので、高槻市としても、今後は、北摂の近隣自治体のみならず、明石市等もライバルとして取り組まなければ、明石市等の施策を知った子育て世代の皆さんからの失望を買うのではないでしょうか。ライバルに、給食の無償化で先行されたのであれば、こちらも、追いつくだけではなく、追い越す努力をすべきです。
 保護者の皆さんにしてみれば、今年度は無償だったのに、来年度は、有償に逆戻りとなれば、一度無償化を経験したことによって、かえって、負担感が増すはずですし、高槻市子育て支援は、一歩後退したと受け取られるのではないでしょうか。
 健全財政を誇っている高槻市ならば、明石市以上の取り組みができるはずです。来年度の給食の無償化については、国の動向等を注視するというお答えでしたが、国の動向にかかわらず、高槻市子育て支援の一つの柱として、高槻市独自の財源で、来年度以降も、無償化を継続してください。要望しておきます。