高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【公務員特権の喫煙場所】厚生労働省は水道部庁舎を屋外原則禁煙の施設だと明言するのに、高槻市は廃止せず。

高槻市の水道部庁舎の地下の喫煙場所

これも9月議会の一般質問で。

先日は議員特権の喫煙場所が廃止されたことをお伝えしましたが、今回は高槻市職員の特権的な喫煙場所について。

今年4月から「大阪府受動喫煙防止条例」が施行されたため、高槻市は、市民向けの喫煙場所を廃止しました。それと同時に市役所本館の屋上の市職員向けの喫煙場所も廃止したのですが、実は、別の場所に、実質的に市職員専用の喫煙場所があったのです。

その場所は水道部庁舎の地下。建物の中を通らなくても、庁舎北側の駐車場のほうから屋外の階段を下りて行くことができます。

私が見に行くと、割と密集した状態で、市職員達はタバコを吸い、会話をしていました。普通の状況なら、リラックスして、そういうことをされたらよいと思いますが、まだまだ新型コロナウイルスの感染防止に努めなければならない時期のはず。感染防止を心がけるべきではないかと心配になりました。

行政機関の庁舎は、改正健康増進法で「第一種施設」とされ、屋内は禁煙、屋外も原則禁煙です。府の条例はさらに厳しく、屋外でも禁煙に努めなければならないとされています。

常識的に考えれば、水道部も行政機関の一部なので、水道部庁舎は「第一種施設」なのですが、高槻市は、屋外では喫煙可能な「第二種施設」だと主張。

そこで、厚生労働省に確認をすると、水道部庁舎は「第一種施設」だと明言されました。

議会で追及したのですが、高槻市はあくまで「第二種施設」だと強弁。

こんな高槻市を取り締まってほしいところですが、その権限は保健所設置市市長に。つまり、高槻市にその権限があるのです。

民間の皆さんには、法律や条例に従ってくださいと言っているのに、その一方で、水道部庁舎を「第二種施設」だと強弁して、市職員の喫煙場所を設け続けている・・・公務員特権だといわれてもしかたがないと思います。

以下は先日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

★一般質問

■2.喫煙場所等について

<1回目>

(1)高槻市役所の本館の2階の議会棟と、この議場の間の2階の部分には、中庭があるのですが、そこには、8月の中頃まで、喫煙場所が設置されていました。その喫煙場所の手前には、「議員及び議会関係者以外の入場はご遠慮ください。」という立て札があることもあって、使用していたのは、ほとんどが議員や議会事務局の職員だったと思います。この喫煙場所は、どういった経緯で設置されたのでしょうか?議員や議会事務局から要望等があったのでしょうか?あったのであれば、いつ、どういった要望等があったのかも、併せてお答えください。

⇒社会環境や法令に従い、市議会内部や総務部との調整を図る中で、適宜、見直しを図ってまいりました。

(2)この議場横の喫煙場所については、来庁した市民に知らされた様子もありませんし、情報公開請求しましたが、他の部署の職員にも通知されていないようです。高槻市役所には、以前、喫煙場所として、来庁した市民向けには総合センターの中庭が、市職員向けには本館の屋上が、それぞれ指定されていました。しかし、今年4月から施行された「大阪府受動喫煙防止条例」において、庁舎等の「第一種施設」は、敷地内全面禁煙に努めなければならないとされたため、この2か所の喫煙場所は廃止されました。議会棟は改正健康増進法で「第二種施設」とされたために、喫煙場所を設置しても違法ではないわけですけれども、なぜ、市民や他の部署の職員に、議場横の喫煙場所の存在を教えなかったのでしょうか?お答えください。

健康増進法の規定においては、第二種施設における屋外での喫煙場所等の取扱いと、屋内等における喫煙室の管理は、異なるものと認識しております。

(3)議場横の喫煙場所については、2階の中庭ではなく、1階の傍聴入口の横に設置できたのではないでしょうか?そうすれば、市民の皆さんも、市職員の皆さんも、ご利用いただけたはずです。なぜ1階に設置しなかったのでしょうか?お答えください。

⇒議会棟における喫煙場所については健康増進法の改正前から受動喫煙防止等の観点を踏まえて、市議会内部や、総務部との調整の上で中庭になったものと認識しております。

(4)今年7月の議員防災研修の休憩時間に、喫煙される方は、水道部庁舎の地下の喫煙所をご使用くださいといったアナウンスがされまして、何人かの議員がタバコを吸いに行きました。その時に、初めて水道部庁舎にも喫煙場所があると知りました。
大阪府のホームページでは、地方公共団体の行政機関の庁舎で、行政機関がその事務を処理するために使用する施設については、「第一種施設」であるとされています。水道部庁舎では、公務員である市職員の皆さんが勤務していて、水道事業の経営の企画等もされているのですが、水道部庁舎は「第一種施設」には該当しないのでしょうか?該当しないのであれば、その理由を具体的にお答えください。
(5)水道部庁舎の地下の喫煙場所は「特定屋外喫煙場所」に該当するのでしょうか?該当するのであれば、その理由をお答えください。

厚生労働省の見解では、「公営企業が運営する施設は、政策や制度の企画立案業務が行われているものには該当せず、第1種施設には該当しない」とされており、そのため、水道部庁舎は、「特定屋外喫煙場所」にも該当しません。

(6)水道部庁舎の地下の吸殻入れが置かれている場所は、半分くらいが屋根で覆われていて、その周囲は側壁でおおむね半分以上覆われているので「屋内」に該当するのではないのでしょうか?該当しないのであれば、その理由をお答えください。

⇒「屋内」とは、「外気の流入が妨げられる場所として、屋根がある建物であって、かつ、側壁が概ね半分以上覆われているものの内部」とされていることから、一部のみが屋根に覆われている水道部の喫煙所は、「屋内」に該当しないと考えております。

(7)水道部庁舎の地下の喫煙場所の周辺には、喫煙できる場所であることを記載した標識が見当たりません。そういった標識は掲示していないのでしょうか?お答えください。

⇒当該喫煙所付近に、喫煙所である旨の標識を掲示しております。

(8)水道部庁舎の1階の正面玄関の横には吸殻入れがあります。これは、どこでタバコを吸うことを想定して置かれているのでしょうか?お答えください。

⇒水道部庁舎1階玄関横の吸い殻入れは、煙草を吸われている来庁者が、玄関で煙草の火を消し、吸い殻を入れるために設置しているものでございます。

(9)高槻市のホームページでは、「禁煙しましょう!」と禁煙を呼び掛けています。
 一方で、水道部庁舎等には喫煙場所が設けられています。矛盾した姿勢だと思うのですが、喫煙に関しての市の方針はどういうものなのでしょうか?お答えください。

⇒健康増進の観点より、市民に禁煙を呼び掛けております。

(10)議場横の喫煙場所や、水道部庁舎の地下の喫煙場所で、お互いマスクを外して会話している姿を見ました。タバコを吸う時にはマスクを外すわけですが、東京では、喫煙所で同僚から新型コロナウイルスに感染した事例も報告されています。高槻市の公的な施設の喫煙場所で、新型コロナウイルスに感染するリスクはないのでしょうか?防止策はとっているのでしょうか?見解をおきかせ下さい。

新型コロナウイルス感染症の感染防止対策においては、密閉、密接、密集を回避することが基本であり、屋外における喫煙場所においても、密接・密集を避けることで、感染予防に努めているところです。

<2回目>

(1)議場横の喫煙場所の設置等については、市議会内部と調整したということです。「市議会内部」とは、具体的には、誰のことなのでしょうか?お答えください。

⇒市議会内部のことにつきましては、執行機関として答弁する立場にはありません。

(2)議場横の喫煙場所の存在を、市民の皆さんや他の部署の職員に伝えなかったのも、「市議会内部」との調整の結果なのでしょうか?何故伝えなかったのか、理由をお答えください。

⇒1問目でもお答えしましたが、第二種施設における屋外の喫煙場所の取扱いと喫煙専用室は異なるものと認識しております。

(3)改正健康増進法では、議会棟は第二種施設とされていて、屋内以外は禁煙とはされていません。そうすると、喫煙場所を、議場の敷地内の、議場1階の屋外の傍聴入口の横あたりに設置することも可能なのでしょうか?お答えください。
(4)議場1階の傍聴入口の付近で、市民や市職員が喫煙をしても、議場の敷地内で、かつ屋外であれば、法律上問題はないのでしょうか?お答えください。

⇒3点目及び4点目についてですが、議会棟の傍聴入口付近は、第一種施設の敷地でございます。

(5)厚生労働省の見解では、水道部庁舎は、第1種施設には該当しないというようなご答弁でした。
 しかし、厚生労働省に問い合わせて確認をしたところ、高槻市水道部の水道部庁舎は「第一種施設」であると明言されました。
 厚生労働省の方は、わざわざ、高槻市のホームページで水道部のことを調べられたうえで、水道部も行政機関の一部なので、水道部庁舎については第一種施設である旨述べられました。
 ご答弁の「公営企業が運営する施設」については、厚労省のQ&Aで、上下水道施設などと例示がされています。あくまでも、そういった上下水道施設などの「運営する施設」が第一種施設に該当しないのであって、行政機関の一部として、政策や制度の企画立案業務などが行われている水道部庁舎については、第一種施設であるということです。
 詳しくは、平成31年2月22日付で厚生労働省健康局長が保健所設置市市長にも通知した「『健康増進法の一部を改正する法律』の施行について」をお読みください。
 ご答弁では、「厚生労働省の見解」とおっしゃられましたが、厚生労働省に直接、水道部庁舎のことを確認されたのでしょうか?お答えください。
(6)先ほど申し上げたとおり、厚生労働省の見解によれば、水道部庁舎は「第一種施設」に該当するわけですが、そうすると、交通部の、少なくとも芝生営業所も、「第一種施設」に該当すると考えられます。交通部の芝生営業所は、「第一種施設」に該当するのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

⇒5点目の水道部庁舎及び6点目の芝生営業所についてですが、当該施設については、政策や制度の企画・立案業務が行われている部署と公営企業の事業部署が併設されている複合施設となります。
 平成31年2月22日付けの国の通知や平成31年4月26日公表の改正健康増進法の施行に関するQ&Aに記載のとおり、様々な用途の施設から成り立つ複合施設については、第2種施設に分類され、水道部庁舎や芝生営業所はこれに該当します。なお、当該複合施設に第1種施設が混在する場合は、当該第1種施設の場所に限り、その規制が適用されることになります。

(7)水道部庁舎の地下の喫煙場所については、喫煙所である旨の標識を掲示しているということです。職員の方が出入りしていた、北側の駐車場のほうからの地下への入口付近には、標識は見当たらなかったのですが、1階には掲示しているのでしょうか?標識はどこに掲示しているのでしょうか?具体的な場所をお答えください。

⇒標識は、当該喫煙所横の扉に掲示しております。

(8)水道部庁舎1階の玄関の横の吸い殻入れは、煙草を吸われている来庁者が、玄関で煙草の火を消すために設置しているということです。ということは、建物の玄関までの水道部庁舎の敷地内では、地下に限らず、喫煙をしてもよいということなのでしょうか?お答えください。

⇒1階玄関横の吸い殻入れ付近に、「喫煙はご遠慮願います」との掲示をしており、喫煙が可能な場所は、地下喫煙所のみであると考えております。

(9)議場横や、水道部庁舎の地下などの公的な施設の喫煙場所での喫煙については、密接・密集を避けることで、新型コロナウイルス感染症の感染予防に努めているということですが、他の人とは何メートル以上、距離をとるべきなのでしょうか?お答えください。 また、他の人との距離等については、どういった通知や掲示等をしているのでしょうか?お答えください。
(10)水道部庁舎の地下の喫煙所は、私が見に行った時には、かなり密集していると感じたのですが、最大で何人までが利用できるのでしょうか?お答えください。 また、利用人数等については、どういった通知や掲示等をしているのでしょうか?お答えください。

⇒9点目および10点目についてでございますが、感染症予防対策が周知されており、喫煙所において掲示等は行っておりません。

<3回目>

まず2点伺って、意見を述べます。

(1)議会棟の傍聴入口付近は、第一種施設の敷地だということです。2階の議場横の中庭も第一種施設の敷地なのでしょうか?お答えください。
(2)この議場や、市役所本館、総合センターがある敷地の中で、第二種施設として、喫煙が可能な場所はどこなのでしょうか?具体的な場所をお答えください。

 あとは意見です。
 厚生労働省に直接、水道部庁舎のことを確認されたのかとおききしましたが、何も答えられませんでした。厚生労働省に確認もせず、高槻市が勝手に「第二種施設」だと言い張っているわけです。
 私が厚生労働省に直接確認すると、高槻市のホームページを調べられたうえで、水道部庁舎は第一種施設だと明言されましたので、高槻市の見解は誤りだと考えられます。
 先ほどの答弁で引用された厚生労働省の通知についてですが、大事な部分が抜けています。その部分というのは、「施設類型が複数存在する場合において、第一種施設の場所に第一種施設以外の特定施設に該当する場所がある場合については、当該場所については、第一種施設の場所としての規制を適用する」というものです。
 たとえば、この議場や、市役所本館、総合センターのある敷地については、第一種施設である本館や総合センターが大部分を占めていて、その中に議場や議会棟があるので、屋外を含めて、第一種施設であるといえます。
 厚生労働省の通知では、そのただし書きで、「ただし・・・第一種施設と第一種施設以外の特定施設が併存し、各施設の機能や利用者が明確に異なる場合や各施設が明確に区分されている場合においては・・・それぞれが独立した別の施設として規制を適用することとなる。」とされています。
 議場の傍聴入口については、明確に区分されていないので、第一種施設だけれども、2階の議場横の中庭については、議会関係者以外の立ち入りを制限するなど区分されているので、第二種施設であるとも考えられます。
 水道部庁舎の敷地については、事業部署が一部あるかもしれませんが、浄水場などとは違って、行政機関としての事務がメインですので、厚生労働省の見解のとおり「第一種施設」に該当します。当然、地下も含めて、敷地内は、原則喫煙禁止です。地下の喫煙場所は、「特定屋外喫煙場所」に該当もしないので、喫煙してはいけない場所だといえます。
 交通部の芝生営業所は、車庫の部分については、第二種かもしれませんが、総務企画課等のある建物やその敷地については、水道部庁舎と同様に、「第一種施設」に該当するので、建物の横の喫煙場所は、「大阪府受動喫煙防止条例」に反していると考えられます。
 水道部庁舎の地下の喫煙場所については、目につきにくい場所に標識を掲示したり、1階の玄関の横の吸い殻入れ付近では喫煙しないように呼びかけたりして、市民になるべく分からないようにすることで、実質的に、職員専用にしてきたのだと思いますが、改正健康増進法や府の条例に違反していますので、廃止すべきです。
 民間の皆さんには、法律や条例に従ってくださいといっているのに、その一方で、高槻市役所は、水道部庁舎を第二種施設だと強弁して、市職員の喫煙場所を確保しているというのは、公務員特権だといわれてもしかたがないと思います。
 水道部庁舎で様子を見ていると、本館で勤務している職員の方々も、真夏の炎天下に、昼休みを利用して、タバコを吸いに来ていました。水道部庁舎まで行く時間がもったいないし、暑い中かわいそうだと思います。議会棟や議場の付近で、合法的に喫煙場所を設けることができるなら、市民の皆さんや他の職員にも開放してあげればどうでしょうか?
 今回「市議会内部」という言葉を初めて聞きましたが、そういう議会で答弁できない方々とだけ調整するのではなく、より多くの方が利用できるように考えるべきです。議員や一部の職員しか使えない状態だったから、特権的なのであって、公平・平等に開放すれば、そういう批判は出ないはずです。
 ただし、開放することで、感染や混乱が生じるおそれがあるのであれば、喫煙場所は設置すべきではないと思います。
 喫煙所での感染症予防対策の掲示は必要がないということです。けれども、私が見たところ、議員も職員も、マスクを外して、タバコを吸うだけではなくて、会話も楽しんでいるようでした。普通の状況なら、リラックスして、そういうことをされたらよいと思いますが、まだまだ新型コロナウイルスの感染防止に努めなければならない時期のはずです。喫煙時の感染の危険性について、しっかりと注意喚起してください。要望しておきます。

【答弁要旨】
 議会棟は第一種施設だが、一定の条件下で喫煙禁止が除外される。
 水道部庁舎と交通部の芝生営業所は第二種施設である。