高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【遅刻救済訴訟】住民訴訟を提起!

報道もしていただきましたが、高槻市バスの職員の遅刻を、有給休暇半日分を差し引くことで不問にして職員を救済してきた件について、先週金曜日に住民訴訟を提起しました。

【提訴】遅刻しても有給休暇 高槻市バス運転手11/6 19:31

市民にとって欠かせない公共交通で、何とも不可解な就業ルールがあったことがわかりました。高槻市バスの職員が遅刻を繰り返した時、処分の対象になるのではなく、遅刻が「帳消し」にされ、給料ももらえていたというのです。



以前議会でも取り上げたとおり、「遅刻が多いバス運転士がいる」と聞き、情報公開請求をして遅刻の状況を調べたところ、年に10回も遅刻する職員をはじめ、遅刻が多い実態が明らかに。同時に「休暇届表」の「半休」(半日の有給休暇)の欄の「遅刻3回」との不可解な記載から、遅刻(20分以内)は不問とされ、3回目に遅刻した日に半日分の有給休暇を取得したことになるという「ヤミ制度」も発覚しました。

さらに、20分超の遅刻では、1回目で半日有休扱いになるということも分かりました。

最高裁昭和48年3月2日第二小法廷判決では、「・・・有給休暇を『与える』とはいつても、その実際は、労働者自身が休暇をとること(すなわち、就労しないこと)によつて始めて、休暇の付与が実現されることになる・・・」と判示されています。つまり、実際に休暇をとらないと、実際に仕事を休まないと、有給休暇を取得したということにはなりません(だから有休の買取りも違法とされている)。

高槻市バスでは、遅刻した職員をそのまま勤務させており、休暇をとらせていないにもかかわらず、半日分の有休有給扱いとしていたのですから、違法だというわけです。

訴状では、半日有休有給扱いとして支給した給与分と、遅刻したのに減給しなかった分が市バスの損害だとして、管理者、総務課長及び営業所長に損害賠償請求を、給与を受け取ったと考えられる職員ら延べ449名に対しては不当利得返還請求を、それぞれ求めています。

この事件の背景には、公務員の休暇が、民間に比べて恵まれていることがあると思っています。高槻市職員は、就職したその日に有給休暇を20日分取得。民間では就職してから半年してやっと10日の有給休暇が与えられるのと比べると、随分と恵まれています。この恵まれた有休が多少減らされても、遅刻で処分や減給をされるよりはマシだと考えたのでしょう。

しかし、段ボール1箱分の休暇届表を集計するのは、かなり苦労しました。