高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【京大農場】平成27年度の移転補償費と土壌汚染対策について議会で質問

平成27年度の京大農場の買収地

今日から12月議会。高槻市は平成25年度から順次、京大農場の土地の買収をしていますが、平成27年度のものに関する議案が即決議案として上程されたので、質問しました。

以下がそのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もありますが、ご了承ください。

■議案第132号 安満遺跡整備事業にかかる用地買収について

<質問1> 

1.今回の土地の買収金額は5億0756万1355円ということですが、この金額の根拠をお教えください。

⇒お手元の第5回高槻市議会定例会付議事項にございますように、京大農場の土地6305.11㎡の公有化に必要な金額として、専門業者による鑑定価格をもとに算出した1平米あたりの単価、80,500円を乗じた額です。

2.この買収に伴って、京都大学に対して補償も行うということですが、どのような補償を行うのでしょうか?補償の対象と、金額の根拠を詳しくお教えください。

⇒当該地の建物や立木等、地上物件について、「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に基づき適切に補償してまいります。

3.以前も申し上げましたが、高槻市役所のホームページの「こちら部長室」というコーナーの「京大農場跡地を緑豊かな公園に」という記事には、
・・・農場側では、遺跡上に立地しているため、開設時の主要な建物や施設が老朽化しても建て替えができないことに加え、実習学生も倍増して手狭になるなど、長年さまざま苦労をしてこられました。こうした中、京都大学として、この農場を京都府木津川市関西文化学術研究都市けいはんな学研都市)に移転することを決定され、
・・・た、と書かれています。
 京都大学は、京都大学の事情で、自主的に移転を決定したわけです。高槻市が強制収用をするわけではありません。以前も指摘したとおり、このような場合には、補償をする必要はないと考えますが、市の見解をお聞かせください。

⇒現在係争中の案件に関わりますので、答弁は差し控えさせていただきます。

<質問2>

1.価格について
1平米あたりの単価は80,500円ということです。この土地価格の単価は、土壌汚染のない土地価格から、土壌汚染による減価額を差し引いたものだと思いますが、それぞれの価格を教えてください。また、平成25年度から京大農場の土地を買収していますが、価格の推移はどのようになっているのでしょうか?年度ごとの価格をお教えください。

⇒今年度の鑑定価格は8万9300円、土壌汚染対策費は8800円ですので、買収価格として8万500円となります。
 土地の買収単価は、平成25年度が7万8600円、26年度が7万9000円です。

2.土壌汚染について
 京大農場に関しては、土壌汚染があって、その最大深度は、鉛が約9メートル、水銀が約2メートルで、汚染濃度については、鉛が最大約63倍、水銀が約3倍といった箇所もあるということです。
 これまで、高槻市は京大から農場を買収してきたわけですが、土壌汚染対策は、具体的にどのようにされてきたのでしょうか?
 また、それにかかった費用はどれだけなのでしょうか?
 その費用は、1平米あたりの単価にすると、どれだけなのでしょうか?
 今回の土地については、どれだけの費用がかかる見込みなのでしょうか?
 それぞれお答えください。

⇒当該地は土壌汚染対策法により、健康被害が生ずるおそれがない「形質変更時要届出区域」の指定をうけており、現状で維持管理しています。
 対策費用については、今後実施設計において工法等を検討し、算定していくことになります。

3.補償について
 補償の額については、今回はどれだけになるのでしょうか?具体的な額をお答えください。
補償額の累計は、最終的にどれだけになるのでしょうか?土地の買収が終わるまでの年度ごとの額と総額をお教えください。

⇒当該地に関する補償についても、「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に基づき適切に補償してまいります。

<質問3>

補償に関しては具体的な答弁をされない方針のようですが、最後に2点質問をして、意見を述べます。

1.土地の価格が年々上昇しているようですが、債務負担行為の設定額等を変更する必要はないのでしょうか?

⇒現時点で変更する必要はないと考えています。

2.対策費用については、今後算定するということですが、土壌汚染対策費の1平米あたり8800円を上回ることはないのでしょうか?

⇒必要な対策手法を検討してまいります。

 あとは意見を述べます。
 平成25年の9月議会でも指摘しましたので、くどくど言いませんが、「公共用地の取得に伴う損失補償基準」を定めた国土交通省は、「用地交渉ハンドブック」で、公共用地取得とは、「・・・任意取得を原則としつつも、公共用地交渉が妥結に至らない場合は、一般的には土地収用法に基づく強制取得の手続きに移行することが予定されているもの」だとしています。
 京大農場の取得については、最終的に強制収用するものではありませんし、京大の事情で、京大が自主的に移転を決定したということなので、先ほどの国が「公共用地取得」として定義しているものには該当しないと考えられます。したがって、京大に補償をするというはおかしいわけです。
 一般的にいっても、ご自分で引っ越すことを決めたのなら、その引っ越しの費用は、自分で負担しなければならないはずです。税金を使うのはおかしいですよね。
 この土地の買収に伴って、京都大学にこのような無用な補償をするのであれば、この議案には反対せざるをえないということを表明して質問を終わります。