平成28年12月頃から、コンビニで、住民票の写しや戸籍謄本、印鑑登録証明書が交付できるようにしたいということで、今回の補正予算案に7000万円が計上されていたので、先日の本会議で質問しました。
7000万円はシステム改修費なんですが、今後これ以外にも費用がかかるとのこと。しかし、その額について議会で質問しても、答弁はなし。これからどれだけの出費になるのか、不明というわけです。
コンビニで交付予定の各種証明は、市民1あたり、平均で年約1枚しか発行されないし、平成28年1月から交付されるマイナンバーカード(個人番号カード)がなければ利用できない。ちなみに、現在発行されている住基カードの普及率は約5%。仮にマイナンバーカードもこれくらいの普及率なら、そんなにコストパフォーマンスがいいとは考えられません。
コンビニ交付を行わなくても、本庁や支所、行政サービスコーナーで、自動交付機を置くなどして、24時間対応してくれればそれでいいんだという声を住民の方からいただいたので、それについても見解を尋ねましたが、的外れな答えが返ってくるだけ・・・
もうちょっとまともに経費や費用対効果を検討したのかと思ったのですが、検討不足としか言いようがありません。事を急がずに、マイナンバーカードの普及の状況や、市民の皆さんの意向、他市の状況を把握してから、コンビニ交付を行うかどうかを決定すべきだと思い、この議案には賛成できない旨表明しました。
以下は議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分があることをお許しください。
■議案第83号 平成27年度高槻市一般会計補正予算
<1回目>
コンビニ交付についてお訊きします。補正予算説明書8ページ、総務費・戸籍住民基本台帳費の委託料7000万円ですけれども、これは住民票等のコンビニ発行に係るシステム改修のための費用だということです。これについて7点伺います。
1.コンビニで住民票等を取得する場合、住民の方は、具体的にどのような手続きや支払いをコンビニで行うことになるのでしょうか?
⇒市民のコンビニにおける手続き、支払いですが、タッチパネル型のキオスク端末に個人番号カードを読み取らせ、暗証番号を入力した後に、端末を操作することで証明書を取得することができ、支払いにつきましては、印刷直前に表示されます金額をコインラックに入金することとなります。
2.コンビニで発行される各種証明等は、全体のうち、どれだけになると見込んでいるのでしょうか?
⇒証明書の見込み件数ですが、個人番号カードを利用することになるため、カード普及率によります。
3.コンビニ発行に係る初期費用や維持経費はどれだけになるのでしょうか?
⇒費用や経費ですが、今回上程しました補正予算とは別に、来年度の初期作業としましては、証明書発行サーバーの構築、コンビニ交付システム用パッケージ購入費用、印鑑システムの改修などが必要となります。また、維持経費につきましても、証明書発行サーバーレンタル費用とパッケージ等の維持保守費用が必要となります。
4.コンビニで発行された住民票等の手数料収入のうち、コンビニ等にはどれだけ支払うのでしょうか?その他、コンビニ等に支払う金額の内訳についてもお教えください。
⇒手数料等の支払いですが、コンビニ交付システム提供事業者である「地方公共団体情報システム機構」の取り決めにより、1証明書あたり23円がコンビニへ、100円が「地方公共団体情報システム機構」へ委託手数料として支払われます。残りの差額が高槻市の収入となります。
5.コンビニ発行によって、どれだけの収入の減少を見込んでいるのでしょうか?
⇒収入の減少の見込ですが、4点目の手数料が差し引かれるため、直接の歳入が減少します。
6.コンビニ発行で、窓口の負担も軽減されるのではないかと思いますが、業務量としては、どれだけ軽減できるのでしょうか?
⇒窓口負担の軽減ですが、コンビニ交付が普及すれば、証明書発行窓口での取得数は減少しますので、本庁市民課や3支所、各行政サービスコーナーでの発行業務が軽減されます。
7.プライバシーの保護やセキュリティーはどのようにされるのでしょうか?
⇒プライバシー、セキュリティーですが、コンビニ交付システムの実施主体である「地方公共団体情報システム機構」が、暗証番号入力、用紙に偽造・改ざん防止対策を施し、従業員を介さずに交付するなど各種のセキュリティー対策を行っております。また高槻市、機構、コンビニ間とのデータ通信は、専用回線を使いデータを暗号化しています。なお、キオスク端末で証明書を発行した後には、データは消去されます。また証明書の取得後はキオスク端末の画面や音声、アラームでお知らせし、証明書の取り忘れ等を防止する仕様となっています。
<2回目>
1.証明書の見込み件数は、個人番号カードの普及率によるということです。ちなみに、住民基本台帳カードの普及率は現在どれだけなんでしょうか?また、住民基本台帳カードの紛失率は年間どれだけなのでしょうか?それぞれお答えください。
⇒1点目の住民基本台帳カードの普及率は平成27年3月末現在、5.3パーセントで、カード紛失は、廃止届けに含まれ、廃止率は0.9パーセントです。
2.各証明書の発行枚数は、昨年度でどれだけだったのでしょうか?また、住民1人当たりにすると、どれだけだったのでしょうか?それぞれお答えください。
⇒2点目の昨年度の証明書の発行枚数ですが、36万3,266枚で、市民1人当たりにすると1.02枚です。
3.費用や経費については、今回の補正予算とは別に、サーバー等の費用やその維持保守費用が必要ということですが、具体的な金額はどれだけになるのでしょうか?お答えください。
⇒3点目の費用や経費の具体的な金額ですが、現在算定中です。
4.コンビニで証明書を発行した場合、1証明書あたり23円がコンビニへ、100円が「地方公共団体情報システム機構」へ委託手数料として支払われるとのことです。コンビニで証明書を交付する場合、交付手数料を引き下げている自治体が多いようですが、高槻市では引き下げはしないのでしょうか?お答えください
⇒4点目のコンビニでの手数料については、マイナンバーカードの普及率などを勘案し、検討します。
5.収入の減少の見込についてお聞きしましたが、「直接の歳入が減少します。」というご答弁でした。具体的は何円くらい減少する見込みなのでしょうか?お答えください。
⇒5点目の歳入の具体的な減少見込みですが、コンビニでの証明発行枚数によります。
6.コンビニ交付が普及すれば、証明書発行窓口での取得数は減少しますので、本庁市民課や3支所、各行政サービスコーナーでの発行業務が軽減されるということですが、職員数を減らされるのでしょうか?減らされるのであれば、具体的にどれだけ減らされるのか、お答えください。
⇒6点目の市民課の職員体制については、今後の課題と考えています。
7.コンビニ交付を行うと、初期費用や維持保守費用が発生し、手数料収入も減少するわけです。一方で、市役所の窓口負担は軽減されるということなんですが、これらの点を市として総合的にどのように考えておられるのか、市の見解をお聞かせください?
⇒7点目の市の総合的な見解ですが、コンビニ交付は、市民サービスの向上に寄与するものと考えています。
8.コンビニ交付を行わなくても、本庁や支所、行政サービスコーナーで、自動交付機を置くなどして、24時間対応してくれればそれでいいんだという声を住民の方からいただきました。それについては市としてどのようにお考えでしょうか?また、そのようにした場合と、コンビニ交付では、どれだけ経費に差があるのでしょうか?それぞれお答えください。
⇒8点目の住基カードによる自動交付機の導入自治体では、廃止の方向で検討されていると聞いています。
<3回目>
1.高槻市では、コストや費用対効果についてあまり具体的に検討されていないようですが、なぜ今、住民票等のコンビニ発行にかかるシステム改修を、7000万円もの予算を組んでやらなければならないのでしょうか?理由をお答えください。
⇒市民サービスの向上のため、早期に実施をするものでございまして、このコンビに交付は、全国の大半の中核市をはじめ、北摂各市においても導入される予定の住民サービスございます。こうした状況下にあって、高槻市民に対しても、同様のサービスを提供する必要があると考えております。
あとは意見です。コンビニ交付はご答弁によると、今回の7000万円だけではなくて、今後も多額の費用が必要です。市民は年1枚くらいしか利用しないわけですが、個人番号カード・マイナンバーカードの普及率を住基カードと同程度の5%と考えると、36万枚の5%で、1万8000枚。これで7000万円を割ると、1枚当たり約4000円。他の数字をまったく答弁していただけないので、今分かっている数字だけで非常に大雑把な計算をしましたけれども、それほどコストパフォーマンスがいいとは思えません。事を急がずに、マイナンバーカードの普及の状況や、市民の皆さんの意向、他市の状況を把握してから、コンビニ交付を行うか決定すればどうでしょうか?とにかく、答弁からすると、検討不足としか言いようがないので、この議案には賛成できないということを表明します。