高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

高槻市の林道管理条例で残土処分場を防ぐことができるのか?

昨日の本会議では林道管理条例制定についても質問しました。

この条例案のきっかけは、樫田地区の残土処分場問題。昨年の9月議会で地元から請願書「樫田地区の良好な自然環境を守ることを求める請願書」が出され、全会一致で採択。これを受けて高槻市が条例案を作成し、今回上程されたものです。

昨年9月議会の都市環境委員会で、当時の山本副市長から・・・

そういったことからいたしまして、今回の樫田地域への土砂の搬入については、今回、府が考えておられる条例ではなかなか規制が難しいんではないかな、搬入自身をとめる規制というのは難しいんではないかな、このように考えております。
(中略)
そういった中で、一つ情報提供というんですか、今年度になりまして、福岡県の糸島市という市がありますけれども、そこで業者のほうが同じような内容だったんですけれども、糸島市のほうが、糸島市は条例をつくっておられまして、その条例に基づいて土砂の搬入を不許可にしたと、そのことに対して業者のほうが市を相手取って訴訟を起こされて、今年度に入って最高裁で市のほうが勝訴してる、こういう事例がございます。



・・・という発言がありましたので、判例を調べてみたのですが・・・以下は昨日のやり取りです。原稿に基づいているので不正確な部分があることをお許しください。

■議案第77号 高槻市林道管理条例制定について

<1回目>

この条例案には賛成したいと思いますが、まず2点お訊きします。

1.林道の使用に関する判例を調べてみたんですが、使用を不許可としたことについて、糸島市は地裁・高裁・最高裁でいずれも勝訴しています。しかし、筑紫野市は地裁でも高裁でも敗訴しています。この2つの事例については、どのような違いがあるのでしょうか?単に裁判所の判断が違っただけで、事例としてはほとんど同じなのでしょうか?また、高槻市の場合、それぞれと、どのような違いがあるのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

⇒それぞれの林道についての状況により、裁判所が判断されたものと考えております。

2.条例案では、「その他市長が認めるとき。」には、「市長の許可」を受けずに林道を通行してもよいというふうに書かれています。この「その他市長が認めるとき。」というのは、具体的にどういった場合があるのでしょうか?

⇒災害時での対応を考えております。

<2回目>

1.高槻市では糸島市の判決文をお持ちではないということで、糸島市役所に電話して確認をしてみたんですが、勝訴した糸島市の場合、事業者が林道の先にある土地を建設残土の処分場にしようとしていたということでした。敗訴した筑紫野市のほうは産業廃棄物の処分場です。
 両者のほかの違いとしては、筑紫野市産廃処分場の業者は、県から許可を受けていたんですが、糸島市の残土処分場の事業者は県の許可を受けていなかったということがあります。事業者が都道府県から許可を受けていれば、裁判になった場合、市町村が林道の使用について不許可処分をしても、負けてしまう可能性もあるのではないのでしょうか?
 高槻市では、事業者が大阪府から許可を受けていた場合でも、大型車両の通行等は、この条例案に反するということで、許可をしないということになるのでしょうか?また、その場合でも、裁判になれば、高槻市が勝訴する見込みがあるとお考えでしょうか?それぞれお答えください。

⇒条例に反する場合は、許可をいたしません。また、裁判につきましては、判断いたしかねます。

2.高槻市には、里道や水路を無許可で残土処分場にしてしまうような業者もいます。もし、林道を、条例案に反した形で使用する者がいた場合、最大でどのような罰則があるのでしょうか?また、そのような違反行為を、どのようなやり方で阻止されるのでしょうか?それぞれお答えください。

⇒法令等に則り、適切に対応してまいります。

<3回目>

・条例案には罰則がないんですけれども、なぜ罰則を設けなかったのでしょうか?具体的な理由をお答えください。

⇒違法行為については、法令等に則り適切に対応してまいります。

 この条例案には罰則がありません。違反行為があった場合、どのようなやり方で阻止されるのかとお聞きしても、具体的な答弁が何もない。これで、違反者を止めることはできるんでしょうか?
 昨年9月の都市環境委員会で、「糸島市最高裁までいって勝訴した」という紹介がありましたけれども、とある筑紫野市市議会議員のブログによりますと、筑紫野市のほうは最高裁でも敗訴したということです。
 この2市の事例からすると、都道府県の許可の有無が、司法の判断を左右する可能性があるのではないかと考えられます。
 都道府県が、法律に基づいて許可しているのに、市町村の条例で、それを阻むようなことは、なかなか難しいのかもしれません。
 ですので、条例を制定するだけではなくて、問題のあるものに関しては、今後も、大阪府に対して、砂防法や近郊緑地保全法、森林法等に基づく許可をしないように、働きかけていく必要があるかと思います。
 そのことを指摘して、質問を終わります。



私が以前、大阪府に話を聞きにいったところでは「我々としては、申請内容に問題がなければ、許可せざるをえない」といった答えでした。府は「大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例」を制定しましたが、これだけでは規制は難しいように思います。

今後もあらゆる可能性・手段を考えていかねばならないと思います。