高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

市バスの運転手が走行を邪魔され殴られても公表しない高槻市

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情報公開請求したところ、市バスの運転手が、走行を邪魔された挙句、殴られるという事件が今年の初めにあったことが分かりました。しかし、交通部は、この事件を公表していません。

9月議会で、なぜ公表しないのかと問うと、お客様や市の財産が被害を受けた事案ではないため公表しないと答弁。

さらに「こうした事件・事故で、職員が死亡しても、交通部は、お客様や市の財産が被害を受けた事案ではない場合、公表しないのでしょうか?交通部の公表の基準はどうなっているのでしょうか?」と尋ねると、「先ほど申し上げたとおり、お客様や市の財産が被害を受けたかどうか等を勘案して判断しております。」との答え。

この事件は被害届が出ているそうですが、少なくとも刑事事件については公表すべきだと要望しました。

運転士の研修20時間のうち、当初の計画になかった清掃が10時間にもなったことを指摘すると、管理者は、私のブログを見たと言って、私が受けた今年7月の「議員力向上研修」と、バスの掃除を同列視するような答弁をしました。私は3人の大学教授から講義を受けたのですが、管理者に言わせると、それは、バスを掃除するのと変わらないもののようです。高槻市は教授に謝罪するべきではないでしょうか。

以下はその時のやり取りです。原稿とメモに基づいているので、不正確な部分もあることをお許しください。

■認定第10号 平成28年度高槻市自動車運送事業会計決算認定について

(1)事件・事故に関して情報公開請求したところ、職員であるバス運転士の傷病に関する、地方公務員災害補償基金あての、公務災害認定請求書も3通、公開されました。バス運転士が3回、ケガをしたようです。勤務中に自転車に乗った男性とトラブルになって、その男性に殴られ怪我をして、しばらく休んだとか、車椅子の対応で怪我をしたとか、そういった話も聞くのですが、その3件は、具体的にはどのようなものだったのでしょうか?お答えください。
 また、その3件のうち、公務災害と認定されたのは何件なのでしょうか?お答えください。
(2)その3件については、警察には届けたのでしょうか?他の職員がバスの運転を代わったのでしょうか?バスの運行にはどれだけ影響があったのでしょうか?バスの遅延は発生しなかったのでしょうか?それらの事件・事故のその後の対応について、具体的にお答えください。
(3)運転士が怪我をした事件・事故については、公表されていないようですが、なぜ公表しないのでしょうか?理由をお答えください。
(4)公務災害が認定された職員は、その後、どれだけの日数、仕事を休んだのでしょうか?半年以上休んでいる方もいると聞きますが、どういった理由なのでしょうか?給与や補償金が払われたのでしょうか?それぞれのケースについて、日数と理由、払われた金額をお答えください。
(5)運転士にケガを負わせた加害者は、どのようになったのでしょうか?刑事罰を受けたのでしょうか?運転士に対して慰謝料を払ったのでしょうか?交通部が運転士に対して払った分を補償してくれたのでしょうか?交通部や運転士は、加害者に対して、どういった請求をしたのでしょうか?それぞれ具体的にお答えください。
(6)こうしたケガの原因となった事件・事故については、どういった研修をしたのでしょうか?具体的にお答えください。
(7)研修に関しては、当初の計画通り、12月まで計3回の添乗研修や、1回あたり2時間、計4時間の班別研修がされたのでしょうか?それとも、計画通りにはいかなかったのでしょうか?具体的にどうなったのか、変更したのであれば、どういった理由でどのように変更したのか、お答えください。
 また、研修の時間が20時間を下回る正規職員はどれだけいたのでしょうか?お答えください。
(8)正規の勤務時間(年間労働時間)である2020時間12分を勤務できなかった職員はどれだけいたのでしょうか?また、もしいたのであれば、その原因は何なのでしょうか?お答えください。
(9)運転士にバスの清掃もさせていましたが、28年度中は、1人当たり、何時間清掃をさせたのでしょうか?お答えください。
(10)情報公開された文書を見ると、事故のお見舞いとして、お菓子を買っているのですが、その購入金額が、1620円から2750円とバラツキがあります。何故なのでしょうか?理由をお答えください。 

<答  弁>
 平成28年度の公務災害3件に関する1点目から6点目までの質問についてお答えします。
 公務災害3件のうち2件は、自転車通勤をしている運転士が早朝における通勤途上に転倒し怪我を負ったもので、いずれも公務災害として認定されております。残り1件は、バス回送中に、自転車が車道中央に飛び出し、その後もバス前方を蛇行して走行するなど危険な運転を繰り返したため、クラクションを鳴らしたところ、相手方が暴力行為を行い、その後逃走したという事案です。公務災害としては現在認定請求中であり、警察に対しては被害者から被害届を出しております。
 いずれもバスの運転については別の乗務員が乗務しておりますが、遅延を含め運行への影響はありませんでした。また、お客様や市の財産が被害を受けた事案ではないため、公表しておりません。
 怪我により業務に就けなかった期間は、それぞれ、自転車転倒によるものが2か月と1日、1か月と14日で、自転車とのトラブルによるものが7日間となっております。給与については、条例等に基づき適正に処理しております。補償金等については地方公務員災害補償基金に依るもので、交通部としては把握しておりません。
 暴力行為を行った加害者については、警察の捜査に委ねており、把握しておりません。なお、本件に関しては、特に研修は行っておりません。
 7点目から9点目までの平成28年度における研修、年間の労働時間等についてですが、
 班別研修については、概ね計画通りに実施できましたが、添乗研修については当初、班長や副班長の運転するバスに限定したことから添乗回数を確保しづらいということがありましたので、班長・副班長以外が運転するバスについても対象としました。
 研修の時間が20時間を下回る正規職員は、両営業所合わせて86人でしたが、年間の所定労働時間を勤務できなかった職員はおりませんでした。
 バスの清掃については、研修の一環として設けた清掃時間以外に、毎日の出庫前の点検時や休憩所での待機時にも行っており、全体の時間数は集計しておりません。
 10点目の事故の見舞い品については、3,000円以内のもので、被害者の方の年齢等を勘案して購入しております。

<2回目>

(1)まず、職員のケガについてです。3件とも大変な事案だと思います。自転車の転倒で、1か月も2か月も休むというのは、それだけ重傷だったということですし、回送とはいえバスの走行を妨害された上に、暴力まで振るわれてケガをして1週間休んだというのも、報道されても不思議ではないくらいのものだと思います。「お客様や市の財産が被害を受けた事案ではないため、公表しない」というご答弁でしたが、職員も市にとっては大切な人財ではないでしょうか。たとえば、こうした事件・事故で、職員が死亡しても、交通部は、お客様や市の財産が被害を受けた事案ではない場合、公表しないのでしょうか?交通部の公表の基準はどうなっているのでしょうか?具体的にお答えください。
(2)公務災害が認定された職員のうち、その災害のせいで、28年度中に業務に就けなかったことがある職員は、自転車転倒した2人だけなんでしょうか?それとも他にもいるのでしょうか?いるのであれば、何人が、どういう災害を被って、何日間業務に就けなかったのか、お答えください。
(3)車椅子の対応で怪我をして、業務に就けなかった職員は、何人いたのでしょうか?それぞれ何日休んだのでしょうか?お答えください。
(4)職員が怪我をしないように、あるいはトラブルに巻き込まれないようにするための研修は、28年度中は行わなかったのでしょうか?行ったのであれば、具体的に、どういった内容のものを、どれだけ行ったのでしょうか?お答えください。
(5)研修の時間が20時間を下回る正規職員が86人いたものの、年間の所定労働時間を勤務できなかった職員はいなかったということです。研修時間の20時間も正規の勤務時間に含まれていたはずですが、にもかかわらず、なぜ全員、年間の所定労働時間を勤務できたのでしょうか?清掃をさせて時間を埋めたのでしょうか?具体的にお答えください。
(6)研修の一環として設けた清掃時間があるということですが、清掃の研修というのは、バス運転士にとって、どんな意味があるのでしょうか?講師などに清掃の方法を学んだのでしょうか?また、その研修は職員1人あたり何時間行われたのでしょうか?それぞれお答えください。
(7)事故の見舞い品の値段は被害者の年齢等を勘案しているとのことですが、具体的にはどういう基準なのでしょうか?詳細をお答えください。

<答  弁>
 1点目の公表の基準についてですが、
 先ほど申し上げたとおり、お客様や市の財産が被害を受けたかどうか等を勘案して判断しております。
 2点目及び3点目についてですが、
 平成28年度中に起きた公務災害により業務に就けなかった職員は、先ほど申し上げました3件以外はありません。
 4点目の、職員が怪我をしないように、あるいはトラブルに巻き込まれないようにするための研修についてですが、そのような研修はしておりません。
 5点目の、全員が年間の所定労働時間を勤務できた理由ですが、
 イベントや学生輸送で混雑する際の乗客の整理や案内、臨時バスや貸切バスの運転、運行の支障になる路線沿いの下草や枝木の伐採、バス車内の清掃など、バス運行に必要な様々な業務を命じております。
 6点目の清掃の研修の意味ですが、
 乗務員のバスの美化に対する意識を向上させるとともに、お客様に清潔で快適なバス車両にご乗車いただきたいというお客様サービスの一環です。また、その時間は、一人当たり年間で概ね10時間です。
 7点目のお見舞い品については、3,000円以内で、相手方の年齢などを考慮しています。

<3回目>

 交通部では、運転士が勤務中に死亡しても、公表しないようです。運転士が死亡するのと同時に、お客様が軽いケガをしたら、お客様のケガだけを公表することになるんでしょうけれども、そんなのは、明らかにバランスを欠いていますよね。
 バスの走行を邪魔されて、運転士が殴られて、その犯人が逃走したなんて事件は、絶対に公表すべきでしょ。まさかそんなことが起きてたのに、公表しないなんて、おかしいでしょ。少なくとも、警察に被害届を出すような事件、刑事事件は、公表すべきです。要望しておきます。
 清掃の研修は、乗務員の意識の向上と、お客様サービスの一環というご答弁でしたが、苦しい答弁じゃないでしょうか。当初の研修の計画が、計画どおりに行かなかったので、清掃を突然加えたという感じですけれども、清掃を突然加えたというのは、研修時間、つまり労働時間を稼ぐためとしか考えられません。他の研修だと、別の職員の協力が必要だけれども、清掃なら1人でもできるということで、そういうことをされたのだと思いますが、当初の計画どおりの研修ができずに、1人当たり10時間も、研修の名目で清掃をさせたのは、無駄で無意味なことだとしか思えません。
 研修の合計時間が20時間なのに、その半分の10時間も掃除をさせた。86人が20時間を下回ったということでしたので、平均すると、研修の半分以上が清掃だったと考えられますが、大変問題だと思います。以前にも指摘しましたが、やはり28年度は、研修大失敗の年度であったといえると思います。
 そんな無駄なことよりも、車いすでケガをされたと私は聞くんですが、そういった答弁はありませんでしたが、車いすの介助の研修をされたほうがいいんじゃないでしょうか?介護施設の職員の方を呼んで、どういうふうに車椅子を扱えばいいのか、本格的に習ったほうがいいと思います。ケガの防止のための研修は必要なはずです。
 公務災害・労働災害の情報は、職員全員で共有すべきです。安全衛生委員会は機能しているんでしょうか?職員一人一人が、そうした情報を得られるようにすべきです。
 職員も立派な高槻市の財産です。違法な行為をごまかしたり、一部の職員を優遇したりする前に、職員の命や健康を守るという当たり前の取組をしっかりとやってください。以上です。

<答弁要旨>
 職員のケガについてご心配いただきありがとうございます。
 公表のことについていろいろご意見いただいたが、北岡議員が挙げられた例に限らず、例外的なことが発生した場合には、当然ながら、社会通念・社会常識に照らし合わせて判断する。
 乗務員の研修について、特に車内清掃は役に立つのか、無意味じゃないのかというご意見を、3月議会と今議会でいただいた。ただ、研修というのはいろいろな目的・手法がある。調べていただいたら分かるが、民間会社等では、一般的な座学の研修の他、トイレ掃除をさせたり山中行軍をさせたりして、いろいろな目的を達成されようとしている。パソコンや機械を使う技能を身に付ける研修であれば、すぐに目に見える形で効果が期待できるものだが、一般的な職務の効率や見識、学力の向上を目的とするものは、すぐに目に見えるものでない場合も多く、研修を一つのきっかけとして、その後のものの考え方や、学習態度、職務態度、仕事への取り組み方などを改めていくものだ。職員自らの自律的・自発的な取り組みに期待していく研修というもので、一般的には職員自身が気付くことが目的の研修と言われている。
 北岡議員もブログを拝見すると、ご自身も7月下旬に研修を受けている。今回の清掃に関する研修も3月議会でお尋ねになられているので、自身の研修前後で大きな変化はなかったのかなというふうなことで、ただ、受講された研修は、即効性を期待するものではなく、当然ながら気付きのための研修、今後の議員活動のための研修であったことと存ずる。
 私たちが乗務員に対して行った清掃研修も、直接的には車内の美化であったが、清掃することにより乗客に思いをはせ、乗客により良いサービスを提供するにはどうすればよいかという職員の気付きに期待したもので、北岡議員の研修と共に、一定効果があったと、決して無駄ではないと考えている。