億単位の土地取引の決裁に際し、ベテラン行政マン達が、「うっかり」ということがあるのでしょうか・・・
議会の議決が必要だったにもかかわらず、議決を経ず締結された5つの契約について、本日、議会に追認してほしいと、改めて議案が上程されました。
この審議に先立ち、高槻市は関係職員の処分を発表。市長、担当副市長である山本政行副市長、教育長は3月の給料を10分の1減額するとしました。
以下はこれに関する市長の議会での報告です。
まず始めに、議会の議決を経ずに5件の契約を締結していたことについて、ご報告とお詫びを申し上げます。
今回判明した経緯でございますが、市道原成合線整備事業に係る高槻市土地開発公社による先行取得用地の買戻しの契約について、今議会に提案すべく手続きを進めておりましたが、この際に、昨年8月に締結した同土地開発公社による先行取得用地の買戻し契約について、議会の議決を経ないまま契約していたことが判明いたしました。
このため、この他にも同様の事案がないか、現年度はもちろん、資料のある限り、過去にさかのぼり調査させましたところ、さらに4件が判明したものでございます。
法令に基づき行政を推進する立場にありながら、こうした事態を招いてしまったことは、職員の職務に対する真摯な姿勢とコンプライアンス意識の欠如、さらには気の緩みがもたらしたものと深く反省するとともに、心からお詫びを申し上げます。
本当に申し訳ございませんでした。
今回の契約事務の不適切な執行に対する責任を重く受け止め、私と、建設部・教育委員会を所管する副市長及び教育長の3月における給料月額の10分の1を減額する条例を提案させていただきました。
また、建設部、教育委員会及び財務部の関係職員16名につきましても、先月27日付けで、それぞれ戒告又は訓告の処分をいたしております。
この「昨年8月に締結した同土地開発公社による先行取得用地の買戻し契約」の決裁をしたのが、山本副市長です。
2000万円以上かつ5000平方メートル以上の土地の取引については、条例上、「議会の議決に付すべき」とされていますから、山本副市長は、条例違反の違法な決裁をしたということになります。
この条例については、京大農場の問題で私も取り上げていますし(平成23年3月9日の総務消防委員会等)、長年市政に携わっている人間が「知らなかった」というほうがおかしい。
山本副市長は、交通部の管理者であった平成19年に、高槻市バス「幽霊運転手」事件が発覚した際、これを隠ぺいしようと、公文書を改ざんしたということがあり、減給処分を受けています。
そんな前歴のある人を、副市長にするなんて、普通では考えられないと、私は昨年7月15日に議会で市長を追及しました。
・・・副市長、代表監査委員、秘書室長、普通じゃ考えられないような、市民目線からはかけ離れたおかしな人事ですよね。
山本副市長は、高槻市バス幽霊運転手事件で、代走という給与詐欺行為を隠ぺいするために、大量の公文書を改ざんしました。テレビ局に追及された際には、そんなことはやってませんって言い切りました。テレビカメラの前で大うそをついた。そういうことがあって減給処分を下されたという過去があります。ほかにも山本副市長が自動車運送事業管理者のときには、さまざまな問題がありました。そんな人を普通は副市長にはしないでしょう。
その山本副市長が、またしても違法行為をして減給処分。山本氏を副市長を任命した濱田市長には、重い責任があるのではないでしょうか?
今日の議会では以下の質問等をしました。
<質問>
議決を得なかった原因は何か?
<答弁要旨>
当該案件の原因については、土地鑑定書の有効期限が切れる前に契約を締結することで、市の財政負担の軽減を図るこを目的に年度途中の買戻しを行う方針を決定した。その際、議決案件のチェック体制が出来ていなかったことなどが、今回の問題に至ったと認識している。
<質問>
議決に付さなかったという違法性以外の違法性や、市に損害を与えた可能性については検証したのか?監査委員等の意見は聞いたのか?
<答弁要旨>
議決に付さなかったという違法性以外の違法性はなく、市の損害もない。監査委員には口頭で報告した。
今回、即決議案という扱いで、本会議での質疑の後、すぐに採決が行われたのですが(結果は多数賛成)、市長をはじめとする多くの職員が処分されるほどの問題の重大さに比べて、十分な調査がされたとはいえないと思いますし、監査委員に対しても口頭で報告をしただけだということでしたので、私は反対をしました。
「土地鑑定書の有効期限が切れる前に」契約したかった・・・故意に議決を得なかった可能性も私はあると思います。