高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市議会の議会改悪】外郭団体の予算・決算の報告に対する質疑を廃止

池田大作氏に高槻市長が贈った「国際文化交流貢献賞」


3月議会の一般質問の最後に、私が以下の発言をしたところ、急遽、議会運営委員会(議運)が開かれ、発言の取消しを求められました。

 高槻市議会では、昨年の6月議会までは、高槻市出資法人=いわゆる外郭団体の予算や決算の報告に対して、本会議で質疑を行ってきました。しかし、昨年の議会運営委員会で、その質疑をやめることが決定されました。そのために、今回のように一般質問で取り上げざるをえないわけですが、やはり時間が足りなくて、質問の数を削らざるをえませんでした。
 様々な問題が指摘されてきた市の外郭団体ーーその役員の多くが市職員のOBですがーーその外郭団体の経営状況の報告についての質疑の機会を、議会自らが放棄するというのは、関西の中央都市を自称する中核市の議会が、そんなことするかと思いますし、まさに議会改悪だといわざるをえません。本当に恥ずかしくて、情けない気持ちです。



議運の委員長からは、外郭団体の予算・決算の報告に対する質疑の廃止は議運で決定されたのだし、一般質問は行政の一般事務に関するものに限られるので、それから外れたことを言ったり、議会改悪だとしたりするのは不適切だといった説明があり、共産党の委員を除く他の委員もそれに同調。私は、先日の総務消防委員会では議長が所管と関係のないことを延々と述べていたし、こんな発言さえ許されないのなら言論弾圧だ、議会の自殺だ、といったような反論を述べて、発言を取り消すつもりは毛頭ないと答えました。

それに対して、本会議で議長から注意するといった話も出たのですが、そういうことはなく、もちろん懲戒もされず、議運の委員長からの注意という、規則に定めのない、よく分からない結末となりました。まったく時間の無駄だったとしか言いようがありません。

昨年も、この外郭団体の件に関連することで、発言の撤回と謝罪を求められたことがあります。

外郭団体の予算・決算の報告に対する質疑は、昨年6月に福井浩二議長(自民党)が議運に対して提案し、議運の吉田忠則委員長(公明党)が取り仕切って進めたもので、日本共産党高槻市会議員団の中村委員や、傍聴していた高木議員(会派:立憲主義を守り・憲法を活かす会)や私が反対意見を述べたものの、公明党議員団、大阪維新の会高槻市議会議員団、自民・無所属議員団、市民連合議員団、立憲民主党たかつきの各委員は賛成。

私が議運の休憩中(基本的に議運の委員でない議員は休憩中しか発言できない)に述べた意見は、これを市民の方が見たら、議会改革というより議会改悪であり後退したと感じる方多いのではないか、外郭団体の問題は国や都道府県でもあるが、外郭団体は問題が起こりやすい、それを北摂では高槻市箕面市ではチェックできるというのは誇らしいことだ、これをやめることについてはまったく理由が見当たらない、誰が得をするのか、市民にとっては損だ、今までどおりとすべきだ、これまでも外郭団体の問題を取り上げてきた、池田大作氏に賞を渡すよう推薦した外郭団体もあったが、これからもしっかりとチェックしていくべき、これを取りやめることは恥ずかしいことだ、反対だ、といったもの。

すると、翌月の議運で、委員長から、次のとおり、発言の撤回と、池田大作氏への謝罪を要求されました。

 北岡議員の話がありましたが、私も若干違和感がありまして、出資法人に対する意見として傍聴議員に意見を求めました。ですが、これが反対理由になっていたのかどうかを考えますと、議長からありましたとおり、文化振興事業団から推薦された池田大作氏への国際文化交流貢献賞につきましては、北岡議員からあえてこの話を出して、出資法人の質疑が必要なんだという言い方でした。もし、この貢献賞を渡したことに問題があれば、当然そういった指摘はあったかもしれませんが、住民訴訟も起こされて、明確に司法の場で結論を出されている。決まったことをあたかも間違っていましたよと、だから私は質問をするんだという言い方になっていたわけです。
 皆さん、これはどうですか。事実ではないことをこの場で言う。もし、市民の方の傍聴があった場合には誤解をされます。貢献賞は過っていたのかと、こうなります。平成21年の裁判と思いますが、もう10年前です。新しい議員さんももしかしたら知らないかもしれません。少なくとも市民の方は覚えていない、わからない。そんな中で、事実ではないことをこの場でお話をされたことは、大変遺憾であり、この発言について撤回をしていただきたい。そして、民間人である池田大作氏に謝罪をしていただきたい、このように委員長として北岡議員に確認をします。



「事実ではないこと」など言ったつもりはないのですが・・・私は以下のように述べました。

○北岡議員 財団法人高槻市文化振興事業団が、池田大作氏に、そのときの推薦状は、私の記憶ですが、感謝状を贈呈してくださいという内容だったと思います。
  池田大作氏と言えば 宗教法人創価学会の名誉会長であるという立場であると思います。その宗教法人の名誉会長に対して、感謝状を出してくださいという推薦をすることは、憲法に定めた政教分離に反するのではないかと、そういう風に私は感じました。その推薦を受けて、高槻市長――当時は奥本市長ですが、勤務時間後に公用車に乗って、市民会館のほうに行ったと思います。ですので、運転手の方は時間外勤務をしたと、ガソリンも使ったということで、国際文化交流貢献賞という賞状を作って、関係団体の方に壇上で手渡したと。たしかそのときの写真を見ると、当時の副市長や教育長も登壇されていたかと思います。果たしてそれが、確かに住民訴訟では私が敗訴しました。けれども、果たして、負けたからといって、こうした行為がいいのかどうか。テレビでいろんな問題が取り上げられて、それを住民訴訟で訴えても、敗訴するケースもあります。住民訴訟というのは、非常に行政に有利になっておりまして、原告の住民が勝つというのは非常に難しい。最近の統計では、原告勝訴率が約4.2%でした。非常に勝つのは難しいですので、住民訴訟で敗訴したからといって、その問題が問題ではないということは、私はないと思います。
 一般常識で考えて、この高槻市民の皆さんが、高槻市長が池田大作氏に対して、国際文化交流貢献賞という高槻市表彰条例には規定のない、そういう賞を贈ったということを知ればどう感じるのか。問題だと感じる方が多いんじゃないでしょうか。その元となった財団法人高槻市文化振興事業団の行為というを、推薦ということですが、もしその行為が市に関係ないということになって、その行為と同じようなものが追及できないとなればそれは大いに問題だと思いますので、謝罪はいたしません。



撤回も謝罪も拒否しました。

10月9日の議運では、あらためて、次のように発言しました。

 池田大作さんは、平成21年3月26日に、民主音楽協会民音)の創立者であるとして、高槻市長から、国際文化交流貢献賞を贈られたわけですが、池田大作さんは、民音創立者というだけではありません。
 公明党のホームページの、昨年2019年11月14日付の「結党55年 青年に伝えたい公明党の歴史」という記事には、「公明党創立者」は創価学会池田大作名誉会長だと書かれています。
 池田大作さんについて、話し合ったり、決定したりする場合には、公明党の議員の方々は、除斥されるべきではないかと思います。除斥されずに、委員長や委員として、発言したり、取りまとめたりするというのは、私は問題があると思います。さらには、謝罪や発言の撤回を要求するといった状況には、恐ろしさを感じました。
 住民訴訟については、監査委員を経験されている方は、よくご存知だと思いますが、住民訴訟の前の段階の住民監査請求では、違法なものだけではなく、不当なものについても勧告の対象となるのに対して、住民訴訟は、違法なものしか対象となりません。
 違法性と不当性については、吉田稔弘副議長も、平成22年3月29日の本会議で、「違法とは、法律または命令に背くことです。不当とは道理に外れたことです。」「違法性がないか、不当性がないか、常に注意が必要であります。」と述べられています。ですので、裁判で、違法性がないと判断されても、不当である場合もあるわけです。住民監査請求が不当なものも対象としていることからすれば、法的には、自治体に、一定の自浄作用を期待しているのではないかと思います。
 国際文化交流貢献賞について、新人の議員の方は知らないかもしれませんので、その不当性について少し述べます。
 高槻市は、国際文化交流貢献賞を、感謝状だと主張しました。しかし、その賞状の文章には、感謝状という言葉はどこにも書かれていませんし、他の感謝状と比べると、異様なほど違いがありました。
 民音高槻市で活動を始めてから35周年の節目だから賞を贈ったということだったんですが、賞状の文章を読むと、民音の35年間の活動については、池田大作さんの数多ある世界的な貢献の一つだという位置付けでした。賞を贈る理由は、あくまでも、池田大作さんが、世界の平和と人類の幸福の実現を目指し、平和・文化・教育の推進に情熱を傾け、世界的な貢献を重ねてきたことであるとされています。池田大作さんの世界的な貢献を讃え、敬意を表し、感謝し、顕彰するとなっているのですが、市民でもない人に対して、高槻市長の立場でそこまで褒めたたえるのは不自然です。
 他の感謝状の文章も見てみましたが、簡潔なものでした。
 他の感謝状は、贈り先の相手方について、○○殿となっているのに、国際文化交流貢献賞だけが、池田大作様、と様付けになってもいました。
 住民訴訟では、確かに違法性は認定されませんでしたが、国際文化交流貢献賞は、世間の道理に外れた不当なものだと私は思います。
 こうした不当な賞が、市の出資法人・外郭団体である高槻市文化振興事業団が推薦したことで、市長から贈られたわけです。
 聖教新聞は、それを、池田名誉会長に、大阪・高槻市から「国際文化交流貢献賞」が贈られた、と報じました。宗教的な活動に利用されたというべきではないでしょうか。
 平成21年の6月議会では、他にも、創価学会が主催した「平和への大道展」を、高槻市都市交流協会高槻市文化振興事業団が後援したことを取り上げました。宗教法人の宗教的な活動を、市の外郭団体が後援したことは、私は問題だと考えています。
 外郭団体が行った、こうしたことについて、もし、市の事業とは直接関係がないとなれば、今後、高槻市議会では、同じようなことについて質問できないということになるのでしょうか。民音の活動もあと何年かで50周年ということになるわけですが、もしそれを理由に外郭団体が賞を贈呈するなどした場合、議会で何も質問できないのでしょうか。そうであるならば、大変憂慮すべき事態であると私は思います。
 外郭団体の報告に対して質問をしないことにするということですが、それには何ら合理的な理由はありません。これまで何も問題がなかったのなら別ですが、国際文化交流貢献賞や平和への大道展のほかにも、包括外部監査で指摘された問題など、不当と考えられるものがあったわけです。今回の決定は、どう考えても、議会改革とは逆行する、まさに議会改悪であるといえるはずです。本当に恥ずかしいと思います。



他にも、公益財団法人高槻市みどりとスポーツ振興事業団の令和元年度から過去5年度分の決算を見ると、平成30年度だけは2円の黒字で、他の年度の収支の差は0円という不可解な結果になっていたこともあり、追及したことがありました。高槻都市開発株式会社の問題も様々取り上げてきました。一般質問では他のことも取り上げるので、今後は外郭団体の追及が十分にできないと思われます。非常に残念です。

是非この件についても、市民の皆さんに問題意識をもっていただきたいと思います。

 
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令和2年8月28日の議会運営委員会での委員長の説明

 出資法人等の経営状況を説明する書類の議会への提出に関する取扱いについて、協議したいと思います。
 6月23日の議会運営委員会で、議長から、出資法人等の予算や決算の提出に係る質疑のあり方について整理すべきではないかとご提案があり、皆さんからご意見を伺い、協議を続けていくこととなりました。
 その後、議長、副議長、議運の副委員長と私の4者で協議し、北摂の他市の状況も踏まえながら、一定の考えをまとめましたので、ご説明いたします。
 市の出資法人等の経営状況を説明する書類については、地方自治法第243条の3第2項において、「普通地方公共団体の長は、地方自治法第221条第3項の法人(出資法人等)について、毎事業年度、その経営状況を説明する書類を作成し、これを次の議会に提出しなければならない。」と規定されています。
 本市議会では、3月議会で事業計画及び予算について、6月議会で事業報告及び決算についての書類が作成され提出されています。
 報告の方法としましては、議事日程に載せ、本会議場で、各所管部長から内容の説明を受けたのち、その報告に対する質疑応答を行い、全ての質疑が終結した時点で、この事件の終結としています。
 一方、北摂の他市の状況ですが、本市と箕面市を除く、3市(豊中市茨木市吹田市)については、本会議で報告されているものの、質疑の対応はされていません。
 残りの2市(池田市摂津市)につきましては、本会議での報告はなく、資料配付とされています。
 また、本会議で報告されている3市の内容につきましては、「諸般の報告で、市長から提出された旨の報告を事務局長が発言」、あるいは、「議長が、市長から提出があった旨の発言」をされるのみで、理事者側からの説明はない状況です。
 そこで、他市の取り組みも参考にしながら、次のように見直しをしてはいかがかと考えています。
 1点目は、出資法人等の経営状況を説明する書類の理事者側の説明を省略し、議長から、出資法人等の経営状況に関する書類が市長から提出され、受理した旨の報告をする。なお、議事日程には載せず、諸般の報告の中で報告する。
 2点目は、出資法人等の予算や決算に係る質疑は、市が行う事務の範囲において一般質問で行う。
 3点目は、出資法人等の経営状況を説明する書類の提出は、それぞれの法人の書類が作成できた次の議会とする。
 以上3点について、令和3年3月定例会から見直しを行ってはいかがかと考えていますが、ご意見を伺いたいと思います。