今日は12月議会の最終日。私も5項目について一般質問をしました。
幽霊運転手事件が終結したので、以下のとおり、それについての質問もしました(原稿とメモと記憶に基づいているので不正確な部分もあることをご了承ください)。
■1.高槻市バス「幽霊運転手」事件等の名ばかり勝訴・実質敗訴等について
<1回目の質問>
濱田市長はこの12月議会の初日である11月29日の本会議において、代走、有給職免、組合役員ダイヤ(労組幹部優遇ダイヤ)に係る住民訴訟、いわゆる高槻市バス「幽霊運転手」事件について、「本市の勝訴が確定」したと述べました。
しかし、実際には高裁でも交通部職員らの行為は違法との認定がされており、実質的には敗訴だったわけです。
市長の言葉には、交通部が組織ぐるみで違法行為をしたことについての反省もなく、市職員らが約1450万円も地裁判決どおりの支払いをしたことについての言及もなかった。市民に対してあまりにも不誠実な説明だと思います。
大阪地裁の判決は、現在副市長されている山本元管理者をはじめとする市職員やOBに対して、違法行為をしたのだから損害賠償をしなさい、あるいは給与を返還しなさいと命じるものでした。
高槻市側はこの判決を不服として控訴をしたわけですが、控訴後に市職員らは「自主返納」と称して地裁判決どおりのお金を払った。市側は、お金を取り戻すことができたのですから、普通なら控訴を取り下げるべきですが、控訴を維持しました。結果、お金が全部払われているから、交通部の行為は違法だけれども、「訴えの利益」がないと、原告である私の請求が棄却されたわけです。
こうしたやり方を市側は以前も3件の住民訴訟で行いましたが、その際には「名ばかり勝訴 実質敗訴」などと新聞で批判的に報道がされました。そのことについては私が議会でも取り上げましたので、市も十分認識しているはずですが、今回も同様のことをされた。この件についてまず3点伺います。
(1)職員らが自主返納したということですが、実際には誰がお金を払いに来たのでしょうか?職員らがそれぞれ自ら払いにきたのでしょうか?それとも労働組合が払ったのでしょうか?誰が払ったのか、具体的に、明確にお答えください。
(2)違法性がない、あるいは既に時効だとして控訴をしている以上、「自主返納」といえども、地裁判決どおりの金銭を受け取るのはおかしいと思いますが、誰がこの「自主返納」のお金を受け取ることを決定したのでしょうか?また、「自主返納」については、本当に本人に払う意思があるのかとか、支払い方法はどうするのかとか、協議があったのではないかと思いますが、どのような協議をされたのでしょうか?
(3)地裁判決どおりのお金を受け取ったわけですから、控訴を維持するのはおかしいと思いますが、誰が控訴を維持することを決定したのでしょうか?
それぞれお答えください。
<答弁要旨>
住民訴訟についてのお尋ねですが、一審判決において、市の主張が一部認められず、不満があったため控訴しておりましたが、訴訟の早期解決を図りたいと職員個々から自主返納の申し出がございましたので、その意思を尊重して、これを受け取ったものでございます。
控訴審での結果は市の勝訴であり、原告も上告されなかったため、市の勝訴が確定したものでございます。
<2回目の質問>
(1)職員らが自主返納したというけれども、実際には誰がお金を払いに来たのか?誰が「自主返納」のお金を受け取ることを決定したのか?誰が控訴を維持することを決定したのか?これらについてはまったく具体的な答弁はありませんでした。
なぜ隠す必要があるんでしょうか?ちゃんと答えたらどうでしょうか?
答弁原稿が出てきたときに、私はやり直してほしいとお願いしたのですが、やり直してはもらえませんでした。
もう一度お聞きしますので、それぞれ誰なのか具体的にお答えください。
(2)誰なのか答えられないのであれば、なぜ答えられないのかお答えください。また、先ほどの答弁を最終的に決裁したのは誰なのかお答えください。
(3)ご答弁によると、「訴訟の早期解決を図りたいと職員個々から自主返納の申し出がございましたので、その意思を尊重して受け取ったものでございます。」とのことです。訴訟の早期解決という意思を尊重したのなら、なぜ控訴を取り下げず、裁判を維持し、判決という訴訟の最終段階まで争ったのでしょうか?まったく早期解決になっていませんよね。市側が、早期解決をしないのだと、大阪高裁が判決を出す最終段階まで裁判をやるのだということであれば、早期解決を図りたいと願っていたはずの職員の方々は自主返納なんかしなかったはずですし、市側だって、早期解決のためのはずの自主返納なんて受け付けなかったはずです。
つまり、職員の方々は、訴訟の早期解決のために自主返納をしたのではないし、市側もそんなつもりで受取ってはいないということです。
なぜ、「訴訟の早期解決」などという見え透いた嘘をつくのか、理由をお答えください。
<答弁要旨>
1回目の答弁以上の答えはない。北岡議員の言っていることは訳が分からない。弁護士報酬に関する裁判を起こされており、それに影響するので答弁は控える。主張すべきは裁判で行う。
<3回目の質問>
実際には誰がお金を払いに来たのか?誰が「自主返納」のお金を受け取ることを決定したのか?誰が控訴を維持することを決定したのか?これらについてはやはりまったく具体的な答弁はありませんでした。そんな単純なことさえ何故答えられないのでしょうか?やはり何かマズイことがあるから、責任をとりたくないから、隠したいということなんでしょうね。そうじゃないなら堂々と「私です」と名乗り出ればどうでしょうか?
先ほど申し上げたとおり、判決言渡しという訴訟の最終段階まで、高槻市側は裁判を続けたわけですから、訴訟の早期解決を図ったとか、その意思を尊重したというのは「嘘だ」といわざるをえません。これは名ばかりの勝訴を得るためのセコイやり方であって、そういう意図があったということは、勝訴だけを強調する濱田市長の11月29日の本会議での行政報告や、先ほどの部長の答弁からも明らかです。「名ばかり勝訴」というか、これでは「ヤラセ勝訴」ですよね。
敗訴をごまかすやり方には、正義も信頼も感じられない。奥本前市長も同じことをやりましたけれども、奥本前市長時代からの、高槻市役所の悪しき伝統という感じがします。
私がこの幽霊運転手事件を議会で追及し、裁判を起こさなければ、約1450万円は取り戻せなかった。私が地裁で勝訴したからこそ、これだけのお金が市民の手に戻ってきたわけです。職員の皆さんが、本当に「自主返納」するということであれば、地裁で判決が出される前に行うべきです。本当に「訴訟の早期解決」のために「自主返納」をされる素晴らしい職員の皆さんなのであれば、他の裁判、他の住民訴訟についても、地裁判決の前に、「自主返納」されればいかがでしょうか?労働組合のお金に頼らず、自腹で自主返納して下さい。「名ばかり勝訴」、「ヤラセ勝訴」なんてのは、セコイやり方ですよ。行政たる市役所や、弁護士の資格を持っている人が、やるべきことではないと、私は思いますね。
<答弁要旨>
裁判を起こしたのは北岡議員ではないか。