高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

保護費を詐取した元生活福祉課長の異議申立に関する質問等

※パソコンの不調のためか、12月と1月のファイルが壊れたようなので、議事録から抜粋して掲載しております(平成27年4月10日)。

平成23年 第5回定例会(第2日12月 2日)

○(北岡隆浩議員) 先ほどの吉田章浩議員と同様、私も諮問第4号、5号及び議案第97号について一括して質問させていただきます。まず、7点、伺います。 
 1点目です。生活保護費の不適正支出ということなんですが、前課長は具体的にどこから、どのようにして現金を盗んだんでしょうか。また、前課長の現金の引き出しに関しては、ほかの職員は関与していないんでしょうか。関与していたのだとすれば、具体的にどのように関与していたのでしょうか、お答えください。 
 2点目です。不正支出の際には、架空の被保護者の印鑑が使用され、その印鑑は生活福祉課の課内にあったと聞いております、間違いないでしょうか。また、その印鑑の存在を知っていたり、前課長がその印鑑を使用しているところを見たりしたことがある職員はいないのでしょうか、お答えください。 
 3点目です。前課長が課長であった期間以外の期間についても不正な支出がされています。そのときに課長であった職員には賠償責任はないのでしょうか。また、この件で何人かの職員の方が責任を問われて処分がされています。処分された職員の方には賠償責任はないのでしょうか、お答えください。 
 4点目です。前課長は不正に支出したお金でほかの職員と飲食をしたという主張もしていると聞いております。事実なのでしょうか。事実だとすれば、いつ、だれと、どのような形で飲食をしたのでしょうか、お答えください。 
 5点目です。前課長は異議申し立ての理由として、福祉行政に携わっていた者の多くが知り、直接関与していた、自分ひとりが賠償責任を負わされるのは不当だというふうに主張していますが、この主張のとおり、多くの高槻市職員が知り、直接関与していたのでしょうか、お答えください。 
 6点目です。住居喪失者等緊急一時宿泊事業の運営管理費についても不適切な実態があって、民法上の賠償請求を前課長に対して行うということですが、どういった不適切な実態があったのでしょうか。また、その運営管理費はどのようなルートで前課長に流れていたのでしょうか、お答えください。 
 最後、7点目です。平成22年6月18日の総務消防委員会協議会で奥本前市長が、この事件について、議員が関係している、議員が関係していると発言されました。この事件に議員は関係しているんでしょうか、お答えください。 
 以上です。 

○保健福祉部長(三宅清道) 北岡議員の、1問目の数点のご質問にご答弁を申し上げます。なお、他部にわたるご質問もございますので、調整の上、私のほうからご答弁をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 
 1点目の、前課長の現金の詐取方法、職員の関与についてのお尋ねでございますが、前課長みずから生活保護電算システムの不正操作により、架空の被保護者の情報を作出し、職員を欺き生活保護費を支出させ、金庫内に保管していた現金を搾取したものであり、他の職員の関与はなかったものと考えております。 
 次に、2点目の、架空の印鑑の管理と前課長による印鑑の使用についてのお尋ねでございますが、警察の捜査により前課長が使用していたとされる印鑑は、前課長自身の事務机から発見されておりますが、前課長がどのように印鑑を使用したかについては把握をいたしておりません。職員についても、不正への関与はなかったものと聞いております。 
 続きまして、3点目の、前課長が課長でなかった期間における課長職に対する賠償責任、処分された職員の賠償責任についてのお尋ねでございますが、資金前渡職員としての課長職の賠償責任につきましては、監査委員に監査をお願いいたしまして、結果として前課長が資金前渡職員の立場で生活保護受給者の中に架空の生活保護受給者を設定したことを知りつつ、保護費を詐取したことは地方自治法第243条の2第1項の、故意による現金の亡失に当たるとの判断をいただいており、その他、当時の課長職の賠償責任は問われておらず、本市としても、その責任はなかったものと判断をいたしております。また、本件の不正支出に関して、管理監督責任に伴う関係職員等の処分については既に行っており、賠償責任はないものと判断をいたしております。 
 4点目の、前課長が主張している不正支出したお金での職員との飲食についてのお尋ねですが、そういったことは把握をいたしておりません。 
 5点目の、異議申し立ての理由として、前課長が主張している職員の直接関与の有無についてのお尋ねですが、前課長が申し立てているような事実があったとは考えておりません。また、本事件については、本市の告訴により警察による関係職員への事情聴取も行われておりますが、結果として逮捕、起訴されたのは前課長だけであったことからも、不正支出につきましては、職員の関与はなかったものと判断をいたしております。 
 6点目の、住居喪失者等緊急一時宿泊事業の運営管理費の不適切な実態についてのお尋ねですが、契約上の運営管理員に渡るべき管理費の一部が前課長から返却されてきたものでございます。詳細につきましては、捜査機関にも情報提供に努めてきており、今後の不正支出事件の刑事公判の中で明らかなるものと考えております。 
 最後に、7点目の、前市長の発言についてでございますが、これまでご答弁をしておりますとおり、一般的な意味で、市民の方々が日常生活で困ったり悩んだりされている生活相談や心配事相談におきまして、市役所の窓口に来られる前に、事前に議員のもとに相談に行かれる場合もございます。そういった趣旨のことであったとお聞きをしておりますので、よろしくお願いいたします。 
 以上でございます。 

○(北岡隆浩議員) まず、1点目の、前課長の現金の詐取方法、職員の関与についてですが、前課長は具体的にどういう手順で金庫内の現金を手に入れたのかお答えください。また、ほかの職員は欺かれたということですが、だまされたのだとしても、やはり、ほかの職員の関与がなければ公金を引き出すことはできないと思います。どの立場の職員が、どのように欺かれ、どのように関与したのか、具体的にお答えください。 
 次に、前課長が課長でなかった期間における課長職等に対する賠償責任についてですが、本件の不正支出に関して管理監督責任を問われて処分等がされているわけです。ということは、当然、賠償責任もあると考えるのが自然ですが、なぜ管理監督責任はあると認めるのに賠償責任はないと判断するのでしょうか、その根拠をお答えください。 
 それから、前市長の発言については、全く答弁のような趣旨ではなかったということを申し添えて、2回目の質問を終わります。 

○保健福祉部長(三宅清道) 北岡議員の、2問目のご質問にお答えをいたします。 
 前課長がどのように金庫内の現金を手に入れたのかとのお尋ねでございますが、本市といたしましては、中間報告でご報告させていただいておりますとおりであり、職員のかかわりなどにつきましては、今後の公判の中で明らかにされていくものと考えております。 
 続きまして、職員の賠償責任についてのご質問でございますが、業務執行上の管理監督責任と賠償責任とは別のものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 
 以上でございます。 

○(北岡隆浩議員) ほかの職員、議員の関与や、その責任、ほかの職員を欺いて公金を引き出した、その実際の犯行の手口については、裁判の中で明らかにされていくなどということで、はっきりした答弁はしていただけなかったので、本当に高槻市がちゃんと調査をしたのかと、こういうことが二度と起きないような対策がとられているのか、非常に疑問が残ります。 
 そして、職員の管理監督責任と賠償責任は別だということなんですが、それも常識的にはあり得ない話ではないでしょうか。今回、前課長から異議申し立てなどがあったために議会で審議をしているわけですが、我々議員に対してもすべての資料が開示されているわけではありません。事前の説明でも警察の捜査にかかわるものだと言って質問に答えてもらえないことが多々ありましたし、議会では刑事事件になっているので仕方ない部分もあるかもしれませんが、事前の説明よりもお答えいただける範囲がさらに狭まっています。刑事事件の裁判が終わらないとわからない、確定できない事実もあります。したがって、我々が高槻市役所や監査委員が出した結論が妥当なものかどうかということを検証するのが難しい状況です。 
 私も住民監査請求、住民訴訟をよくやりますけれども、監査委員の出した結論が裁判所によって覆されるということがよくありました。実際、監査委員といっても4人のうち1人の代表監査委員は代々高槻市職員OBが務めていますし、2人の議員選出の監査委員も与党会派の方々です。これまでの監査結果を見ても、ほとんどすべてが市役所寄りのものであったんじゃないかなと私は感じております。ですので、法の定める手順とは反対になって、逆説的かもしれませんが、前課長にとっては裁判をやるのが一番公平な結果を得られるのではないかと思います。したがって、裁判をすることについては賛成をしたいということを表明して、質問を終わります。