高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

児童が持久走中に急死・・・マスク着用を隠蔽していた高槻市教育委員会

高槻市立の小学校で、本年2月18日、マスクを着用して体育の授業を受けた小学5年生の児童が、5分間走を走り終わる直前に倒れ、その後亡くなっていたことが分かりました。あらためてご冥福をお祈りいたします。

こうしたマスク着用に関する学校での死亡事故は、日本で初めてではないかと思います。

高槻市教育委員会は、2月26日に議員へFAXで、児童が死亡したことを報告しました。しかし、児童がマスクを着用していたことには、全く触れていませんでした。

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そのため私は当時、時々ある不幸な事故だと思い込んでいました。以下のとおり、体育の授業におけるマスク着用が不要であるとの国からの連絡があったことや、高槻市でも同様の内容のガイドラインが作成されていたことからすると、市教委は、マスク着用という重要な点を意図的に隠したと考えられます。私は住民の方からの情報で、先日初めて本件の真相を知った次第です。

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国は、昨年5月に、中国でマスクを着けた生徒が体育の授業中に死亡等した事例が出たこと等から、各学校に対して、学校の体育の授業ではマスク着用の必要はなく、着ける場合は呼気が激しくなる運動は控えるよう通知していました。そのことは、高槻市のガイドラインにも記されていますので、学校の指導に過失があった可能性があります。

しかし、先日私が聞き取ったところ、高槻市教育委員会は、5分間走は呼気の激しい運動ではない等として、過失をまったく認めません。いくらマイペースで走ったとしても、5分間走は明らかに呼吸の激しくなる運動だと思うのですが。

報道では、市教委は、5分間走時に児童がマスクを着用していたかは不明だとしていましたが、私に対しては、マスク着用を否定するようなことは言いませんでした。遺族への報告書でも、児童が走っている間マスクをしていたことをうかがわせる記述がされています。

市教委は、私に対しては、学校に過失はなかったと何度も述べました。しかし、報道されたとおり、マスク着用の状況や死因が不明なのであれば、過失があったのかなかったのかは、まだ分からないはず。過失はなかったと断言するのは、過失なしとの結論ありきなのではと疑問を覚えます。

マスクを外しても、2m以上距離を保てば、感染リスクはほぼないとされています。5分間走は、学校の屋外のグラウンドの150mのトラックで、2班に分かれて行われましたので、十分に距離をとれたはずです。児童がマスク着用を希望しても、国の指摘するリスクを考えれば、マスクを外すよう教師は指導すべきではなかったのではないでしょうか?

市教委は「児童は自分で判断する力をつけなければならない。マスクは児童が自分の判断で外すべき」ということも言っていたのですが、とはいえ、児童に自己責任で命にかかわるようなリスクを負わせるのは酷ではないかと思います。こういう事故が起きた以上、リスクのある場面では、大人がマスクを外すよう指導すべきではないでしょうか。

本件におけるマスク着用と死亡の因果関係は不明ですが、国が通知で懸念するとおり、マスク着用が死因の可能性もあり、熱中症の危険性も高まる時期ともなってきましたので、全国に注意喚起していほしいと思い、市教委への聞き取りの後、報道各社へ情報提供させていただいた次第です。

マスクを着用しない方を厳しく注意する、いわゆる「マスク警察」と呼ばれるような行為をする人もいます。しかし、マスクを着用しているほうが、命を危険にさらすこともあるのです。

この事案を教訓に、皆さんも、呼気の激しい運動をする場合や、熱中症の危険性がある場合には、他の人と間隔を開け、マスクを外すようにしてください。よろしくお願いします。