高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【子育て世帯応援券】0歳~中学生までに5000円の商品券。家計負担の大きい大学生こそ支援すべき

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これも昨日の本会議で質問したもの。

児童手当を受給する世帯(0歳~中学生のいる世帯)に対しては、新型コロナウイルス対策として子ども1人当たり1万円の臨時特別給付金が支給されていますが、高槻市は、さらに、子ども1人当たり5000円の商品券「子育て世帯応援券」を配布したいということで、今回の補正予算案にもその費用が計上されています。

上のグラフは、「教育費負担に関する国民の意識調査結果」として文部科学省のサイトにあったもの。保護者が経済的な負担として最も大きいと感じているのは、大学等の学校教育費。小中高や就学前のものの約2倍になっています。

可処分所得における教育費の割合についての資料もありましたが、

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子どもが2人いるモデル的な世帯では、1人の子が大学生になると、可処分所得における教育費の割合が跳ね上がり、さらに2人共大学生になると、可処分所得の半分近くの約44%が教育費で占められるとされています。この教育費については、下宿費や住居費等は除くとされているので、子どもが下宿している場合は、さらに負担が大きいわけです。

この文部科学省の資料からも、明らかに、大学生のいる世帯への支援を優先すべきです。今回提案された「子育て世帯応援券」の対象が中学生までとされたのは大変残念です。どうやら高槻市には独自に大学生を支援しようという気はないようです。

詳細は以下の議会でのやり取りをご覧下さい。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第106号 令和2年度高槻市一般会計補正予算(第8号)

1.子育て世帯応援券配布事業

<1回目>

 中学生までの子どもは高槻市に約4万7千人いるということですが、その中学生までの子どものいる約2万7千世帯のそれぞれに対して、高槻市独自の施策として、1冊5000円の「子育て世帯応援券」という名称の商品券を、各世帯の子どもの人数分、配布したいということです。この「子育て世帯応援券」が使えるのは、「プレミアム付き商品券事業」の取扱店舗の条件に掲げる飲食店・小規模店舗だともされています。
 資料には、この「子育て世帯応援券」の配布は、新型コロナウイルスの影響を受けた市内飲食店や小売店等への支援であると共に、「特に家計負担の大きい子育て世帯への生活支援」でもあると書かれています。
 学費の負担を考えると、大学生の世帯を優先すべきだと、5月の議会でも申し上げましたが、なぜ、配布の対象を、中学生までの子どものいる世帯としたのでしょうか?市としては、家計負担の大きさについては、幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生のうち、一般的に、どの段階が特に大きいと考えているのでしょうか?お答えください。また、その家計負担についての根拠があれば、それもお示しください。

【答弁】
 配布対象を中学生までの子どものいる世帯とした理由ですが、乳幼児や小・中学生を養育している家庭については、日々必要な食費や生活費など、家計への負担が大きいと考えられることから、今回、支援対象としたものでございます。

<2回目>

(1)家計負担についての根拠はお示しいただけませんでしたが、平成25年の文部科学省の教育費負担についての資料によると、やはり大学生のいる世帯の負担が一番大きいとされています。
 先日、メールでお送りした資料の4ページ目には、家計における教育費負担のモデルとして、子どもが二人いる共働きの世帯の平均的な例が示されていますが、1人の子どもが大学生になると、可処分所得における教育費の割合が跳ね上がって、さらに2人共大学生になると、可処分所得の半分近くの約44%が教育費で占められるとされています。この教育費については、下宿費や住居費等は除くとされているので、子どもが下宿している場合は、さらに負担が大きいわけです。
 また、その次のページには、「教育費負担に関する国民の意識調査結果」が示されていますが、保護者が、経済的な負担として大きいと思うのは、大学等の学校教育費が68.9%と最も多く、就学前教育費等の34.8%、小中高の学校教育費の31.5%の約2倍です。
 この文部科学省の資料からも、やはり大学生のいる世帯の負担が一番大きいといえるのではないでしょうか?
 市の見解をお聞かせください。

(2)今年の5月の議会で、私が、新型コロナウイルス感染症の影響でアルバイトが減少するなどして学費が払えず、退学を考えている大学生は20.3%もいるけれども、大学生や短大生、専門学校生、大学院生に対する支援についてはどう考えているのかと尋ねたところ、国や府の施策の状況等を勘案しながら検討するといった答弁をされました。
 この「子育て世帯応援券」の事業の検討にあたっては、大学生等のいる世帯を対象とすることについての議論等はされなかったのでしょうか?具体的な検討の経緯をお答えください。

【答弁】
 大学生等のいる世帯を対象とした支援についてのお尋ねですが、経済的な影響を受けている学生等への支援について、国におきましては、緊急対応措置として、アルバイト収入の減少に対する学びの継続のための学生支援緊急給付金10万円又は20万円の支給や緊急特別無利子貸与型奨学金を設けております。更に、家計急変世帯への対応として、各大学が実施する授業料等減免を支援するなど、様々な支援策を講じているところでございます。本市としましては、国の支援策も踏まえながら、今回、対象の検討を行ったものでございます。

<3回目>

 学生支援緊急給付金は10万円又は20万円だということですが、お送りした文部科学省の資料のとおり、大学生一人当たりの教育費は年間100万円を優に超えていますので、10万円や20万円をもらっても、大学生のいる世帯の負担は、他と比べて断トツなんです。
 1回目のご答弁からすると、そういう事情をよく分かっていなかったと思います。
 「子育て世帯応援券」の対象が中学生までとされたのは、大変残念です。
 今後、子育て世帯等への支援を行う場合には、客観的なデータに基づいて、本当に支援が必要な世帯へ給付等を行うようにしてください。要望しておきます。