高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【設計と異なる施工】市民の指摘前から把握していたのに惚けていた高槻市役所

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これも9月10日の本会議の決算の質疑で質問したもの。

市民プールの入り口前のエントランスの改修工事の様子を見た市民の方から、元々の工事が、設計ミスか施工ミスではないかとの指摘を、高槻市役所は受けていました。しかし、担当者は「設計及び施工に関する瑕疵はなかったものと考えています。」とメールで返信。

市民の方から相談を受け、情報公開請求をして分かったのは、当初の設計図面とは異なる施工がされていたこと。議会前に担当職員に確認すると、竣工図どおりの施工ではなかったことを認めました。市民の方の指摘は正しかったのです。

議会で質問すると、さらに驚くべきことが。市民の方の指摘は今年の4月だったのですが、市は2月にはそのことを把握していたというのです。ならば何故、そのことを市民の方には言わず、何のミスもなかったように振る舞ったのでしょうか?不誠実にも程があります。

以下はその本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■認定第1号 平成29年度高槻市一般会計歳入歳出決算認定について

<決算・市民プール>

(1)29年度に高槻市芝生町の市民プールのエントランスの改修工事を行っていますが、市民の方から、その工事についての情報をいただいたので、設計図面などを情報公開請求して確認したところ、約15年前の設計とは違う施工がされていることが分かりました。設計変更された形跡もないし、担当職員に確認したところ、改修のためにタイルを剥がして初めて分かったということなので、設計図どおりに施工されていなかったことは明らかだと思いますが、なぜ、そんなことがされたのでしょうか?お答えください。
 また、工事監理の報告書には、どのような記載がされていたのでしょうか?お答えください。 

(2)設計図では、二重にモルタルを塗って、その上からタイルを貼ることになっていましたが、実際には、専用接着剤でタイルを貼っていたということです。これらの施工は、それぞれどれだけの費用がかかるものなのでしょうか?両者の工事代金にはどれだけの違いがあるのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒1点目と2点目につきましては、市民プール建設当時の仕様書等の保存年限が既に経過しており、詳細がわかりかねます。

(3)市民プールのエントランスのタイルに割れや浮きが生じていたので、改修工事を行ったということですが、情報をくださった市民の方によると、タイルを専用接着剤で貼っていたために、タイルの下の隙間が生じて、その隙間の空気や水分が熱膨張や凍結を繰り返したせいでタイルが割れたのではないかということです。その市民の方は建設関係のお仕事をされていたということで、お詳しいのですが、設計図どおりならば、隙間が生じることはなかったので、そのような割れや浮きはなかっただろうということです。これについては、市としてどのような見解なのでしょうか?お答えください。

⇒3点目のタイルの割れにつきましては、長年繰り返された荷重が原因であると考えております。

(4)約15年前の建設当時、設計図面どおりに施工されていなかったわけですが、改修工事の図面は、当初の設計図面を基に作られていました。改修工事に影響はなかったのでしょうか?もし、設計図面どおりに施工されていた場合、工事費や工期にどれだけの影響があったのでしょうか?お答えください。

⇒4点目につきましては、今回の工事の途中で竣工図どおりの施工ではないことが判明したため変更契約を行いました。いずれにいたしましても、現地調査を行い、適切に工事を実施したものです。

(5)他の箇所でも設計図面どおりに施工されていなかったものはなかったのでしょうか?お答えください。

⇒5点目につきましては、目に見える部分において竣工図と違う部分はなかったものと認識しています。

<2回目>

(1)今回の工事の途中で竣工図どおりの施工ではないことが判明したということですが、具体的には、何年何月何日に判明したのでしょうか?お答えください。

(2)市民の方からは、今年の4月に、設計ミスか施工ミスの可能性が指摘されていましたが、そのときには、市として、竣工図どおりの施工ではないことを確認しようとしなかったのでしょうか?お答えください。

⇒1点目と2点目についてですが、現場の状況は市民の方から指摘がある前の平成30年2月6日に把握しておりました。

(3)タイルの割れについては、長年繰り返された荷重が原因であると考えているということですが、竣工図どおりの施工であった場合、荷重があったとしても、同じようにタイルが割れたのでしょうか?お答えください。
竣工図どおりの施工と、今回判明した施工とを比べると、どれだけ強度に違いがあるのでしょうか?お答えください。

⇒3点目につきましては、そのような検討は行っておりません。

(4)他の箇所については、目に見える部分において竣工図と違う部分はなかったと認識しているということです。目に見えない部分が竣工図と違うことで、寿栄小学校のブロック塀のように、倒壊するという危険性はないのでしょうか?市はしっかりと調査するべきだと思います。市の見解をお聞かせください。

⇒4点目につきましては、今後も適正管理に努めてまいります。

(5)竣工図どおりの施工ではなかったことについて、当時、施工を行った業者は、どのような主張をしているのでしょうか?
また、その業者に対して、損害賠償請求等をするつもりはないのでしょうか?
それぞれお答えください。

⇒5点目の損害賠償請求等につきましては、行う予定はございません。

<3回目>

 驚きの答弁です。
 竣工図どおりの施工ではないことは、市民の方から指摘がある前の平成30年2月6日に把握していたということです。それなのに、4月に市民の方から、「設計の問題か、施工の問題かを明確にして、業者の責任を追及していただきたい」とメールで指摘をされたのに対して、市の担当者は、竣工図どおりの施工ではなかったことを把握していたにもかかわらず、さらには、そのために改修工事について変更契約をしていたにもかかわらず、そんなことはおくびにも出さずに、「設計及び施工に関する瑕疵はなかったものと考えています。」とメールで返信しています。不誠実にもほどがある対応ではないでしょうか。
 今回、竣工図を情報公開請求して、それを市民の方にチェックしていただいて、竣工図どおりの施工でなかったことが、我々にも分かったわけですが、そこまでしないと、設計どおりじゃなかったということを、市は認めないわけですよね。認めても、先ほどのような答弁しかされないわけですが。
 そういう体質が、寿栄小学校のブロック塀のような人災を招くのではないでしょうか?寿栄小学校でも、防災アドバイザーの方から、ブロック塀の危険性を指摘されていたのに、適当なやり方で調査したり、定期点検で手抜きをしたりして、結果、女子児童の命を奪ったわけです。
 市民プールのタイルの割れや浮きについても、それのせいでケガをしても、おかしくないような危険なものだったと聞いております。
 今回の問題については、調査もしなければ、業者の責任も追及しないというのは、あまりにも不自然で滅茶苦茶です。手抜き工事で浮いたお金は、どこへ流れたんでしょうか?そういうことも含めて調査するべきだと思いますが、せめて、今回の改修工事の代金くらいは請求されてはどうでしょうか?指摘と要望をしておきます。