高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【三島救命救急センター移転】「高槻まつり」もされる駅前に移転する愚かさ

三島二次医療圏における三次救急医療体制確保に関する覚書

昨日は決算への質問について書きましたが、今回は6月議会の一般質問で私が行った、三島救命救急センター等についての質問です。まず、最後に意見として述べたものを。22日の一般質問で、私が述べたりしたことを否定された議員がおられたので、その反論もしています。

2.三島救命救急センター等について・3回目

 3市1町で何らかの合意をしたのに、市民には公開できないということです。非公開の理由も具体的にお答えいただけない。何故なのでしょうか?
 総務省消防庁へ報告したデータはシステムに保存されているということです。そのデータを使えば、三島救命救急センター大阪医科大学附属病院への救急車の搬送の平均時間も出せるのではないのでしょうか?なぜ出さないのでしょうか?
 移転後の救急車の到着時間のシミュレーションについては、今後も行う予定はないということです。心筋梗塞脳卒中、事故による頭の大けがなどで、すぐに治療をしないと危険な患者を運ぶわけですから、1分1秒の遅れが患者の命にかかわるということは、分かっていますよね。なのに、なぜ移転前後でどれだけの差があるのか、知ろうとしないのでしょうか?それがはっきりと分かってしまうと、移転に支障が出るからでしょうか?
 1分1秒の遅れが命にかかわるから、ドクターカーを始めたはずです。医者を救急車に乗せて、現地で診断と治療をしてもらう。病院に運んで治療するよりも早く治療を開始できる。それが効果を上げているんだと、社会復帰率を高めているんだと、高槻市役所は、自慢してきたんじゃないですか。
 「どっちもたかつき」のサイトでもそういうアピールをしていますが、他にも、消防本部のHPには、「特別救急隊・命の絆 ~社会復帰事例~」というページがあります。特別救急隊の取り扱った事例の中で、心肺停止状態から無事社会復帰へ至った症例を、隊員の手記として取り上げているものです。まさに、市民との「命の絆」の実話です。これを読めばドクターカーの必要性がより一層理解できるはずです。
 そのドクターカーすら、先ほどの答弁では、移転後も継続するのかどうか、明言しない。市民との間に「命の絆」はないということなんでしょうか?
 最低限、ドクターカーを含む今までの医療体制と、今までどおり、あるいはそれ以上の救急車の到着時間を確保してもらわなければ、移転なんか認められないというのが普通の市民感覚ではないでしょうか。
 高槻まつりのことを訊きましたけれども、阪急高槻市駅前に三島救命救急センターを移転させるのは、どう考えてもまずいですよね。みずき通りもけやき通りも、まつりの会場になるんです。まつりの時間帯に、四中付近から大阪医科大学へ救急車で患者さんを搬送する場合、高槻まつりの会場を突っ切ることは、答弁のとおり、できないはずです。遠回りしないといけません。
 ジャズストリートのときも、多くの人が駅前にやってきます。駅前ではそういうイベントが行われるわけですが、イベントがない日も、夜は、お酒を飲んで千鳥足になったサラリーマンや大学生が、センター街や城北通のほうから出てくるかもしれない。
 駅前が、普段でもごちゃごちゃしているというのは、3月議会で言ったとおりです。駅前には、バスやタクシー、送迎待ちの一般車で混雑していることが多いですよね。私がユーチューブにアップした動画をご覧になった方もおられますが、昨日質問された方とは別の議員の方から、動画で混雑具合がよく分かったと、お褒めの言葉をいただきました。駅前の道は、しょっちゅう混雑してる、ごちゃごちゃしているというのが、一般的な高槻市民の感覚だと思います。
 救急車は、緊急走行時には、時速80キロまで出せるそうです。サイレンを鳴らせば、確かに、だいたいの方は礼儀正しいので、車を道路の端に寄せてくれると思います。でも、そうやって道を譲ってもらったとしても、あのごちゃごちゃした駅前のみずき通を、時速80キロで走ることはできるでしょうか?
 左右に停車している車をよけながら走行するわけですが、片側1車線で狭いですから、安全確認のために、どうしても減速せざるをえないはずです。80キロなんて出せるでしょうか。
 しかも最近、高槻市のHPの「こちら部長室」に詳しく書かれていますが、みずき通には、車道の両端に自転車通行レーンが設けられました。そこを通る自転車にも注意しないといけない。自転車に乗っている人が、全員、車の免許を持っているわけではありません。ですので、救急車が来たら道を譲るという礼儀をわきまえていない人もいるはずです。車の陰から自転車が飛び出してくるかもしれません。
 また、大阪医科大学は耳鼻科もあるということなので、そこへ通う難聴の人も駅前にいるかもしれない。そんな人には救急車のサイレンが聞こえにくいかもしれない。
 大阪医科大への救急車の搬送に支障はなかったという答弁が昨日ありましたが、単に事故を起こさなかったというだけではないのでしょうか。
 どこよりもスピーディに搬送できたというのなら、各医療機関への搬送にかかった平均時間を、議会で堂々とお答えになられればよいかと思います。
 一方で、国道のほうなら、時速80キロは、ほぼ可能でしょう。これも「こちら部長室」に書かれていましたが、最近、八丁畷交差点にも右折レーンが設けられて、渋滞が解消されたということです。今城町交差点、上牧交差点でも、渋滞の解消とともに事故件数も大幅に減少するなど確実に整備効果が発揮されたということも、「こちら部長室」に書かれています。名神で事故があったら、国道が渋滞するということですが、新名神もできますよね。やっぱり、国道沿いのほうが、市民の命をよりたくさん救えるのではないでしょうか。
 駅前だと家族がお見舞いに来やすいということですが、救急車の到着が遅れて、本人が命を落としたら、お見舞いどころではなくなってしまいます。
 地域災害拠点病院は、厚生労働省の通知では、二次医療圏に原則1か所となっています。原則1か所ということなので、1か所にしなければならないというわけではないんです。大阪府内にも、2か所のところもあれば、3か所のところもあります。大阪府に情報公開請求して入手した文書によると、「主要府県と比較すると、大阪府災害拠点病院の数が少ない」とされています。
 災害拠点病院が1か所しかない場合、その病院が潰れたり、道路が寸断されたりしたら、機能しなくなります。防災の備蓄品も分散備蓄が原則です。病院も、複数個所かあったほうがいいんじゃないでしょうか。
 災害拠点病院は、何百年に1度起こるかどうかの災害に備えてのものですよね。当然それも大事ですが、災害拠点病院を1つに集約したために、救急車の到着が遅れて、毎日のように、救われたはずの命が失われるということが起きたら、本末転倒です。それはあまりにも危機管理のバランス感覚がおかしすぎますよ。
 普通なら、医学は日々進歩してますので、救命率・社会復帰率はどんどん上昇していくはずです。もし、移転後に、社会復帰率が低くなるようなことがあれば、やっぱり救急車の到着時間が延びたことが、悪影響を与えているとしか考えられません。
 三島救命救急センターの幹部職員の方からも書面をもらったのに、また、議会で指摘されているのに、移転を決定して、社会復帰率が低くなった、救われたはずの命が失われたということになったら、移転に賛成した人達の責任だといわざるをえません。「命と暮らしを守る」ためにも、ぜひ責任を果たしていただきたいと思います。
 他の自治体の議員に送った手紙が、一部の高槻市議にわたっているようです。ということは、高槻市以外の2市1町のほとんどの議員もこの問題を認識しているということなんでしょう。その人たちにも責任があるはずです。
 皆さんご承知のとおり、以前、三島救命救急センターの幹部職員の方から、議員宛に、市の担当者とのやり取りが詳細に書かれた書面が届きました。それが後日、撤回されました。その撤回の理由は、センター長の書面によると、個人として書面を送ったからだ、ということです。組織人としては、してはいけないことをしてしまったということだと思います。けれども、決して、書面に書いたことが事実ではないからだ、とはされていません。
 書面に事実を書いたとしても、書面を撤回したら、その事実は消えてしまうのでしょうか?ないことになってしまうんでしょうか?
 議会での議論というのは、事実に基づいてしなければならないはずです。市民の命にかかわることだからこそ、その事実に目を向けなければならないはずです。
 むしろ、議会としては、書面は撤回されたが、そういう事実があったのかどうか、本当なのかどうか、本人に確認をすべきではないのでしょうか?
 撤回されたのが、何らかの圧力のせいだったとしたら、圧力のために、市民の命にかかわる事実が隠ぺいされそうになったということになります。そういうことがあったら、むしろ、そのことのほうが、問題ではないでしょうか?
 あの書面は、内部通報と同じように考えて、扱うべきだと思います。
 重要な問題ですので、議会としては、百条委員会を設けて、証人として、書面を書いた幹部職員と、書面に出てくる市の担当者をお呼びして、書面の内容の確認してもいいのではないのでしょうか。
 高槻市が、救急車の到着時間のデータも示したうえで、誠実に答弁し、ちゃんと合理的な説明をしてくれるのなら、客観的な判断を下せるので、百条委員会までする必要はないかもしれません。けれども、議会で質問してもまともに答弁もしてくれない。これでは不信感が募るばかりです。まともな感覚なら、今の状況で、移転に賛成なんかできるはずはないと、私は思っています。
 三島救命救急センターは、その真横にある芥川公園に建て替えられるはずです。センターの幹部職員の方の書面によると、高槻市のほうも、都市公園の廃止の手続きに1年から1年半かかるが、可能だというようなニュアンスの説明をしていたということです。
 前にも言いましたが、都市公園の廃止については、都市公園法16条1号で、公益上特別の必要がある場合には、都市公園を廃止できることになっています。三次医療機関の建て替えに使うのだということであれば、十分に「公益上特別の必要がある場合」に該当するはすです。都市公園廃止の事例はいくつもあります。他に国道沿いに場所がないというのであれば、芥川公園に建て替えるべきです。
 命についてあらためて考えてください。行政マンとしての、議員としての、責任を果たしてください。



以下は議会での2回目の質問までのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをご了承ください。

2.三島救命救急センター等について

<1回目>

(1)高槻市茨木市摂津市島本町の3市1町で、平成29年1月30日付で「三島二次医療圏における三次救急医療体制確保に関する覚書」を締結されたとききました。この覚書では、どういった項目で、どのような内容の合意がされたのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒ 覚書は、高槻市情報公開条例第6条第1項第3号及び第4号により、非公開となっております。

(2)119番通報を受けてから対象患者を病院に搬送するまでの平均時間は、三島救命救急センターに搬送する場合と、大阪医科大学附属病院に搬送する場合、それぞれで、どれだけだったのでしょうか?過去3年度のそれぞれの平均時間をお答えください。
 また、高槻まつりが開催された日の搬送の平均時間はどれだけだったのでしょうか?三島救命救急センター大阪医科大学附属病院のそれぞれについて、過去3年度の平均時間をお答えください。

⇒ 救急医療機関への搬送時間については、個別には集計等を行っておりません。

(3)福祉企業委員会協議会の「大阪府三島救命救急センターの移転検討について」という資料を見ると、5月23日に、意見交換会の「事務局を行政が行う」ことも決議されたとあります。具体的には、どこが事務局をするのでしょうか?事務局はどのようなことをするのでしょうか?お答えください。

⇒ 意見交換会の事務局は3市1町及び大阪府が務め、資料の作成等を行ってまいります。

(4)意見交換会でとりまとめた事項は、公益財団法人大阪府三島救急医療センターの理事会だけではなく、各関係機関において決定・報告するとありますが、この各関係機関における決定には、3市1町の議会も含まれるのでしょうか?含まれるのであればどのようなことを決定するのでしょうか?お答えください。

⇒ 必要に応じて議会へ報告し、また、ご審議をお願いすることになります。

(5)第1回意見交換会の主な意見の中に、「各市・町の財政に配慮して、大阪医科大学の建物の活用が望ましい」とあります。この意見は誰が述べたのでしょうか?お答えください。
 また、各市・町の財政には、それぞれ、どれだけの影響があるのでしょうか?建築や建物の使用については、3市1町はどれだけの費用負担をするのでしょうか?お答えください。

⇒ 意見は行政から述べたもので、費用負担等具体的な事項は決まっておりません。

(6)「大阪医科大学の建築計画との関係から、時間的制約の考慮が必要」という意見もあったということです。大阪医科大学の建築計画では、いつ、どの場所に、どういった形の建物が、三島救命救急センターの移転先として、建築されるのでしょうか?お答えください。
 また、時間的制約の考慮とは、具体的には、何を、どのように考慮することなのでしょうか?お答えください。

⇒ 大阪医科大学敷地内における具体的な移転先については決まっておりません。
「時間的な制約」は、「同大学の建築計画との整合性」であると認識しております。

<2回目>

 ほとんどまともに答弁していただけませんでした。よくそれで移転を決められましたね。

(1)3市1町の覚書は非公開となっているということですが、何故なのでしょうか?具体的な理由をお答えください。

⇒ 1問目でご答弁しましたとおり、高槻市情報公開条例第6条第1項第3号及び第4号により、非公開となっております。

(2)救急医療機関への搬送時間については、個別には集計等を行っていないということです。総務省消防庁は、救急・救助の現況では、「救急自動車による現場到着所要時間及び病院収容所要時間」や「傷病程度別の搬送人員数」も公表されています。当然、高槻市も、こういった数字を総務省へ報告しているかと思いますが、その報告の基となっているデータは、どういった形で集計・保存されているのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒ 総務省消防庁への報告は、統計システムを用いてデータ入力し、オンラインシステムにより登録しています。またその元になるデータは、統計システムと当該オンラインシステムに記録保存されています。

(3)高槻まつりが開催される時間帯に通行止めになる道路を、高槻まつりの開催日以外の日に、救急車が通ることはあるのでしょうか?お答えください。
 また、高槻まつりが開催される時間帯に、四中付近から大阪医科大学へ救急車で患者さんを搬送する場合、高槻まつりの会場を突っ切ることはあるのでしょうか?お答えください。

⇒ 通行止めでない時は、通行しております。また、高槻まつり開催中に会場内をあえて救急車が通行することは現実的ではありません。

(4)救急車の到着時間が、大阪医科大学へ移転した場合に、どれだけ変わるのかについて、シミュレーションをしたことはあるのでしょうか?今後しないのでしょうか?お答えください。

⇒ シミュレーションはしておりません。また、今後も行う予定はありません。

(5)第1回意見交換会の主な意見の中には、「ドクターカー事業の継続を望む」という意見もありました。こういう意見が出るということは、特別救急隊、いわゆるドクターカー事業が廃止される可能性があるということなのでしょうか?お答えください。
 また、ドクターカー事業を継続する場合、ドクターカーが出発するのは、高槻市大学町の阪急高槻市駅前のバスが通っている道路に面したところからになるのでしょうか?お答えください。

⇒ 移転後の医療体制については、意見交換会において検討されます。

(6)大阪医科大学の建物については、府営住宅跡地のもの以外は耐震強度が不足していると聞きましたが、事実でしょうか?お答えください。
 また、大阪医科大学の建築計画というのは、具体的にどういう計画なのでしょうか?いつ、どこに、どんな建物を建てたり、建て替えたりするのでしょうか?お答えください。

⇒ 大阪医科大学の建物については、建築計画により順次建替えされるものと伺っております。

(7)高槻市関西大学の土地や建物に公金を投じましたが、大阪医科大学に対しても、そういったことをされるのでしょうか?お答えください。

⇒ 公益財団法人大阪府三島救急医療センターに対し、国・府・3市1町から補助金を交付しております。

(8)意見交換会では「各市・町の財政に配慮して、大阪医科大学の建物の活用が望ましい」という意見がでたということですが、三島救命救急センターを芥川公園に建て替えた場合の試算をして、それと比較をしたということなのでしょうか?それとも、財政的なシミュレーションはまったくされていないのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒ 具体的な金額を想定したものではありません。