高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市営バス】ある運転士によるドアセンサーの細工と乗車率等

公文書不存在による非公開決定通知

今日は9月議会の最終日。私も5項目について一般質問を行いました。以下はそのうち市バスについてのものです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

5.高槻市営バス等について

<1回目>

(1)昨日も質問がありましたが、ある運転手が、バスのドアの乗降センサーのスピーカー部分をタオル等で覆っていたことが、今年6月に整備工場で判明し、厳重注意されたということです。ブザーは問題なく機能していて、バスの運行に弊害はなかったということですが、音が小さかったり、音がしなかったりすれば、正常には機能していないと普通は考えるはずです。なぜ、問題なく機能していたといえるのでしょうか?何か基準はあるのでしょうか?音の大きさを測定したりしたのでしょうか?具体的に理由をお答えください。
(2)スピーカー部分をタオル等で覆ったことは、問題がないような説明でしたが、なぜ、それを行った職員を厳重に注意したのでしょうか?理由をお答えください。
(3)整備工場で判明したということは、他の運転士もブザー音の小さいバスを運転したと考えられます。何人の運転手が、何回、何時間くらい、ブザー音が小さくされたバスに乗務したのでしょうか?お答えください。
(4)スピーカーに細工をした運転士は、バスの電源を切って、ドライブレコーダーのカメラに自分が映らないようにしてから、スピーカーをガムテープでグルグル巻きにしていたと聞きましたが、事実でしょうか?実際にはどのようにして、音を小さくしていたのでしょうか?詳細をお教えください。

⇒1点目から4点目までのブザーについてですが、本人がタオルで覆った動機は、音をうるさく感じたためですが、実際には、こもった音で鳴っており、ブザーは問題なく機能しておりました。ただし、営業所に相談することもなく、個人の考えで行ったことについて当該職員には厳重に注意いたしました。また、そうしたバスに何人の運転手が何回、何時間乗っていたかは、調査をしておりません。その方法は、スピーカーをタオルで覆い、また、タオルを固定するためガムテープを使用していたものです。

(5)先ほどのブザーの件以外に、職員が意図的にバスに細工をするなどして、バスや機器が通常の性能を発揮しなかった事例はどれだけあったのでしょうか?また、その修理や点検のために要した費用はどれだけだったのでしょうか?それぞれお答えください。

⇒そのような事例はございません。

(6)今年の6月13日の夜に阪急高槻市駅前で、市バスが自転車に乗った女性と接触した事故があったとききました。
この事故の原因は何だったのでしょうか?バスと女性と、どちらにどれだけの原因や責任があったのでしょうか?事故後の対応はどのように行ったのでしょうか?交通部が加入している保険からはどれだけのお金が払われたのでしょうか?それぞれお答えください。

⇒阪急高槻駅前で発生した事故についてですが、赤信号で交差点に進入した自転車の女性がバス後部側面に接触したものです。なお、事故発生直後に乗務員から連絡を受け、営業所から消防・警察等に通報し搬送先の病院へ向かい対応をしたものです。保険金等については、現在治療中のため、支払いは確定しておりませんが、相手方の過失が大きいため、交通部の支払いはないと保険会社から聞いております。

(7)市民の方から、乗車率が非常に高い路線があるという相談を受けました。交通部では、乗車率をどのように把握しているのでしょうか?何か基準があるのでしょうか?乗車率が高いかどうかは、誰がどのように判断しているのでしょうか?日々、路線毎・時間帯毎に乗車率の記録はとっているのでしょうか?乗車率が高いと判断した場合、どのように対応しているのでしょうか?それぞれ具体的にお答えください。

⇒乗車率が高いかどうかの判断については、5年に1度の全線乗客実態調査、平成26年度に行った路線事業評価の結果や営業所で把握している日々の乗車状況等を勘案し、総合的に行っております。

<2回目>

(1)厳重に注意したのは、営業所に相談せず、個人の考えで行ったからだということです。営業所に相談すれば、スピーカーの音を小さくしたり、音を出なくしたりすることを許可したのでしょうか?お答えください。

⇒スピーカー音量の変更についてですが、今回の事案については、事前に相談があれば、お客様の安全性確保を前提とし、何らかの対応は可能であったと考えます。

(2)乗車率の基準についてはご答弁がありませんでしたが、高槻市では、乗車率についての基準はないということでしょうか?お答えください。
(3)日常的に、座席数の倍以上の乗客がいる、いわゆる乗車率200%を超える時間帯のある路線はどれだけあるのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒乗車率についてですが、乗車率とは、一般的に「乗車定員に対して実際に乗っている人数の割合」をいい、座席数の倍以上の乗客がいる場合は、乗車率でいいますと概ね90%程度になります。したがいまして、乗車率が200%を超えることはありません。また、市営バスに限らず乗車率に関する基準はありません。

(4)バスが満員で、お客さんが乗れなかったケースは、平成27年度では、どこで、どれだけあったのでしょうか?
(5)乗客が多い場合等には臨時便を出すと以前聞いたことがありますが、どのような基準でそういった対応をされるのでしょうか?また、27年度は何回そのような対応を行ったのでしょうか?あるいは、そのような対応はしていないのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒まず、満員でお客様が乗れなかったケースの数は集計しておりません。そうした場合や大学輸送も含めて、お客様の多い場合は臨時便を出しますが、平成27年度では両営業所で計9044便の臨時便を運行しています。

<3回目>

(1)ブザーへの細工の件は、今年の6月に整備工場で判明したということですが、何台のバスにそのようなことがされていたのでしょうか?
(2)整備工場へはどのような指示をしたのでしょうか?運転士のほうから情報があったので、整備工場へ調査を指示したと聞きましたが、運転士からは、いつから、何件の情報が寄せられていたのでしょうか?

⇒ブザーについてですが、バスの台数については把握しておりません。今年6月、運転士1名から「ブザー音が普段と違う」旨の連絡を受けて、整備工場において点検したところ判明したため、営業所で全車両の調査を行いました。

(3)以前、何者かがバスから部品を抜き取って、自動的にアイドリングストップがかからないようにされていたことがあったと聞きました。事実でしょうか?事実であれば、いつ、どのように、何台のバスでされていたのか、事件の詳細をお答えください。

アイドリングストップの部品の抜き取りについてですが、そのような事実はございません。

(4)市バスには乗車率に関する基準はなく、満員でお客様が乗れなかったケースも集計していないということです。しかし、満員でバスに乗れなかったケースも含め、平成27年度は9044便の臨時便を出したということですが、それは、誰が、どのような基準で、決定したのでしょうか?お答えください。また、臨時便を出した場合には、その理由は記録しているのでしょうか?お答えください。
(5)平成27年度の9044便の臨時便の内訳はどのようなものなのでしょうか?大学輸送は何件だったのでしょうか?満員でバスに乗れなかった場合のものは何件だったのでしょうか?他には、どういった理由で、何台の臨時便を出したのでしょうか?ケース毎の臨時便の台数をお答えください。

⇒臨時便についてですが、臨時便は運行管理者の判断により運行しています。臨時便の内訳は把握していませんが、概ね半数が大学輸送によるものと考えております。

 あとは意見です。
 乗車率の把握や臨時便の決定は、割といい加減だと分かりました。市民の方からは慢性的に乗車率が高い路線があると苦情をいただいています。せめて日々の乗車率を記録して、それに基づいて迅速且つ適切な対応をするよう要望しておきます。
 先ほどのご答弁では、事前に相談があれば、お客様の安全性確保を前提とし、何らかの対応は可能であったということでした。お客様の安全性確保を前提とするということは、やはり、ブザーの細工は、お客様の安全に影響があると、交通部は認識しているということですよね。
 整備工場で発覚したのに、報告書や整備記録といった文書を何も作っていないのでしょうか。私が今年の8月25日に情報公開請求すると、交通部は、文書は存在しないとして非公開決定を通知しました。なぜ文書がないのか疑問です。
 私は、メーカーが設定したブザーの音量などをいじるのは反対ですが、交通部が運転士の要望に対応してくれるのであれば、すべての運転士にこのことを周知して、全員に公平な対応をしてください。要望します。
 バスのドアのブザーは、何の意味もなく音が鳴るわけではありません。当然意味があるわけです。
 バスのドアには乗客の安全のために複数の安全対策がされています。
 バスのドアは、運転士が閉めようとしても、人が通ると、センサーが反応して、ブザーが鳴るだけではなく、自動的に開くようになっています。自動でドアが開くのは瞬時ではないので、乗客が一瞬挟まれた状態になることもあるそうですが、そうやって挟み込みを防いでいるわけです。
 ドアが開けっぱなしの状態で走り出すこともできないそうです。ドアが開いているときは、インターロックという装置が働いて、アクセルが踏めないということです。
 でも、それらの装置が故障したり、細工されていたりした場合はどうなるでしょうか?ドアで乗客を挟み込んで負傷させてしまうかもしれない。ドアが開いたまま走行して、乗客が転がり落ちてしまうかもしれない。バスの車内が込み合っているときには、ドア付近に乗客がいることも多いですよね。そんな乗客が、開いたままのドアから転げ落ちる危険性もあるわけです。
 そういう万一の時は、運転士にとって目視とブザーが頼りなわけです。けれども、太陽光や人影のためにドアの状況が見えにくい場合も考えられます。隣をダンプが走っていたり、工事現場の近くだったりしたら、音も聞こえにくい。そんなときに、スピーカーが細工されていて、ブザーが聞こえなかったら、運転士が勘違いをして、乗客を負傷・死亡させてしまう危険性もあるわけです。
 つまり、ブザーに細工をするというのは危険で悪質な行為であるわけです。それを些細なことのようにして済まそうとする交通部は、乗客の安全・乗客の命を軽視しているとしかいえません。
 細工をした本人であれば、ブザーが聞こえにくいことは分かっているでしょうけど、他の運転士は知らないわけです。より事故を起こす危険性があったはずです。大変な問題だと私は思います。
 しっかりとこの事件の詳細を公表して、市民の皆さんへ謝罪すると同時に、その運転士は処分すべきです。
 信号待ちで携帯を触っただけで処分される職員がいる一方で、こちらは文書もないというのはおかしいですよね。職員の処分は公平にしてください。でないと、真面目な職員の士気の低下につながるはずです。