高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

3世代定住を促進するならダブルケア対策も

高槻市では次の事業を行っています。

★平成28年度 3世代ファミリー定住支援事業の概要

・・・平成28年度は、親・子・孫からなる3世代の同居・近居を支援する「3世代ファミリー定住支援事業」として、子育て世帯が市外から市内に転入した場合を対象に「住宅取得補助金制度」と「リフォーム補助金制度」を実施します。(後略)


この補助金は、20万円が上限です。

富山県砺波市では、住宅支援だけではなく、子育て支援や高齢者支援等も受けることができるとのこと。

砺波市3世代同居推進事業
※この画像は、朝起き会・実践倫理宏正会の今年8月号の冊子に載っているものです。

3世代で同居していただければ、自治体にとっては、定住人口の増加や空き家対策等になります。住民の方にとっても、家族関係があまり上手くいかないこともあるかもしれませんが、家族が多ければ、その分支え合うことができる場合も多いかと思います。

しかし、今年4月、内閣は気になる調査結果を公表。家族の介護と子育ての両方を同時にすることを「ダブルケア」というのですが、これに直面している方が全国に推計で約25.3万人いるというのです(平成24年度の就業構造基本調査から推計)。この原因は晩婚化・晩産化等と考えられています。

家族の年齢構成や健康状態にもよりますが、3世代以上の同居・近居には、このようなことも起こりうるわけです。

ダブルケアに直面しても、介護も育児も十分にできるというご家庭もあると思います。しかし、行政が支援しなければ、家族の崩壊を招くケースもあるかもしれません。

6月議会の一般質問で質問しましたが、高槻市ではダブルケアに関する計画はないとのこと。しかし、3世代ファミリーの定住を謳うならば、なおさら、こうしたことに配慮し、支援すべきです。

以下は議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。


7.ダブルケア対策等について

<1回目>
 家族の介護と、子育ての両方を同時にすることを「ダブルケア」というのですが、そうしたダブルケアに直面している方が、全国に少なくとも25万人いると内閣府が公表しました。高槻市は、3世代ファミリーの定住を推進していますが、一方でこうした問題も発生しうるわけです。
 高槻市では、どれだけの方がダブルケアの問題を抱えているのでしょうか?
 また、市としてはダブルケアについてどのような認識なのでしょうか?対策については、何か方針や計画があるのでしょうか?それぞれお答えください。

(健康福祉部 答弁)
 ダブルケア対策等に関するご質問について、他部局にまたがりますので、私の方から答弁申し上げます。
 女性の活躍やその前提としての働き方改革が求められる中、近年、晩婚化・晩産化等を背景に、育児期にある者が親の介護も同時に引き受けるという「育児と介護のダブルケア」問題が指摘されるようになったことを受け、その人数と意識等の実態を把握するため、内閣府がダブルケアに関する実態調査を実施しております。
 その結果によりますと、ダブルケアを行う者の推計人口は、女性が約17万人、男性が約8万人の合計約25万人とされております。本市におきましては、現時点ではダブルケアに関する計画はありませんが、実態としてダブルケアの問題を抱える方が存在することは認識しております。
 
<2回目>
 横浜市では今年の4月から、該当する世帯の高齢者を特別養護老人ホームに入りやすくするために、入退所指針を見直したということです。逆に、保育所に入りやすくするということもできるのではないでしょうか?高槻市では、現時点でダブルケアに関する計画はないということですが、他市に先駆けてダブルケア対策に取り組むことは、3世代ファミリーの定住推進にもつながると思われます。ぜひダブルケアの支援策をお願いします。要望します。