高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

指定管理者の指定管理料は債務負担行為の設定を

これも先日の総務消防委員会で質問したものです。こちらのサイトを参考にさせていただきました。

債務負担行為とは、群馬県のサイトからの引用ですが・・・

 1つの事業や事務が単年度で終了せずに後の年度においても「負担=支出」をしなければならない場合には、あらかじめ後の年度の債務を約束することを予算で決めておきます。これを債務負担行為といいます。


・・・というもの。

高槻市では、市民会館や公園、スポーツ施設、駐車場などの「公の施設」の管理を指定管理者に委任していますが、いずれの期間も複数年度。当然、指定管理料の支払いも複数年度にわたりますが、高槻市は債務負担行為を設定していません。

特殊な事情があって債務負担行為を設定していないのかもしれないと考えて、いろいろと質問をしたのですが、答弁からすると、そのような事情はないといわざるをえません。しかし、高槻市は、あくまでも債務負担行為を設定しないという姿勢を貫きました。

以下がそのやりとりです。原稿とメモに基づいているので、不正確な部分もあることをお許しください。

●<債務負担行為・1>
 いずれの指定管理者の指定期間も、複数年度にわたっていますが、債務負担行為が設定されていません。債務負担行為を設定する必要はないのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

【答弁】
 指定管理における債務負担行為の設定についてのお尋ねですが、市と指定管理者は施設の管理を行うに当たり、期間や管理運営等の基本的な事項について、「基本協定」を締結しますが、この「基本協定」には、金額の定めはなく、期間内の予算を制約するものではないことから、債務負担行為を設定する必要はないものと考えております。

<債務負担行為・2>
1.「基本協定」には、金額の定めがないということですが、金額については、いつ、どのような形で、取り決められているのでしょうか?
2.市が指定管理者の候補者を選定する際には、市が示した金額に対して事業者が金額を提案して、それに基づいて市が、市提示額の70%を満点とする価格評価点を付けています。この事業者の提案金額というのは、基本的には指定期間内において、変わることはないという前提なんでしょうか?それとも、ただ単に審査の時だけ示される金額で、実際の金額とは異なるのでしょうか?お答えください。

【答弁案】
 指定管理料につきましては、各年度において予算措置を行った上で、当該年度当初に締結する「年度協定」において金額を定めております。
 また、各年度の予算額は、選定された指定管理者の提案額を基に積算しております。

<債務負担行為・3>
 「基本協定」に、金額の定めを設けないというのは、全国的にみて、標準的なやり方なのでしょうか?それとも、あまり標準的なやり方ではないのでしょうか?
 また、高槻市の基本協定書は、どこの示したものをひな型にしているのでしょうか?国でしょうか、府でしょうか?それとも、市独自で作成したのでしょうか?市独自で作成したのなら、それは何故なのでしょうか?
 それぞれお答えください。

【答弁】
 本市の基本協定書の様式は、国から示された通知内容に従い、当時の他自治体の記載内容等も参考に作成しており、標準的な様式であると考えております。

<債務負担行為・4>
 基本協定書に、金額の定めを設けないというのは、大阪府でもされていないようですが、債務負担行為は設定しています。
 総務省は平成22年12月28日付「指定管理者制度の運用について」という通知で「指定期間が複数年度にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料を支出することが確実に見込まれる場合には、債務負担行為を設定すること。」と、各自治体を指導しています。
 やはり高槻市も債務負担行為を設定する必要があるのではないのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

【答弁】
 本市では指定管理料を、各年度の「年度協定」において、取り決めていることから、債務負担行為を設定する必要はないものと判断しております。

<債務負担行為・5>
1.債務負担行為の額が変わると、経常収支比率や将来負担比率、実質公債費比率などに影響するのでしょうか?
2.28年度の指定管理者に対する委託料の総額は、どれだけを見込んでおられるのでしょうか?

【答弁】
 債務負担行為についてですが、指定管理に関しては、経常収支比率や将来負担比率等の財務指標に影響はいたしません。
 また、平成28年度の指定管理料の予算総額は、一般会計・特別会計あわせて19億595万3千円です。

<債務負担行為・6>
 先ほども言いましたが、総務省は平成22年に「指定期間が複数年度にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料を支出することが確実に見込まれる場合には、債務負担行為を設定すること。」と、各自治体を指導しています。
 高槻市の指定管理者の基本協定書には、金額の定めがありませんが、しかしそれが、国の通知に従った標準的な様式だということです。大阪府も、高槻市と同じく「基本協定書」に金額の定めがありませんが、債務負担行為を設定しています。
 「基本協定書」に金額の定めがなくても、複数年度にわたって、指定管理者の提案した額に近い金額を支出することは明らかです。
 やはり高槻市も債務負担行為を設定する必要があるとしか考えられません。28年度の指定管理料の予算総額は約19億円ということで、少ない額とはいえません。大きな額です。より適切な会計処理が必要なはずです。指摘しておきます。
 私がいくら言っても、債務負担行為の設定は必要ないということですが、28年度の予算に指定管理者に係る1年度あたり19億円もの債務負担行為の設定をしないのであれば、予算案を認めるべきではないということを他の委員の皆さんにも申し上げておきます。
 監査委員事務局の皆さんには、会計監査や決算審査の際に、この点にご留意いただきたいということを要望しておきます。