高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

組体操だけでなく、リレーや跳び箱でも骨折事故が。


今日は12月議会の最終日。私も一般質問で大きく4つの問題を取り上げました。

今年は全国的に運動会の組体操の事故が話題になりました。高槻市の現状を教育委員会に教えてもらったところ、残念ながら、高槻市内でも、本番や練習で5件の骨折事故が。それだけでなく、リレーでも2件の骨折事故。お怪我をされた皆様にはお見舞い申し上げます。体育の授業でも児童が骨折したということで、これらについて今日の議会で質問しました。以下がそのやりとりです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。


■3.学校での事故やその対応等について

<1回目>

1.今年度、運動会での組体操やその練習において、骨折をしたような事故は何件あったのでしょうか。

⇒今年度、運動会での組体操やその練習において骨折をした事故は5件ございました。

2.そのような事故があった場合、学校から教育委員会へは、どのように報告されるのでしょうか?事故から2か月以上経った日付の報告書もありましたが、何日以内に報告しなければならないといった決まりはないのでしょうか。

⇒救急搬送など、病院で受診するような事故が発生した場合は、速やかに教育指導課へ報告することとしております。

3.組体操だけではなくて、運動会のリレーでも児童が骨折する事故が少なくとも2件ありました。リレーにおける安全対策はどのようにされているのでしょうか。

⇒複数の教員による監視と、安全に競技を行うための児童への指導を行っております。

4.ある小学校では、跳び箱の手をつく部分の生地が破れているのを、ガムテープを貼って使っているそうですが、跳び箱をした児童が指を骨折したと聞いています。先生は児童に「跳び箱は20万円もする」などと言ったそうですが、事実でしょうか。

⇒授業中に小指を骨折したという事故はございました。また、教員は、跳び箱の価格について発言しております。

5.こうした事故について、市は公表していませんが、なぜ「事務処理ミス・事件・事故等」として公表しないのでしょうか。

⇒事務処理ミス等の公表に関する要件に則り、適切に対応しているところです。


<2回目>

1.病院で受診するような事故が発生した場合は、速やかに教育指導課へ報告することになっているということですが、運動会の時期が終わってから情報公開請求しても、事故の一部しか公開されませんでした。「速やかに」というのは何日以内のことなのでしょうか?2か月でも「速やかに」ということになるのでしょうか?教育委員会で「速やかに」という場合、だいたい何日以内のことなのか、お答えください。

⇒学校へは事案の内容、事故が起った原因、再発防止に向けた取組等を校内で検証し、整理した上で速やかに報告するよう指示しております。そのため、提出までには一定の期間が必要と考えております。

2.リレーについては、複数の教員による監視などを行っているとのことです。しかし、2件も児童が骨折する事故が起きてしまいました。これでちゃんと監視や指導をしていたと言えるのでしょうか?お答えください。
 また、リレーについては、今後、どのように取り組まれるのでしょうか?教育委員会の見解をお聞かせください。
 市や教育委員会は、被害者に対して、どういったことができるのか?何か保険などから補償がされるのでしょうか?これについても併せてお答えください。

⇒当該校では、運動会当日までに、バトンの受け渡しや、前の走者を追い抜く際の留意点などについて指導をしております。しかしながら、走り終えた後の安全確認の指導については、十分ではなかったと認識しております。
 今後については、学習指導要領の内容や児童の実態をふまえ、安全かつ適切に実施できるよう指導してまいります。
 学校管理下で発生したケガにつきましては、一定額以上の医療費がかかった場合、日本スポーツ振興センターの給付の対象となります。また、最終的に何らかの障害が残った場合には同センターの規定に基づき障害見舞金の対象となる場合があります。

3.跳び箱で指を骨折した事件について、小さく8点伺います。
①跳び箱をはじめ、用具の点検はちゃんとされていたのでしょうか?もし点検をされていたのであれば、どれだけの頻度で、どういった項目を、点検していたのでしょうか?
②跳び箱に穴が開いていたのは、ご存じだったのでしょうか?
③穴が空いている跳び箱をガムテープで補修するというのは、正しいやり方なのでしょうか?
④穴が空いている跳び箱を使用していたのは何故なのでしょうか?予算上の制限等があったのでしょうか?そういうことが習慣としてされているのでしょうか?詳細をお教えください。
⑤ こういったことは、高槻市内のどの学校でもされているのでしょうか?
⑥現在、高槻市内には、どれだけの不良品の跳び箱があるのでしょうか?そのうち使用されているのは、どれだけなのでしょうか?
教育委員会では、用具の故障や補修、あるいはその使用について、どのように指導されているのでしょうか?また、今回の件が、教育委員会の指導から外れたものであったとしたら、なぜそのようなことが学校現場で起きてしまったのでしょうか?
⑧今後は、用具や体育の指導、被害児童や保護者への対応について、どのように取り組まれるのでしょうか?教育委員会の見解をお聞かせください。

⇒跳び箱の件についてまとめてお答えいたします。
 教育委員会では、体育活動中に危険が予測される場合には、回避するための具体的な安全対策を講じるよう通知しております。学校では、使用前に用具等の安全点検をし、不都合がある場合には、修繕や使用禁止にするなど、危険防止のための具体的な措置を講じております。
 しかし、今回の件は、当該教員が、布の破損を確認しなかったことが事故の要因のひとつになったと考えております。
 体育活動は、その特性上、けがや事故が発生する危険性が常にあることから、安全管理や安全指導、授業規律の確保を徹底するよう指導してまいります。また、万一事故が発生した場合の救急体制の整備も再度徹底してまいります。
 なお、不良品の跳び箱の数は、教育委員会では把握しておりません。


<3回目>

 事故については、いくら安全に配慮しても、ゼロにはできないと思います。でも、できるだけ起きないように、今回の不幸な出来事も教訓にして、より一層の安全対策を講じていかなければなりません。そのことは、教育委員会の皆さんも、学校の皆さんも同じ想いだと思いますが、今回の件、僭越ながら、私なりにまとめさせていただきます。
 まず、リレーの走り終わった後の安全対策に盲点があったということです。今年は全国的に組体操の事故が話題になったので、それには気を付けておられたと思いますけれども、リレーについても、こうした盲点があるということを、市内のほかの学校にも伝えていただければと思います。
 次に、用具の故障だけではなくて、おざなりな補修が事故につながることがあるということです。用具の点検などに関して、具体的な答弁がなかったということは、点検をきっちりとできていないということではないのでしょうか。公園の遊具で事故があれば、一斉に点検しますよね。体育の用具についても、今後こうした事故を起こさないように、この機会に、点検すべきです。そして、交換すべきものがあれば、ガムテープなんかで、下手な補修などせずに、交換してください。
 そして、報告の遅れですよね。事故から2か月以上経って提出された報告書を見ると「(教育委員会からの)通知文に教育委員会への即時の報告とあったにもかかわらず、報告が遅くなったことは、校長として大いに反省している。」と書かれていました。「速やかに」ではなく、「即時」に報告するよう通知しているはずですので、事故が起きた日のうちに、簡潔にでも一報を入れるということを、あらためて徹底すべきです。それから、用具の不備で負傷したのであれば、これは少なくとも公表の対象になるはずです。
 最後に、被害児童・生徒に対する学校の対応です。「運動会で重傷を負ったけれども、先生が心配して毎日送り迎えをしてくれる」と、評価をされている保護者の方もおられます。一方で、「跳び箱は20万円もするんだ」というのは、「『児童が骨折しても構わない。ガムテープの補修で20万円をけちるほうがいい』という考えなのか?」ということにもなりかねないですよね。先生も口が滑ったのかもしれませんが、被害児童は、骨折のために、痛いだけじゃなくて、スポーツの全国大会に向けた練習もできなかった、そういう悔しい思いをしています。事故後の学校の対応次第で、児童や保護者の気持ちも違ってきますので、被害者の心情を慮って対応していただきたいと思います。
 被害児童の保護者の方々は、私が聞いた限りですが、ただただ、今後はこういうことは起きてほしくないと願っておられます。その思いに是非応えてください。事故の原因に対する反省と改善をしていただいて、これから一層、安全で楽しい運動会と体育の授業を、よろしくお願いいたします。