高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

高槻市バスの勤務時間から不必要な「待機」を無くすべき

平成24年4月1日現在高槻市バス乗務員の平均月収は民間の1.5倍

昨日の本会議ではいくつかの議案について質問。高槻市バスの決算(平成24年度高槻市自動車運送事業会計決算)についても質問しました。

以下は市バスの決算(監査委員による決算審査意見書)で私が気になった部分を抜き出したものです。これでおおよその経営状況が分かるかと思います。

 本年度の自動車運送事業経営は、生産年齢人口の逓減、雇用情勢の悪化などにより引き続き輸送人員が減少し、営業収益は前年度に比べ3,180万円のとなった。一方、営業費用は、軽油単価の上昇、減価償却費の増加などで、前年度に比べ2,326万円のとなり、営業収支は9,132万9千円の営業損失となった。
 収益的収支決算は、総収益35億9,562万8千円に対して、総費用は33億6,277万1千円となり、当年度純利益2億3,285万7千円が計上された。
(中略)
 人件費の・・・経常費用(営業費用+営業外費用)に占める割合は71.0%で、前年度の71.6%に比べ0.6ポイント低下している。常勤職員(管理者を除く。)一人当たりの月平均給与額は、全職員では60万2,569円で前年度に比べ3万4,270円(6.0%)の増、運転士では60万425円で前年度に比べ4万5,098円(8.1%)の増となっている。
(中略)
 なお、営業収益には高齢者、身体障がい者等運賃無料化市補助金の6億9,184万8千円営業外収益には生活交通路線維持事業補助金や共済追加費用、児童手当及び子ども手当に要する経費などの一般会計繰入金2億3,311万6千円が含まれ、これら補助金等が総収益の25.7%と大きな割合を占めている。
(中略)
 なお、平成24年1月に発覚した営業所売上金不明事件においては、債務弁済承認合意書に基づき本年度の過年度損益修正益で3,605万6千円計上されており、その一部が返還されている。



議場では以下のようなやりとりをしました(原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをご容赦ください)。

<質問1>

(1)待機時間は何種類あり、それぞれ、1日平均何人が、何時間何分待機したのでしょうか?
(2)運送収益が減っているのに、現金収入が増えているのは、窃盗事件発覚後に、精算機への出入り等の監視を強化した影響なのでしょうか?
(3)特別休暇と病気休暇は、24年度において、どれだけ取得され、どれだけの給与が支給されたのでしょうか?


<答弁>

 北岡議員お尋ねの数点に渡るご質問にお答えいたします。
 まず、待機時間は何種類あるかとのお尋ねですが、交通部としては待機時間に種類があるという認識をしておりません。また、待機時間は、運行状況に応じて日々変わりますので、集計しておりません。
 運送収益全体では対前年比で減少しているにもかかわらず、普通券収入は増加していることについてのお尋ねですが、ピタパ・イコカ等ICカードを利用された場合の運賃は、普通券収入として収納します。
 ICカードを導入いたしました平成20年から、IC化を推進していることから、年々、ICカードを利用されるお客様が増えており、そのため、回数券収入が減少し、普通券収入が増加いたしております。
 特別休暇と病気休暇の取得実績についてですが、特別休暇は1406日、病気休暇は589日でございます。
 また、それに係る給与の支給実績については、算定しておりません。


<質問2>

1.待機について

(1)待機に関してちゃんと認識・集計していないようなご答弁ですが、それで本当に適正に職員の勤務状況やバスの運行を管理できているのか疑問です。
 なお、待機に関しては、平成21年の9月議会で、当時の山本管理者・今の副市長が答弁していますが、それによると、まず1つ目には、午前4人、午後6人のいわゆる固定予備で、基本的には1人1日約7時間待機をしているもの。2つ目には、これはなくなりましたが、超過勤務命令を出した中で、仕業表の中では休憩時間というふうに書いている部分を待機と称して手当を支給していたもの。3つ目には、かつての労組幹部優遇ダイヤがそのまま残されているもので、勤務の最後の1時間ぐらいが、待機だとされているもの。
 そして、それ以外に4つ目として、「透明バス」と私が名づけて・・・裁判所では「からくりダイヤ」と呼ばれていますが・・・休憩時間の前などに、無意味な時間が設定されているもの。これは、職員の方によると、週38時間45分の勤務時間を確保するために、つまり勤務時間を水増しするために設けられているわけですが、それを高槻市自動車運送事業管理者は、裁判では、「待機」の時間だと主張しています。
 また、労働組合の役員らが、組合の会議に出席することなどを理由として、勤務変更を当局から許可された場合に、変更前後に勤務時間の差異があれば、その差異の時間を待機としているものがあります。
 これらの待機については、1日平均何人が、何時間何分待機したのでしょうか?お答えください。

(2)さらには、輪番(第一輪番)上にある予備勤務(当日の指示により仕業が割り当てられるもの)による不足分をA勤務の場合は退勤時間、B勤務の場合は出勤時間で調整させる待機時間というのがあると聞いたのですが、事実でしょうか?お答えください。また、この待機については、1日平均何人が、何時間何分待機したのでしょうか?お答えください。

(3)渋滞などで各車に遅延が発生した場合に、急遽、残業などで待機させる場合もあると聞きましたが事実でしょうか?お答えください。また、この待機については、1日平均何人が、何時間何分待機したのでしょうか?お答えください。

(4)これら以外にも「待機」をさせている時間があるのでしょうか?あるとすればどのようなものでしょうか?具体的にお答えください。

(5)以上のそれぞれの待機において、待機者がバスを運転するなどの緊急的な出動を行ったことはどれだけあるのでしょうか?それぞれの待機の種類ごとにその実績をお答えください。

2.現金について

 精算機の運賃データと現金とを照合した結果、誤差はどれだけだったのでしょうか?また、その現金の総額は、平成23年度と24年度の決算で、それぞれ何円だったのでしょうか?

3.休暇の取得について

 特別休暇は1406日、病気休暇は589日ということですが、平成24年度における、①職員数、②祭祀休暇の取得者数、③病気休暇の取得者数と平均取得日数を、それぞれお答えください。


<答弁>

 北岡議員お尋ねの数点に渡るご質問にお答えいたします。
 まず、待機についての1点目から5点目までのお尋ねでございます。
 市営バスは、年間365日、朝の5時過ぎから夜中の午前0時まで、1日約19時間の営業をしております。その中で、定時制の確保は、我々、公共交通機関に課せられた使命の一つであり、そのため、必要に応じた待機勤務が発生しております。
 1日平均何人が、何時間何分待機したのかとのお尋ねですが、先ほど答弁したとおり、待機時間は、運行状況に応じて日々変わりますので、集計しておりません。
 次に、これら以外にも「待機」させている時間があるかとのお尋ねですが、先ほど申し上げたように、市営バスを運行する上で、必要に応じて待機させております。
 また、待機者における出動実績についても、市営バスを運行する上で日常的に発生するもので、集計しておりません。
 次に、運賃箱データと現金との誤差及び現金の総額についてのお尋ねですが、
 平成23年度分につきましては、警察による捜査に支障を及ぼす恐れがございますので、答弁は控えさせていただきます。
 平成24年度の誤差につきましては、2,617万8,131円でございます。また、運賃箱で収受した現金の総額は、8億9,755万4,592円でございます。
 次に、休暇の取得についてのお尋ねですが、
 まず、職員数についてですが、平成25年3月末時点で、215名でございます。
 次に、祭祀休暇の取得者数についてですが、185名でございます。
 また、病気休暇の取得者数は27名、平均取得日数については21.8日でございます。


<質問3>

 待機についてはまともにお答えいただけませんでした。午前4人、午後6人のいわゆる固定予備の待機と、渋滞などで遅延が発生した場合に、急遽、残業で待機させる場合、これは必要な待機だと思います。けれども、その他の待機は不必要でしょう。労働組合の役員らの会議の勤務変更による待機などは「定時制の確保」とは無関係です。「待機時間は、運行状況に応じて日々変わります」ともおっしゃっていましたが、それとも関係がありません。不必要なのに、「待機」と称して勤務させて、それで給与を払うというのは、どう考えても公金の無駄ですし、これが労働組合の役員らだけにされているのならば、労働組合に対する利益供与であると思います。
 平成25年4月公表分の「高槻市の給与・定員管理等について」によると、民間バス会社の運転手の方との平均月収額の格差はさらに広がって、ちょうど1.50倍となっていました。民間の1.5倍もの給料をもらっているわけですよ。給料が高い上に、無駄な待機に給与を払っている。24年度の決算において人件費が経常費用に占める割合は71.0%ということです。人件費が一番大きな割合を占めているのに、こういう無駄をしている。このことは西邑管理者にもご認識いただきたい。これではまともな経営をしようとしているのか疑問です。
 運賃箱データと現金については、警察による捜査に支障を及ぼす恐れがあるので答弁しないということですが、何月何日に何円の誤差があったかというなら支障があるかもしれませんが、1年度分の決算上の数字を言ったからといって、警察の捜査に支障をきたすはずがないと思います。どのような支障をきたすのでしょうか。
 運賃箱データと現金との平成24年度の誤差は、2,617万8,131円で、運賃箱で収受した現金の総額は、8億9,755万4,592円ということですが、運賃箱データのほうが金額が大きかったのでしょうか?それとも、現金のほうが金額が大きかったのでしょうか?どちらなのか、お答えください。
 祭祀休暇の取得率についてですが、職員数が215名で、取得者数が185名ということは、86%ということになります。不正取得はなかったのでしょうか?お答えください。

<答弁要旨>
・現金のほうが額が大きかった。
・祭祀休暇は適正に取得されている。