高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

官僚より恵まれた特別休暇。実は有給扱いできる根拠が条例になかった?!

平成23年度 休暇等部局別平均取得日数

特別休暇と病気休暇(両方とも有給扱い)が不正取得されている疑いがあり、実は条例上、無給としなければならないのではないか、ということを昨日の高槻市議会の総務消防委員会で取り上げました。

詳しくは、以下の私の質問と市側の答弁の内容をご覧いただきたいのですが、一刻も早く不正をやめさせなければならないと、本日、住民監査請求を行いました。

★議案第39号 平成25年度高槻市一般会計予算 
 ~人件費とそれに関係する休暇制度の見直しについて~

<休暇・質問1>
(1)職員団体や労働組合に対して、特別休暇などについて、国家公務員の制度に準じた修正案を申し入れたとのことです。つまり、国家公務員より恵まれた条件であるということだと思いますが、どのような修正案なのでしょうか?現行のものとは、具体的にどこがどう変わるのでしょうか?お答えください。
(2)平成24年度および平成25年度における、病気休暇、介護休暇、ならびに、特別休暇の、ドナー休暇、ボランティア休暇、結婚休暇、産前休暇、産後休暇、育児時間休暇、生理休暇、妊娠障害休暇、妊娠通院休暇、妊娠通勤緩和休暇、配偶者出産休暇、男性職員の育児参加休暇、子の看護休暇、短期介護休暇、忌引休暇、祭祀休暇、リフレッシュ休暇、夏季休暇、その他の特別休暇、のそれぞれについて、取得延べ人数、取得延べ日数、取得職員に支払う休暇分の給与の額は、どれだけを見込んでいるのでしょうか?また、平成23年度における取得延べ人数、取得延べ日数、取得職員に支払う休暇分の給与の額は、どれだけだったのでしょうか?それぞれお答えください。
(3)忌引き休暇や祭祀休暇については、誰がお亡くなりになったのか、誰の命日なのか、何回忌なのか、そういったことはちゃんと確認しているんでしょうか?証拠を出させるなどしているのでしょうか?お答えください。毎年、別々の日に祭祀休暇を取得しているような人は、怪しいのではないかと思いますが、そうした人はいないのでしょうか?それについてもお答えください。
(4)その他の特別休暇や病気休暇、介護休暇についても、しっかりと理由を確認し、証拠を出させるなどしているのでしょうか?
(5)病気休暇、介護休暇、特別休暇は、それぞれ有給なのでしょうか?また、退職手当の算定には、どのように反映されるのでしょうか?

≪休暇・答弁1≫
 1点目の申し入れについてでございますが、結婚休暇や忌引休暇等の日数について改正を行うものでございます。
 2点目の平成24年度及び平成25年度における病気休暇などの取得延べ人数等につきましては、積算しておりません。また、平成23年度につきましては、平成25年度当初予算の審議と関係のないものと思われますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 3点目の忌引休暇や祭祀休暇につきましては、休暇の趣旨に基づき申請により承認を行っております。
 4点目の病気休暇につきましては、医師による診断書、介護休暇につきましては要介護者の診断書等を提出させて承認を行っております。
 5点目の介護休暇につきましては無給、病気休暇や特別休暇につきましては有給でございます。また、いずれの休暇も退職手当の算定には影響を及ぼしません。

<休暇・質問2>
(1)「結婚休暇や忌引休暇等の日数について改正を行う」とのことですが、具体的にはどういった改正をするのでしょうか?何を何日減らして何日にするのでしょうか?廃止する休暇や、取得条件を変える休暇はあるのでしょうか?あるとすれば、どういったもので、どのように変わるのでしょうか?それぞれ具体的にお答えください。
(2)平成23年度分は、平成25年度当初予算の審議と関係のないので、答弁は差し控えるということですが、24年度の集計ができていない以上、25年度の予測を行う場合には、23年度の数字に基づくほかはないはずです。あらためておききします。23年度の実績と、24年度及び25年度の見込みをお答えください。また、その各年度の休暇分の給与額あるいは見込み額、ならびに改正による削減見込み額についても、お答えください。
(3)「忌引休暇や祭祀休暇につきましては、休暇の趣旨に基づき申請により承認を行っております。」というご答弁ですが、先日、人事課にお出しいただいた「平成23年度 休暇等部局別平均取得日数」という文書を見ると、
祭祀休暇と病気休暇
祭祀休暇の取得率が、市長部局では約33%であるのに対して、交通部は約89%、消防本部も約80%と非常に高くなっています。毎年毎年法事があるわけでもないし、交通部と消防本部の数字は明らかに異常だと思いますが、ちゃんとチェックしてきたんでしょうか?毎年、別々の日に祭祀休暇を取得しているような人は、本当にいないのでしょうか?法事でもないのに祭祀休暇を取得した人はいないのでしょうか?なぜこんなに高い取得率なのか、その理由をお答えください。
(4)逆に、病気休暇については、その平均取得日数が、交通部で18.5日、消防本部で15.4日であるのに対して、市長部局で30.9日、教育委員会で38.1日、水道部で39.6日と高くなっています。この理由は何なのでしょうか?お答えください。
(5)病気休暇は連続して90日まで取得でき、また、28日間の期間をおけば、断続的に取得できるようです。この有給の病気休暇については、最大で何日間取得されたことがあるのでしょうか?お答えください。また、休職の期間と合算した期間で、最大のものは、何日なのでしょうか?お答えください。
(6)育児に関しては、休暇のほかに、休業という制度がありますし、病気に関しては、休暇のほかに、休職という制度があります。なぜ休暇と休業・休職というものが、別々の制度としてあるのでしょうか?お答えください。
(7)病気休暇や特別休暇については有給ということなんですが、どの条例の第何条に基づいて有給としているのでしょうか?お答えください。
(8)介護休暇・病気休暇・特別休暇については、退職手当の算定に影響しないということですが、どの条例の第何条に基づいてそのような算定をしているのでしょうか?お答えください。

≪休暇・答弁2≫
 1点目の改正の内容ですが、結婚休暇について7日を5日、忌引休暇の配偶者について10日を7日にするなどの改正でございます。
 2点目ですが、繰り返しになりますが、平成25年度当初予算の審議と関係のないものと思われますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 3点目及び4点目の祭祀休暇と病気休暇の取得率についてですが、それぞれの休暇の趣旨に基づき、本人の申請により承認を行って取得したものでございます。
 5点目の病気休暇の日数については集約してございません。
 6点目の休暇と休業・休職の制度についてですが、休暇と休業は本人からの申請に基づき承認するものであり、休職は任命権者の発令に基づくものでございます。
 7点目の病気休暇や特別休暇につきましては、高槻市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例に基づき規定されており、取得において減額規定がないことから有給となっております。
 8点目の介護休暇・病気休暇・特別休暇についての退職手当の算定につきましては、高槻市職員の退職手当に関する条例に基づき規定されており、取得において除算規定がないことから退職手当の算定に影響を及ぼしません。

<休暇・質問3>
 「病気休暇や特別休暇については、減額規定がないことから有給となっている」、「介護休暇・病気休暇・特別休暇についての退職手当の算定については、取得において除算規定がないから退職手当の算定に影響を及ぼさない」ということですが、給与条例主義からすれば、明確に有給とする規定が条例になければ、無給としなければならないのではないでしょうか?あるいは退職手当の算定からその期間を除算しなければならないのではないでしょうか?お答えください。

≪休暇・答弁3要旨≫
 繰り返しになりますが、病気休暇や特別休暇につきましては、高槻市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例に基づき規定されており、取得において減額規定がないことから有給となっております。
 介護休暇・病気休暇・特別休暇についての退職手当の算定につきましては、高槻市職員の退職手当に関する条例に基づき規定されており、取得において除算規定がないことから退職手当の算定に影響を及ぼしません。

<休暇・質問4>
 まず、そもそも「特別休暇」とは何なのかということなんですが、「マネー辞典」というサイトによりますと・・・
 企業が法定休日、所定休日、有給休暇とは別に、任意に定める休日のこと。企業就業規則によるが、慶弔、妊娠、育児、介護などのための休暇を特別休暇と定めるのが一般的となっている。
他にも、裁判所などの公的機関に出頭する必要がある場合、ボランティアに参加する場合などを特別休暇に定める企業がある。また、夏季休暇を所定休日とせずに、特別休暇にする企業もある。
特別休暇を有給とするか、無給にするかについても企業が任意で定めることができる。 
・・・とされています。つまり、「特別休暇」は、有給か無給か任意なんです。有給でもいいし、無給でいい。それは企業が就業規則で定めてくださいということです。病気休暇についても、病気休暇の制度そのものがない企業もありますし、無給のところもあります。
 次に、「給与条例主義」とは何か、ということです。福島県のホームページの「給与条例主義の原則」というところから引用しますが・・・
 公務員の給与については、いわゆる「給与法定主義」がとられており、地方公務員の給与の場合、それを決定する法形式が条例であることから、「給与条例主義」といわれています。
 具体的には、地方自治法第203条第4項及び第204条第3項において、報酬、給料、手当の額並びにその支給方法は条例で定めなければならないと規定するとともに、同法第204条の2において、いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基づく条例に基づかずには職員に支給してはならないと定められています。
 また、地方公務員法においても、第24条第6項で、職員の給与、勤務時間その他勤務条件は条例で定めることとし、これに基づかずにはいかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならないと定められています。
・・・これが給与条例主義ということで、つまり、条例に書いてないものは、いかなる金銭も職員に支給できないんです。
 ご答弁では、病気休暇や特別休暇については、「高槻市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例」に減額規定がないから有給だということですが、つまり、逆にいうと、そういう答えしかできないということは、有給にするという規定が条例にはないということを、お認めになっているということです。
高槻市の「一般職の職員の給与に関する条例」の第15条には・・・
 職員が勤務しないときは、その勤務しないことにつき、任命権者の承認があつた場合を除く外、その勤務しない1時間につき、・・・勤務1時間当りの給与額を減額して給与を支給する。
・・・とありますので、病気休暇や特別休暇の場合、勤務をしていないし、他の条例上にも有給とする規定がないから、給与から減額しないといけない。
 ちなみに、大阪府の条例を調べてみたんですが、大阪府の「職員の給与に関する条例」では、28条1項で・・・
 職員が正規の勤務時間中に勤務しないときは、・・・休暇が与えられた場合、その他その勤務しないことにつき特に承認があつた場合を除くほか、その勤務しない時間一時間について、・・・勤務一時間当たりの給与額を減額する。
・・・とされていて、明確に、休暇については、給与を減額する場合から除くと条例に謳われています。
 高槻市の給与に関する条例の規定からすると、病気休暇や特別休暇は、無給にしなければならない。有給だというご答弁なんですが、これまで、有給としてこれらの休暇に関して給与を支給してきた行為は、違法であると考えざるをえません。病気休暇と祭祀休暇の取得のされ方がおかしいのではないか、ちゃんと理由をチェックしていないのではないかということを先ほど指摘させていただきましたけれども、そういう問題もあるんですが、そもそも、病気休暇や特別休暇について給与を支給してきたことそのものが違法であるわけです。
 そこで、最後に2点質問させていただきます。
(1)濱田市長は、今後も、病気休暇や特別休暇について、有給として扱って、給与を支給するおつもりなんでしょうか?それとも無給とするのでしょうか?お答えください。
(2)これらの休暇を取得されてきた職員の皆さんには、その分の給与相当額を返還していただかないといけないのではないか。決裁権者と任命権者には損害賠償をしていただかないといけないのではないか。と考えますが、濱田市長の考えをお聞かせ下さい。

≪休暇・答弁4要旨≫
 第24条5項では「職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。」と定められている。

<休暇・質問5要旨>
 国や民間企業との均衡を図らなければならないということですけれども、やはり、条例には特別休暇等を有給にするとは書いていないので、せっかく職員長に答弁していただきましたが、説得力がありませんね。
 病気休暇や特別休暇に関する給与の支給をやめる考えもないし、不当利得返還請求や損害賠償請求のお考えもないようですので、住民監査請求をしようと思います。
 病気休暇と祭祀休暇の取得のされ方は、先ほど述べたとおり、数字だけ見ても、統計的に、というか常識的に、どう考えてもおかしいわけですから、コンプライアンス室や監査委員が調べるべきです。きっちりと市長の責任で調査するよう要望します。
 休暇・休業・休職の制度の並立についても納得のできる答弁がされませんでしたし、取得のされ方が明らかに不自然ですし、そもそも病気休暇や特別休暇を有給扱いとすることは違法であると考えますので、人件費の予算案には反対をします。