高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【ペット焼却・返骨】収支計画が赤字の料金設定は民業圧迫にならないのか?

高槻市は、公営のごみ焼却施設で、ペットの返骨を行うとして、その手数料の新設を提案しました。

【議案第23号】高槻市手数料条例中一部改正について
 現在廃棄物として処理を行っている犬、猫等のペットの死体について、その焼却後の骨に係る返却の要望が多いことから当該要望に対応するため、高槻クリーンセンターにおいてペットの死体の焼却等に係る事業を行うこととし、当該事業に係る手数料を次のとおり定める。(第2条及び別表第17関係)

区分:金額(1体につき)
ペットの死体の焼却(返骨有り):10000円
ペットの死体の焼却(返骨無し):2000円
ペットの死体の収集、運搬及び焼却(返骨無し):2500円



これについて、先日の高槻市議会本会議で、以下のように質問しました(実際の発言とは異なっている可能性があります)。

<質問1>
 ペットの焼却等に係る事業を行うということですが、それに係る初期費用やランニングコスト、職員の人件費はどれだけになるのでしょうか?また手数料収入はどれだけを見込んでいるのでしょうか?

≪答弁1≫
 北岡議員の数点のご質問にお答えします
 初期費用として、平成24年12月議会で修繕料700万円を補正し、現在、改修しております。
 次に、ランニングコストとしては、人件費を含めて、690万円とし、手数料収入につきましては、350万円を見込んでおります。

<質問2>
 手数料収入350万円に対して、初期費用700万円、ランニングコスト690万円ということです。つまり、赤字を見込んでいるということですが、なぜ手数料の金額を、ペットの死体の焼却で、返骨ありが1万円、なしが2000円、ペットの死体の収集、運搬及び焼却(返骨なし)が2500円という料金設定にしたのでしょうか?お答えください。

≪答弁2≫
 ペットの焼却にあたり、今までの実績を元に数頭まとめて焼却した場合、また1頭のみ焼却した場合、さらに、受益者負担、収集運搬等を総合的に判断して算定したものです。

<質問3>
 総合的に判断して、手数料を算定したということですが、収支を赤字だと予測していることは間違いないですよね。
 がんばって設備投資をして、住宅から離れた場所に土地を確保するなどして、先ほどの議案第21号・高槻市ペット霊園の設置の許可等に関する条例案の基準を満たしているような、そんな優良な事業者からすると、行政が、同じ事業において、利益を度外視した手数料の設定をするというのは、民業圧迫だと、憤りを覚えられるのではないのでしょうか?
 それとも、先ほどの議案第21号の条例案では実質的に事業者を規制できないから、故意に手数料を格安にすることによって、民間事業者から、顧客を奪おうと考えておられるのでしょうか?
 既に同じ事業をしている民間の方がおられるのに、行政が、収支が赤字となるような手数料で事業を行うというのは、問題ではないのかと思うのですが、こうした点について、市の見解をお聞かせ下さい。

≪答弁要旨≫
 市民の要望が高いので、それに応えるために、市民サービスとして設置するものです。



人間ならば、火葬場で遺骨を返還してくれるのですが、ペットについては、高槻市では、廃棄物として扱って、返骨はされてきませんでした。ペットを家族同然に愛している方にとっては寂しい思いがされたかと思います。

そうした状況で、ペットの火葬や葬儀の事業を起こされた方というのは、市民の潜在的なニーズを見つけ出して、新しいビジネスを起業されたわけですから、行政が、産業振興とか起業支援とかいうのであれば、尊重しなければならないのではないかと思います。

それを、収支が赤字となるような料金設定をして、後から同じような事業を行政がするというのは、おかしいはず。

ペットの火葬によって出た煙や臭いが、市民の皆さんに迷惑をかけているのなら問題ですが、それは法令に基づいて規制すべきであって、安い価格をぶつけて民間業者を潰すようなことはすべきではありません。周囲に迷惑をかけない立地で、臭い等の出ない火葬炉を設けている、優良な事業者もいるかもしれないのですから。