高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

35人学級の教員は任期付職員でいいのか?

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現在、高槻市立の小学校は、1年生が国費で、2年生が大阪府の費用で、6年生が高槻市の費用で、それぞれ35人学級になっていますが、現在40人学級の3~5年生も、高槻市の費用で35人学級にしたいので、給与等に関する条例を改正したいとの提案が12月議会でありました。

それ自体については大いに賛成です。京大農場を買い取るという無駄なことをやめて、子供達のためにそういった方向へもっと公金を投じるべきではないかと思います。

ただ、その35人学級の拡充について、(1)任期付教育職員を採用することと、(2)何人採用するのか・どれだけ費用がかかるのかについて議会で尋ねても答えないことに、疑問を覚えました。

任期付職員については、「地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律」とそれに基づく高槻市の条例があります。条例を読むと(ちょっと長いですが)・・・

一般職の任期付職員の採用に関する条例
(中略)
(職員の任期を定めた採用)
第2条 任命権者は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合には、職員を選考により任期を定めて採用することができる。
2 任命権者は、前項の規定によるほか、専門的な知識経験を有する者を当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させる場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときであって、当該者を当該業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、職員を選考により任期を定めて採用することができる。
(1) 当該専門的な知識経験を有する職員の育成に相当の期間を要するため、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させることが適任と認められる職員を部内で確保することが一定の期間困難である場合
(2) 当該専門的な知識経験が急速に進歩する技術に係るものであることその他当該専門的な知識経験の性質上、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に当該者が有する当該専門的な知識経験を有効に活用することができる期間が一定の期間に限られる場合
(3) 当該専門的な知識経験を有する職員を一定の期間他の業務に従事させる必要があるため、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させることが適任と認められる職員を部内で確保することが一定の期間困難である場合
(4) 当該業務が公務外における実務の経験を通じて得られる最新の専門的な知識経験を必要とするものであることにより、当該業務に当該者が有する当該専門的な知識経験を有効に活用することができる期間が一定の期間に限られる場合
3 任命権者は、前2項の規定により任期を定めた採用を行う場合には、あらかじめ市長の承認を得なければならない。

第3条 任命権者は、職員を次の各号に掲げる業務のいずれかに期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要である場合には、職員を任期を定めて採用することができる。
(1) 一定の期間内に終了することが見込まれる業務
(2) 一定の期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務
(後略)



・・・ということで、いずれも一定の期間に限ることが定められていて、第2条では専門的な知識経験が必要ともされています。40人学級から35人学級になるということは、生徒の人数が減るので、業務量はむしろ減りますし、教師がこの条例で規定されているような「専門的な知識経験を有する職員」ともいえない。

となると、消去法で、3条(1項)の(1)号としか考えられないわけですが、そこには「一定の期間内に終了することが見込まれる業務」と書かれています。

ということは、35人学級は、一定の期間内に終了するのか・・・これについて議会で訊きましたが、明確な答弁はありませんでした。

任期付教育職員は、1年間の任期で、1年ごとに採用を繰り返していくという答弁だったのですが、そうであるとしても、任期付職員を採用する以上、事業に一定の期間を設定しないのであれば、この条例の趣旨に反するのではないのでしょうか?

「この任期付教育職員を、今後何人採用する予定なのか?」という質問に対しては、「採用人数は現在未定」という答弁。人件費は1名当たり年間約550万円とのことだったのですが、人件費の総額・事業費についてはまだ無計画であると考えられます。

35人学級については賛成ですが、高槻市の計画が不十分であると考え、議案には反対しました。

以下はその議案についての私の質問と答弁の要旨です(実際の発言とは異なる部分もあるかもしれませんがご了承ください)。

■議案第130号 一般職の職員の給与に関する条例及び高槻市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例中一部改正について


【1回目の質問と答弁要旨】

35人学級の拡充を図る目的で、市費負担の任期付教育職員を採用するために、条例を改正したいということですが・・・

(1)任期付教育職員の身分は、正規職員ということになるのでしょうか?それとも非常勤職員ということになるのでしょうか?詳しくお教え下さい。

→任期付教育職員の身分についてでございますが、任期を付した正規職員でございます。

(2)この任期付教育職員を、今後何人採用する予定なのでしょうか?またその採用によって、どれだけ、給料や手当、その他の支出が増えることになるのでしょうか?

→採用人数についてでございますが、現在未定でございます。なお、任期付教員を採用した場合の人件費は1名当たり年間約550万円でございます。

(3)仮に、何年後かに、35人学級事業をやめる場合、この任期付教育職員の方々はどうなるのでしょうか?

→仮定のご質問についての答弁は、控えさせていただきます。


【2回目の質問と答弁要旨】

(1)任期付教育職員とは「任期を付した正規職員」であるということなんですが、任期は何年なのでしょうか?また、その任期の更新というのはあるのでしょうか?更新する場合は試験などがあるのでしょうか?それぞれについて詳細をお教え下さい。

→任期付教育職員の任期でございますが、原則として1年でございます。次年度につきましては、新たに1年間の任期を付して採用いたします。

(2)現在の小学校の学級を、すべて35人学級にすると、学級はどれだけ増えることになるのでしょうか?

→学級数についてでございますが、現在、児童数等を精査しているところでございます。

(3)来年度は何人の任期付教育職員が必要だと見込んでいるのでしょうか?

→必要な任期付教育職員の数につきましても、あわせて検討しているところでございます。

(4)何年後かに、35人学級事業をやめる場合については、仮定の質問だから答えないということです。この条例の改正案の趣旨としては、35人学級事業の拡充を図ることを目的に、任期付教育職員を採用するための勤務条件を整備するということですから、事業目的が失われた場合には、当然その目的のために任期を定めて採用された教育職員は、任期満了で雇止めということになるかと思いますが、そういう理解でよろしいのでしょうか?

→任期付教育職員の任期は4月から翌年の3月まででございます。


【3回目の質問と答弁要旨】

(1)任期満了で雇止めということになるかと質問したのに、任期付教育職員の任期は4月から翌年の3月までという答えしかありませんでした。ということは、雇止めはありえるということでしょうか?再度お訊きします。

(2)高槻市には「一般職の任期付職員の採用に関する条例」という条例があり、
2条と3条に任期付職員の採用の条件が書かれています。今回の任期付教育職員については、この条例の第何条の第何項第何号に該当するのでしょうか?お答えください。

(3)「仮に、何年後かに、35人学級事業をやめる場合、この任期付教育職員の方々はどうなるのでしょうか?」という質問に対しては、「仮定の質問には答弁しない」ということでしたけれども、
「一般職の任期付職員の採用に関する条例」には、任期付職員が採用出来る場合の条件として
「高度の専門的な知識経験などを一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合」
「知識経験を有効に活用することができる期間が一定の期間に限られる場合」
「一定の期間内に終了することが見込まれる業務」
などと、期間を限ることが求められています。今回は35人学級のために任期付教育職員を採用するということですから、この35人学級事業については、一定の期間に限られるのではないのかなとも考えられるわけです。任期付教育職員を、1年間の任期で、1年ごとに採用を繰り返していくということですが、もし、事業に一定の期間を設定しないのであれば、この条例の趣旨に反するのではないのでしょうか?
この35人学級事業については、一定の期間に限られるのでしょうか?限られるとすれば、何年間を予定しているのでしょうか?あるいはずっと続けるのでしょうか?お答えください。

(4)そもそも何故、この35人学級事業について、任期付教育職員を当てようとするのでしょうか?一般の、任期の定めのない常勤の職員を採用することはできないのでしょうか?お答えください。

(5)任期付教育職員を採用するということは、やはりこの事業は、終わる可能性があるということなのでしょうか?お答えください。

(6)「この任期付教育職員を、今後何人採用する予定なのか?」という質問に対して「採用人数は、現在未定だ。」というご答弁でした。ということは、経費・事業費については無計画であるということなんでしょうか?それとも実は計画があるのでしょうか?お答えください。もし、無計画だということであれば、議案には反対したうえで、事業計画の練り直しを要望します。

→任期付教育職員の任期は4月から翌年の3月までです。現段階では準備行為であり、様々な市の条例に適合した形で、詳細については今後決めていくことになります。