高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【市バス売上金不明事件】不明金の責任をウヤムヤにさせないため住民訴訟を提起

新聞各紙で報じていただきましたが、高槻市バス営業所売上金不明事件について、住民訴訟を提起しました。

高槻市営バス運賃不明:高槻市管理職を提訴 市議が賠償請求 /大阪
毎日新聞 2012年09月21日 地方版


 高槻市の市営バスの運賃収入約4120万円が不明になっていた問題で、北岡隆浩市議が20日、市自動車運送事業管理者を相手取り、市交通部の管理職ら7人に計約2470万円の支払いを請求するよう求める訴えを大阪地裁に起こした。
 訴状などによると、市は4月、09年12月から今年2月までの期間に、市営バスの2カ所の営業所で売上金約4120万円が不明になっていると発表。
 元職員3人(いずれも懲戒免職)は、期間中に約2580万円、期間前に約1020万円を窃取したことを認めた。現在までに約2670万円が弁済されたが、約2470万円が不明のままとなっている。管理職らは「所属職員に対する指揮監督を怠り、交通部に損害を与えた」としている。
 北岡市議は「不明金のうち、一部の金額は職員が盗んだとなっているが、残りはまだ分からない状態。裁判を通じて責任の所在を明らかにしたい」と話した。徳田忠昭・市自動車運送事業管理者は「訴状を確認していないため、コメントは差し控えたい」とした。【遠藤浩二



不明金のうち、一部については、元職員らが盗んだことを認めたのですが、未だに誰が盗んだのか判明していないものがあります。

6月議会では、高槻市は以下のように述べていました。

・・・特別調査員により判明した内容、及び判明しなかった内容についてでございます。まず、判明した内容についてでございますが、本件は2年もの長期にわたって明るみに出なかったわけでございますが、特別調査員からは、その原因として、運賃データと現金の照合が行われず、経理事務に活用されなかったことが指摘されています。その結果、運賃データと現金の照合が行われていないことを知っていた、当時、営業所長の職にあった者1名と、同じく当時、運輸主任の職にあった者2名が千円札を抜き取っていたということが判明をいたしました。 
 また、かぎを管理する責任を負っていた営業所長だけではなく、現金の保管場所のかぎがどこにあるのか知らない立場の運輸主任が関係していたという事実は、現金を保管する場所のかぎの管理、また現金の管理状況に不備があったのではというふうに認識をいたしております。 
 また、芝生営業所では、現金を保管する精算機が設置された部屋と、職員のロッカーや休憩室が併設されており、職員が精算機のある部屋に出入りをしても違和感のない状況であったということも問題として指摘されております。 
 このほか、特別調査員からは職場内の意見に対する対応の不十分さについて指摘がございました。不明金が発生していた期間において、営業所の管理職から上司や経理を担当する職員に報告された、「データと現金に誤差がある」「機器の点検をお願いしたい」というような意見に対して、結果的に点検等の対応がなされていなかったということが判明をいたしております。 
 一方、不明金約4,100万円のうち約1,700万円については、解明することができませんでした。 
 最後に、6点目の、今回調査で判明できなかった被害金への対応についてでございます。不明金約1,700万円につきましても、氏名不詳で刑事告訴することを含め、今後、高槻警察と協議してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。



・・・以上のとおり、金庫の機能も果たしていた精算機の鍵の管理や営業所の構造などに不備があり、「データと現金に誤差がある」「機器の点検をお願いしたい」という職員の意見も無視していたということを認めていた高槻市なのですが、9月議会では・・・

 本市監査委員からの監査結果では、現金管理について、また一般的な鍵の管理についても注意義務を尽くされていた旨の判断を頂戴したところでございます。
 しかしながら、本事案は、誠実に職務を遂行すべき職員が、自己の職責等を悪用して公金を窃取するという、極めて悪質な違法行為によるものでございます。



というように、鍵の管理に不備はなかったと言い始めました。悪いのは、盗んだ元職員だけで、他の職員には責任はないのだといわんばかりです。

つまり、高槻市役所は、売上金の管理責任をうやむやにしようとしているのです。

私は弁護士さんに見解を求めましたが、やはり現金の管理責任者(営業所長)やその上司(課長や管理者)は、賠償すべき責任があるとのことでした。金庫のお金を、誰でも盗めるような状態にほったらかしていたのですから、その責任は問われるべきです。

交通部ではこれまで様々な事件がありましたが、いずれについても、職員はお咎めなしか、甘い処分しか下されて来ませんでした。そういう組織体質なので、こんな事件が起きたのでしょう。

元検事で弁護士の「特別調査員」2名が、不明金のすべてについて、盗んだ犯人を突き止めてくれれば、裁判を起こす必要もなかったのですが・・・果たして、特別調査員に任せたのは、成功だったのか、失敗だったのか・・・最初から警察に捜査を依頼すべきだったのか、否か・・・

この事件についても、弁護士さんと共に、法廷でしっかりと戦っていきたいと思います。